社会資本・腐食防食関連の技術用語 (索引)

 “社会資本“,及び“腐食防食“に関連する記事を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 ここでは,カ行 “く”の用語を  くあ~くり,  くる~くん  に分けて紹介する。

 用語一覧 くる~

クレー 】  , 【 クレージング(塗膜の) 】  , 【 黒皮 】  , 【 クロスカット法(付着性) 】  , 【 クロスヘッドダイ 】  , 【 クロマトグラフィー 】  , 【 クロマンインデン樹脂 】  ,

クロムグリーン 】  , 【 クロム鋼 】  , 【 クロム酸塩 】  , 【 クロム酸塩処理 】  , 【 クロム族元素 】  , 【 クロムめっき 】  , 【 クロムモリブデン鋼 】  , 【 クロメート処理 】  , 【 クロロプレンゴム(CR) 】  , 【 群青

 用語の概要と関連ページ


 【クレー】( clay )
 水和けい酸アルミニウムを主成分とする鉱物質の粉末。体質顔料として用いる。原土の種類・分級・精製の程度によって品質が異なる。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 塗料概論:構成(防せい・体質顔料 ,  
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 【クレージング(塗膜の)】( crazing )
 チェッキングに似ているが,もっと深く広い割れ(ISO/DIS 4618 の図3 参照)。割れの項参照。【JIS K5500「塗料用語」】
 関連ページ : 塗膜の試験規格:割れの等級 ,  
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 【黒皮】( mill scale )
 ⇒ ミルスケール
 関連ページ : 塗装概論:素地調整技術 ,  塗装概論:塗替え塗装管理(塗膜除去) ,  
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 【クロスカット法(付着性)】( adhesion test (cross-cut test) )
 塗膜の付着性試験法の一つで,JIS改訂でクロスカット法と名称が変更されたが,一般名称として広く用いられている。
 塗料,ワニス及び関連製品の試料採取及び試験を扱う規格の一つで,直角の格子パターンが塗膜に切り込まれ,素地まで貫通するときの素地からのはく離に対して塗膜の耐性を評価する。【JIS K5600-5-6「塗料一般試験方法−第 5部:塗膜の機械的性質−第 6 節:付着性(クロスカット法)」】
 はり又はカッタナイフなどで塗膜を貫通する碁盤目を切り,塗膜の傷やはく離状態を調べて,付着性を評価する試験。【JIS G 0202「鉄鋼用語(試験)」】⇒ 碁盤目試験
 関連ページ : 塗料評価:付着性 ,  塗料評価:層間付着性 ,  塗膜の評価:機械的性質とは ,  塗膜の評価:付着性 ,  
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 【クロスヘッドダイ】( crosshead die )
 ⇒ 溶融押出成型法
 関連ページ : 防食基礎:ライニング方法 ,  
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 【クロマトグラフィー】( chromatography )
 複数の分析種が移動相及び固定相の 2 相間でそれぞれ分布する度合いに違いがある場合,一方の相(移動相)を移動させてこれらの成分を分離する方法。注記 固定相に相当する相を移動相に向流に移動させる方式もある。【JIS K 0211「分析化学用語(基礎部門)」】
 試料を固定相に接して流れる移動相に導入して,固定相及び移動相に対する分析種の特性の差によって分離を行う方法。【JIS K 0215「分析化学用語(分析機器部門)」】
 関連ページ : 防食基礎:腐食試験・化学分析 ,  
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 【クロマンインデン樹脂】( chromane indene redin )
 エポキシ樹脂の吸水率低下,接着性向上目的の改質剤で,クマロン,インデン,スチレンを共重合した樹脂。
 関連ページ : 塗料各論:防食用変性エポキシ樹脂塗料 ,  
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 【クロムグリーン】( chrome green )
 黄鉛{クロム酸鉛(PbCrO4)}と紺青(こんじょう)の混合物で,緑色の無機顔料として用いられる。カラートタン,塗料,インクなどに用いられていたが,六価クロムが含まれるため使用が減少している。
 関連ページ : 塗料概論:着色顔料 ,  
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 【クロム鋼】( chromium steel )
 クロムを 10%以上含むステンレス鋼とは異なり,炭素鋼に 1%前後のクロムを添加した組成を持つ合金鋼をいう。炭素鋼より焼入れ性・焼き戻し軟化抵抗性・耐摩耗性に優れて,強度部材などに用いられている。例えば,JIS G 4053「機械構造用合金鋼鋼材;Low-alloyed steels for machine structural use」に規定されている。
 関連ページ : 金属概論:鉄鋼の分類 ,  
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 【クロム酸塩】( chromate )
 クロム(VI)のオキソアニオンのクロム酸イオン( CrO42− )を含む化合物で,鮮やかな黄色を呈する。
 二クロム酸塩(dichromates)は,クロム(VI)のオキソアニオンの二クロム酸イオン( Cr2O72− )を含む化合物で,鮮やかな橙色を呈する。金属の防せいを目的としたクロメート処理(chromate conversion coating)などに用いられていた。
 関連ページ : 塗料各論:不動態化,還元系防せい顔料 ,  
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 【クロム酸塩処理】( chromate conversion coating )
 ⇒ クロメート処理
 関連ページ : 塗装概論:素地調整技術 ,  
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 【クロム族元素】( chromium group element )
 周期表第6族のクロム(Cr),モリブデン(Mo),タングステン(W) 3元素の総称。担体は,白色あるいは灰色の金属,空気中では常温で安定,硬く,融点・沸点が非常に高い。酸性が強い。
 関連ページ : 金属概論:金属の化学的分類 ,  
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 【クロムめっき】( chromium plating )
 水道蛇口で身近なシルバー色のめっきで,耐食性が良く,硬く,光や熱の反射性が良い。クロムめっきは,硬さにより,軟質クロムめっき(装飾クロムメッキ,ニッケルクロムメッキなどとも言う),硬質クロムめっき(工業用クロムめっき)に分けられる。工業用クロムめっきの品質は,JIS H8615「工業用クロムめっき」に規定されている。なお,クロムめっきには,金属光沢を持たない黒色クロムめっき(black chrome plating)もある。
 関連ページ : 防食基礎:電気めっきの分類 ,  
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 【クロムモリブデン鋼】( Chromium-molybdenum alloy steel plates for boilers and pressure vessels )
 SCMV材と記され,常温から高温で使用されるボイラ及び圧力容器に用いるクロムモリブデン鋼の熱間圧廷鋼板,品質については,JIS G 4109「ボイラ及び圧力容器用クロムモリブデン鋼鋼板:Chromium-molybdenum alloy steel plates for boilers and pressure vessels」に規定されている。
 関連ページ : 金属概論:鉄鋼製品JIS ,  
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 【クロメート処理】( chromating, chromate treatment, chromate conversion coating )
 クロム酸又は二クロム酸塩を主成分とする溶液で金属を処理して防せい皮膜を作る表面処理方法。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
 クロム酸及び/またはクロム酸塩からなる溶液を用いて行うある種の金属表面の化学的前処理の総称として用いられる。次に,亜鉛面やアルミニウム面で実施される例を示す。
 a)亜鉛めっき(亜鉛メッキ)(※1)後のクロム酸系処理:亜鉛の腐食による白色のさび発生を防止し,美観維持のために実施される。クロメート処理によって表面にクロム酸亜鉛の緻密な被膜ができ,亜鉛の腐食が抑制される。重クロム酸塩では黄金色に,無水クロム酸系では虹淡色の光沢のある仕上がりとなる。
 b)クロム酸塩によるアルミニウムの化成処理:クロム酸塩のほか,ふっ化物などを加えた液に浸液し,黄金色の緻密な皮膜を作る。りん酸系処理に比べて防せい力が大きい。アルミニウムのクロメート処理には,これ以外にクロム酸-りん酸系処理がある。
 (※1)亜鉛めっきには,亜鉛イオンや亜鉛錯イオンを含む電解質に直流又はパルス電流を流して,陰極上に金属亜鉛を析出させる電気亜鉛めっき,溶融した亜鉛浴に浸漬し,温度差を利用して鉄鋼表面に亜鉛を析出させる溶融亜鉛めっきがある。【JIS K5500「塗料用語」】
 亜鉛めっきで一般的に用いられるクロメート処理では,クロム酸(H2Na2CrO4),硫酸(H2SO4),硝酸(HNO3),リン酸(H3PO4)などを含む溶液に浸漬し,6価クロムから3価クロムへの還元反応と,亜鉛の酸化反応で生成した水酸化クロム(Cr(OH)3)とクロム酸から生成する網目構造を持ち亜鉛イオンを含んだゲル状の皮膜(クロメート処理皮膜)を形成する処理である。
 関連ページ : 金属概論:電気亜鉛めっき ,  防食基礎:電気めっきの分類 ,  塗装概論:素地調整技術 ,  
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 【クロロプレンゴム(CR)】( chloroprene rubber )
 クロロプレンゴムとは,クロロプレン( 2-クロロ-1,3-ブタジエン,CH2=CCl-CH=CH2 )の乳化重合で合成される。生成物は,トランス-1,4結合を 80%以上含み,酸化マグネシウムや酸化亜鉛で架橋してゴム製品となる。難燃性,耐油性・耐候性に優れ,自動車部品,工業用部品(ベルト,ホースなど),はきもの,レジャー用品(ウェットスーツ,他)などに用いられる。
 関連ページ : 防食基礎:有機高分子材料 ,  防食基礎:有機ライニングの要求性能 ,  
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 【群青】( ultramarine bule pigment )
 読み「ぐんじょう」,白土,硫黄,炭酸ナトリウムなどを原料とし,粉砕・混合・焼成して作った青顔料。古くは,るり石を粉砕して作った。【JIS K5500「塗料用語」】
 参考追記:群青(顔料)は,アルミニウム・ナトリウムけい酸塩複合体に,硫黄が結合していることを特徴とする無機顔料であり,その種類は,遊離硫黄の含有量(質量分率)によって次の通りとされています。種類A:0.1を超え0.5%以下,種類B:0.1%以下 JIS K 5112「群青(顔料)」参照
 関連ページ : 塗料概論:着色顔料