社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)

 “社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 ここでは,ア行 “あ”の用語を  ああ~あお,  あか~あた,  あち~あつ ,  あて~あも,  あら~あるま ,  あるみ~あん  に分けて紹介する。

 用語一覧 あら~あるま

粗さ曲線 】  , 【 粗さパラメータ 】  , 【 粗砂 】  , 【 アルカリ 】  , 【 アルカリ金属 】  , 【 アルカリ土類金属 】  , 【 アルカン 】  ,

アルキド樹脂 】  , 【 アルキド樹脂塗料 】  , 【 アルキルシリケート 】  , 【 アルキン 】  , 【 アルケン 】  ,

アルコール 】  , 【 アルコール系溶剤 】  , 【 アルコキシシラン 】  , 【 αオキシ水酸化鉄 】  , 【 α酸化第二鉄 】  , 【 アルマンダイトガーネット

 用語の概要と関連ページ


 【粗さ曲線】( roughness profile )
 カットオフ値λc の高域フィルタによって,断面曲線から長波長成分を遮断して得た輪郭曲線。この輪郭曲線は,意図的に修正された曲線である。【JIS B0601「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ」】
 注記 1 粗さ曲線用の帯域通過フィルタは,カットオフ値λs 及びカットオフ値λc の輪郭曲線フィルタによって定義される。 注記 2 粗さ曲線は,粗さパラメータの評価の基礎となるものである。注記 3 λs 及びλc の標準的な関係は,JIS B 0651 の 4.4(粗さ曲線用カットオフ値λc,触針先端半径 rtip 及びカットオフ比 λc/λs の関係)による。
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・表面物性 ,  
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 【粗さパラメータ】( R-parameter )
 粗さ曲線から求められたパラメータ。【JIS B0601「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ」】
 粗さパラメータには,粗さ曲線の最大山高さ(Rp),粗さ曲線の最大谷深さ(Rv),最大高さ粗さ(Rz),十点平均粗さ(RZJIS; ISO 4287:1997 から削除された),粗さ曲線要素の平均高さ(Rc),粗さ曲線の最大断面高さ(Rt),・・・などがある。
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・表面物性 ,  
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 【粗砂】( coarse sand )
 読み「あらずな」,粒径 200μm~2mmの土壌。礫(れき)より小さく,細砂(さいさ)より大きい。
 関連ページ : 鋼の腐食:土壌について ,  
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 【アルカリ】( alkali )
 アルカリとは,水に溶解して塩基性( pH > 7 )を示し,酸と中和する物質の総称をいい,典型的なものにはアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物がある。これらは,水に溶解すると水酸化物イオンを生じるアレニウス塩基に相当する。
 他に,アンモニア,アミン,アルカリ性の水溶液やアルカリ金属を単にアルカリと呼ぶこともある。
 関連ページ : 塗膜の評価:耐アルカリ性 ,  
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 【アルカリ金属】( alkali metal )
 周期表第1族の 6元素の総称。軟らかく軽い融点の低い金属で,多くの金属と金属間化合物をつくる。
 化学的に活発で,一価の陽イオンになり易く,種々の元素と良く化合し,常温で水を分解して水素を発生させ水酸化物を生じる。金属単体は,アルカリ金属の塩の融解塩電解で製造される。炎色反応はリチウム(Li)真紅,ナトリウム(Na)黄色,カリウム(K)淡紫色,ルビジウム(Rb)深赤色,セシウム(Cs)青色である。
 関連ページ : 金属概論:金属の化学的分類 ,  
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 【アルカリ土類金属】( alkaline earth metal )
 周期表第2族の第4周期以後の 4元素の総称。軟らかい金属で,比較的活性で,2価の陽イオンになり易い。
 アルカリ金属ほど激しくないが水,酸素と反応し水酸化物を生じる。金属単体は,アルカリ金属の塩の融解塩電解で製造される。炎色反応はカルシウム(Ca)橙赤色,ストロンチウム(Sr)深赤色,バリウム(Ba)淡緑色,ラジウム(Ra)鮮紅色である。
 関連ページ : 金属概論:金属の化学的分類 ,  
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 【アルカン】( alkane )
 鎖式の飽和脂肪族炭化水素で,一般式 CnH2n+2 で表される鎖式飽和炭化水素で,メタン系炭化水素,パラフィン系炭化水素や脂肪族化合物などとも呼ばれる。なお,パラフィン( paraffin )といった場合は,炭素原子の数が 20 以上のアルカンを指すのが一般的である。
 関連ページ : 塗料概論:溶剤類 ,  
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 【アルキド樹脂】( alkyd resin, alkyds )
 多塩基酸及び脂肪酸(又は脂肪油)と多価アルコール類との縮重合によって作られる合成樹脂。
 多価アルコールとしてグリセリン,ペンタエリトリトールなど,多塩基酸として無水フタル酸,無水マレイン酸など,脂肪酸としてあまに油,大豆油,ひまし油などの脂肪酸が使われる。樹脂中に結合する脂肪酸の割合が大きいものから小さいものへの順に,長油アルキド・中油アルキド・短油アルキドという。【JIS K5500「塗料用語」】
 アルキド樹脂は,アルコール(alcohol)と酸(acid)又は酸無水物(acid anhydride)の反応によるエステル化合物である。アルキドは,アルキッドとも呼ばれ,ポリエステルに属する樹脂である。塗料や印刷インキの業界で使用されるものを特にアルキドと称することが多い。⇒ フタル酸樹脂,ポリエステル樹脂
 関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 ,  塗料概論:塗料の分類(材料) ,  塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,  塗料各論:アルキド樹脂とは ,  塗料各論:長油性フタル酸樹脂塗料 ,  塗料各論:ポリウレタン樹脂塗料分類 ,  塗料評価:上塗り(合成樹脂調合ペイント) ,  防食塗装系:防食塗装に用いる塗料 ,  塗料概論:塗料の近代化 ,  
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 【アルキド樹脂塗料】( alkyd resin coating, alkyd coating )
 塗膜形成要素として,アルキド樹脂を用いて作った塗料。アルキド樹脂塗料に含まれる脂肪酸には酸化形と非酸化形とがある。樹脂は脂肪酸含有量の多少によって,長油・中油・短油に分ける。
 酸化形長油アルキド樹脂を用いて作った合成樹脂調合ペイントは建築,船舶,鋼橋などの塗料の上塗りに,酸化形短油アルキド樹脂又は酸化形中油アルキド樹脂を用いて作った塗料は鉄道車両,機械などの塗装の上塗りに用いる。【JIS K5500「塗料用語」】
 JIS K 5516「合成樹脂調合ペイント」,JIS K 5572「フタル酸樹脂エナメル」など参照。
 関連ページ : 塗料概論:塗料の近代化 ,  塗料概論:塗料の分類(材料) ,  塗料各論:アルキド樹脂塗料 ,  塗料各論:長油性フタル酸樹脂塗料 ,  塗料各論:JISフタル酸樹脂塗料 ,  塗料評価:上塗り(合成樹脂調合ペイント) ,  防食塗装系:防食塗装に用いる塗料 ,  
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 【アルキルシリケート】( alkyl silicate )
 金属ケイ素とアルコールの反応で合成されるアルコキシシランの一種で,水と容易に加水分解,縮重合する。例えば,エチルシリケート{Si(OC2H54 ;IUPAC名 テトラエトキシシラン(Tetraethoxysilane)は,大気中の水蒸気により縮重合する無機ジンクリッチペイントの展色材として用いられている。
 関連ページ : 塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,  塗料各論:ジンクリッチ系塗料 ,  塗料各論:ジンクリッチ系塗料の硬化特性 ,  塗料評価:厚膜形ジンクリッチペイント ,  
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 【アルキン】( alkyne )
 鎖式の不飽和脂肪族炭化水素の中で,分子内に三重結合を一つも一般式 CnH2n-2 で表される鎖式不飽和炭化水素で,アセチレン系炭化水素とも呼ばれる。広義には分子内に非環式および環式の炭素・炭素の三重結合を持つ化合物全般を指す。
 関連ページ : 塗料概論:溶剤類 ,  
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 【アルケン】( alkene )
 鎖式の不飽和脂肪族炭化水素の中で,分子内に二重結合を一つも一般式 CnH2n で表される鎖式不飽和炭化水素で,エチレン系炭化水素,オレフィン( olefin ),オレフィン系炭化水素とも呼ばれる。環状の構造のアルケンをシクロアルケン( cycloalkene )という。
 関連ページ : 塗料概論:溶剤類 ,  
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 【アルコール】( alcohol )
 アルコールとは,脂肪族炭化水素の水素原子をヒドロキシ基( -OH :水酸基やヒドロキシル基ともいう)で置き換えた化合物で,一般式 R–OH で表される。
 関連ページ : 塗料各論:アルキド樹脂とは ,  
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 【アルコール系溶剤】( alcohols (solvent) )
 溶剤として用いるアルコール類の総称。【JIS K5500「塗料用語」】
 エタノール,1-ブタノール,2-プロパノールなど。
 関連ページ : 塗料概論:溶剤類 ,  
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 【アルコキシシラン】( alkoxysilane )
 例えば,メチルトリメトキシシラン{(CH3O)3SiCH3}などの有機けい素化合物(silane;シラン)の一種である。シランは,有機樹脂のシリコーン変性やシリコーンポリマー製造時の原料モノマーとして利用される。また,無機基材に対いては,表面改質(有機樹脂への分散性改良)やはっ水性付与に利用される。
 関連ページ : 塗料概論:塗料形成要素(展色材) ,  
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 【αオキシ水酸化鉄】( α iron(III) oxide-hydroxide )
 オキシ水酸化鉄の一種,α-FeOOH,針鉄鋼,ゲータイト(goethite)と呼ばれる。⇒ オキシ水酸化鉄,ゲーサイト 
 関連ページ : 鋼の腐食:腐食生成物 ,  
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 【α酸化第二鉄】( α iron(III) oxide )
 三価鉄の酸化鉄(α-Fe2O3),α酸化鉄(Ⅲ),ヘマタイト(hematite) ,赤鉄鉱ともいう。⇒ 酸化鉄,ヘマタイト
 関連ページ : 鋼の腐食:腐食生成物 ,  
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 【アルマンダイトガーネット】( almandite garnet grit )
 ざくろ石種の鉱石を粉砕した粒(JIS Z 0312「ブラスト処理用非金属系研削材」参照)。ブラスト材料に用いる。【JIS H8200「溶射用語」】
 関連ページ : 塗装概論:研削材 ,  
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