物理 関連用語解説 (索引)

 ここでは,物理を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 
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非圧縮性流体 】     【 P 形半導体 】     【 p 波 】     【 P-V 線図 】     【 ピエゾ効果 】     【 ビオ(人) 】     【 非オーム性抵抗 】     【 ビオ・サバールの法則 】     【 非可逆変化 】     【 】     【 光エネルギー 】     【 光の強度 】    

非干渉性 】     【 非慣性系 】     【 引き波 】     【 非磁性体 】     【 非縮退半導体 】     【 微小振幅波 】     【 微小振幅波理論 】     【 ひずみ 】     【 非正弦波交流 】     【 非線形回路 】     【 皮相電力 】    

ピタゴラス(人) 】     【 ピタゴラスの定理 】     【 引張応力 】     【 比抵抗 】     【 非点収差 】     【 ピトー管 】     【 非ニュートン流体 】     【 比熱 】     【 比熱比 】     【 比熱容量 】     【 非粘性流体 】     【 非平衡熱力学 】    

ヒポライト・ピクシー(人) 】     【 比誘電率 】     【 氷結 】     【 標準環境温度と圧力 】     【 標準理論 】     【 標準状態 】     【 表面張力 】     【 表面抵抗 】     【 表面抵抗率 】     【 表面波 】     【 広がり抵抗 】     【 ビンガム流体

 用語の概要と関連ページ


 【非圧縮性流体】( incompressible fluid )
 流体の速度(圧力変化)が小さく,密度の変化が無視できる流体をいう。
 一般的な流体は,圧力によって流体の密度が変化するので圧縮性流体(compressible fluid)と呼ばれるが,これに対し,流体の速度(圧力変化)が小さく,密度の変化が無視できる場合には非圧縮性流体として扱われる。
 関連ページ : 波:重力波(表面波) ,  流体:流体とは ,  流体:流体の運動 ,  流体:ベルヌーイの定理 ,  
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 【P 形半導体】( P-type semiconductor , positive semiconductor )
 JIS C 5600「電子技術基本用語」では,“正孔が多数キャリヤである不純物半導体。”と定義されている。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【p 波】( P-wave )
 地震波などの弾性体を媒質とする音波(弾性波)には,縦波と横波が存在する。地震波のP波(P-wave)は,第一波(Primary wave)や圧力波(Pressure wave)の頭文字で,疎密波ともいわれる縦波である。
 関連ページ : 波:波動の基礎 ,  
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 【P-V 線図】( )
 蒸気の圧力( P )を縦軸,蒸気の体積( V )を横軸にしたグラフである。
 関連ページ : 熱力学:熱力学第一法則 ,  
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 【ピエゾ効果】( piezoelectric effect )
 ⇒ 圧電効果
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【ビオ】( Jean-Baptiste Biot )
 ジャン=バティスト・ビオ(1774年 ~ 1862年)は,フランスの物理学者,天文学者で,電流と磁場の関係の研究成果は,サバールと共にビオ・サバールの法則の発見者として知られる。また,偏光の研究等でも知られる。
 関連ページ : 電磁気学:電気・電荷・磁気とは ,  電磁気学:電位と電流 ,  
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 【非オーム性抵抗】( non-ohmic resistance )
 半導体の電気抵抗など,電流と電圧に直線的な関係(オームの法則)が成立しない抵抗をいう。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【ビオ・サバールの法則】( Biot-Savart law )
 フランスの物理学者ビオとサヴァールが発見した電流の存在によってその周りに生じる磁場を求める法則である。
 磁場は距離,方向,および電流の大きさなどに依存すること示し,静的な近似ではアンペールの法則および磁場に対するガウスの法則と同等のものである。
 関連ページ : 電磁気学:電気・電荷・磁気とは ,  電磁気学:電流と磁場 ,  電気回路:電磁気学の基本法則 ,  
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 【非可逆変化】( )
 ⇒ 不可逆過程
 関連ページ : 熱力学:断熱変化・等温変化 ,  熱力学:熱力学第二法則 ,  
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 【光】( light )
 JIS Z 8120 (光学用語),JIS Z 8105(色に関する用語)の定義では,
 1. 知覚(的)光( (perceived) light ):視覚系に特有な知覚及び感覚の普遍的で本質的な属性。
 2. 可視放射( visible radiation ):人の目に入って,直接に,視感覚を起こすことができる光学放射。
 一般的には,人間の眼を刺激し,視覚(vision)を与えるものをいうが,物理では,電磁波(electromagnetic wave)としての性質をもつことから,紫外線(ultraviolet rays)や赤外線(infrared rays)のように眼に見えない波長の電磁波まで含めて光ということが多く,場合によっては,短波長の X 線やγ線などを含めて光と呼ぶこともある。
 関連ページ : 波:光学とは ,  電磁気学:電磁波 ,  電磁気学:電磁波の性質 ,  
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 【光エネルギー】( light energy )
 電磁波の持つエネルギーや電磁波によって得られるエネルギー。
 関連ページ : 古典力学の基礎:仕事とエネルギー ,  
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 【光の強度】( intensity of light )
 JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
 光波が媒質の中を伝搬する場合,エネルギーが流れる方向に垂直な単位面積を単位時間に通過するエネルギーの時間平均値。光波の振幅の二乗に比例する。
 関連ページ : 波:光学とは ,  
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 【非干渉性】( incoherence )
 JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
 互いに干渉しない光波の性質。この場合,コヒーレンス度 |γ| は,|γ|=0 である。
 関連ページ : 波:光学とは ,  
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 【非慣性系】( non-inertia system , noninertial reference frame )
 慣性系に対して加速度運動をしている座標系をいう。
 並進加速度系,回転座標系,及びこれらの合成系がある。この座標系ではニュートンの運動方程式は成り立たないが,見かけの力を導入することで,ニュートンの運動方程式と同形の運動方程式で記述できる。この見かけの力を慣性力(inertial force)という。
 ⇒ 慣性系
 関連ページ : 古典力学の基礎:慣性力 ,  
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 【引き波】( backwash )
 船舶の航行時に後ろに発生する波。
 ⇒ よせ波
 関連ページ : 波:波・波動とは ,  波:重力波(表面波) ,  
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 【非磁性体】( nonmagnetism )
 銅,アルミニウム,一般的な気体,合成樹脂などの磁場の影響が無視できる物質の性質をいう。
 ⇒ 磁気
 関連ページ : 電磁気学:電気・電荷・磁気とは ,  
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 【非縮退半導体】( nondegenerate semiconductor )
 JIS C 5600「電子技術基本用語」では,“不純物半導体で,フェルミ準位がエネルギーギャップ中のにあり,その位置が両バンド端から少なくとも 2 kBT(kB:ボルツマン定数,T :絶対温度)以上離れている半導体。 キャリヤ密度の表式のためにボルツマン統計の近似を用いることができる。”と定義されている。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【微小振幅波】( small amplitude wave )
 沖合の波のように,水面変動の振幅に比較して,水深が十分に大きい場合の波を微小振幅波(small amplitude wave),沖波(offing wave),深海波(deep water wave,深水波)などといい,これを扱う理論を微小振幅波理論(small amplitude waves theory)という。
 関連ページ : 波:重力波(表面波) ,  
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 【微小振幅波理論】( small amplitude waves theory )
 ⇒ 微小振幅波
 関連ページ : 波:重力波(表面波) ,  
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 【ひずみ】( strain )
 関連ページ : 波:音波(弾性波) ,  
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 【非正弦波交流】( non-sinusoidal alternating current )
 正弦波交流を除く交流をいう。代表的な波形には,方形の矩形波(square wave),三角形の三角波(triangle wave),のこぎりの歯形に似たのこぎり歯状波(sawtooth wave),短時間に急激に変化(脈動)するパルス波(pulse wave)などがある。
 パルス波の中で,ごく短時間に回路に流れる衝撃電流をインパルス(impulse)という。
 ⇒ 交番電流,交流
 関連ページ : 電磁気学:電位と電流 ,  電気回路:直流電気回路の基礎 ,  電気回路:交流の基礎 ,  
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 【非線形回路】( nonlinear element )
 鉄心のあるコイル,トランジスタ,ダイオードなどの電圧と電流の関係が比例しない素子を用いた回路。
 関連ページ : 電気回路:直流電気回路の基礎 ,  
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 【皮相電力】( apparent power )
 読み(ひそうでんりょく);交流電源から送り出される電力で見かけの電力とも呼ばれ,瞬時値電流の絶対値と瞬時値電圧の絶対値の積を 1 周期にわたって積分したもので,有効電力と無効電力をベクトル合成したものである。
 関連ページ : 電気回路:交流の基礎 ,  
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 【ピタゴラス】( Pythagoras )
 ピタゴラス(紀元前582年~496年)は,古代ギリシアの数学者,哲学者。プラトンに大きな影響を与えた哲学者。
 ピタゴラスの定理(Pythagorean theorem):三平方の定理ともいわれ,直角三角形の斜辺の長さを c ,他の 2 辺の長さを a , b とすると c2=a2+b2 が成り立つ。
 関連ページ : 物理学のあゆみ ,  
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 【ピタゴラスの定理】( Pythagorean theorem )
 関連ページ : 古典力学の基礎:エネルギー保存の法則 ,  
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 【引張応力】( tensile stress )
 試験片を引っ張るのに要する力( JIS K 6200 )。
 関連ページ : 力と運動:主な力の概要 ,  
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 【比抵抗】( specific electrical resistance )
 ⇒ 電気抵抗率
 関連ページ : 電気回路:電磁気学の基本法則 ,  電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【非点収差】( astigmatism )
 JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
 光学系の軸外物点から出た光線束による軸外像点が一点に集まらず,かつ,サジタル像点とメリジオナル像点が一致しない収差。
 関連ページ : 波:光学とは ,  
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 【ピトー管】( pitot tube )
 流体の流れの速さを測定する計測器で,航空機の速度計や風洞などに使用されている。
 ピトー管は,二重になった管を基本構造とし,内側の管は先端部分 A に,外側の管は側面 B に穴が空き,二つの管の奥の圧力計で圧力差(動圧という)を測定することで流速が求められる。
 関連ページ : 流体:ベルヌーイの定理 ,  
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 【非ニュートン流体】( Non-Newtonian fluid )
 流体のせん断応力とせん断変形速度(流れの速度勾配,ずり速度)が比例関係にない流体をいう。非ニュートン流体には,せん断応力とせん断変形速度の関係により,擬塑性流体,ビンガム流体,ダイラタント流体などがある。
 関連ページ : 流体:流体とは ,  流体:流体の運動 ,  
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 【比熱】( heat capacity )
 ⇒ 比熱容量
 関連ページ : 波:音波(弾性波) ,  波:音波(発音体の振動) ,  熱力学:熱膨張,比熱容量 ,  
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 【比熱比】( specific heat ratio , heat capacity ratio )
 1 モル当たりの定圧比熱容量( Cp )と定積比熱容量( CV )との比( Cp/ CV )をいい,通常は記号γ(又はκ)を用いて表す。
 関連ページ : 波:音波(弾性波) ,  波:音波(発音体の振動) ,  熱力学:熱膨張,比熱容量 ,  熱力学:熱力学第一法則 ,  熱力学:断熱変化・等温変化 ,  
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 【比熱容量】( specific heat capacity )
 単に比熱とも呼ばれ,圧力または体積一定の条件で,単位質量の物質を単位温度上げるのに必要な熱量をいう。単位は J・kg‐1・K‐1 である。なお,一般的には,温度によって変化するので,比熱容量を表示する場合は,温度の指定が必要である。
 液体や固体の体積は,温度による極端な変化はないが,気体は,温度によるエンタルピーや体積の変化が大きいため,圧力を一定に保ちながら測定した値と体積を一定に保ちながら測定した値で大きな違いがでる。
 前者を定圧比熱容量(specific heat capacity at constant pressure),後者を定積比熱容量(specific heat capacity at constant volume)や定容比熱容量といわれている。
 原子量,分子量(モル)当たりの熱容量を原子熱(比熱容量×原子量),分子熱(比熱容量×分子量)という。分子熱は,モル比熱,モル熱容量とも呼ばれる。
 関連ページ : 波:音波(弾性波) ,  波:音波(発音体の振動) ,  熱力学:熱膨張,比熱容量 ,  熱力学:熱力学第一法則 ,  
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 【非粘性流体】( inviscid fluid )
 ⇒ 完全流体
 関連ページ : 流体:流体動力学の基礎 ,  流体:ベルヌーイの定理 ,  
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 【非平衡熱力学】( non-equilibrium thermodynamics )
 関連ページ : 熱力学:熱力学とは ,  
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 【ヒポライト・ピクシー】( Hippolyte Pixii )
 ヒポライト・ピクシー(1808 ~ 1835年)は,フランスの技術者で,ファラデーの電磁誘導の法則を用いた手回し発電機(ダイナモ)を発明したことで知られる。
 関連ページ : 電気回路:交流の基礎 ,  
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 【比誘電率】( dielectric constant , relative permittivity )
 誘電体の誘電率を真空の誘電率で割った値をいう。⇒ 誘電率
 関連ページ : 電磁気学:磁場 ,  電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【氷結】( freezing , icing )
 ⇒ 凝固
 関連ページ : 熱力学:相転位,熱の移動 ,  
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 【標準環境温度と圧力】( standard ambient temperature and pressure )
 ⇒ SATP,STP,標準状態
 関連ページ : 熱力学:気体の基礎 ,  
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 【標準理論】( standard model )
 力は,古くからある重力と電磁気力に加えて,原子核崩壊等の反応の分類から弱い力と強い力の 2 種類が特定され,あらゆる自然現象はこの 4 種類の力の作用として説明されている。現在は,自然界に存在する力は 4 種類しかないと言われている。
 関連ページ : 力と運動:力の基本 ,  
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 【標準状態】( normal state )
 基準の温度を 25℃(298.15 K)とする SATP (標準環境温度と圧力: standard ambient temperature and pressure ),基準の温度を 0℃( 273.15 K)とする STP (標準温度と圧力: standard temperature and pressure )がある。
 現在は試験室環境に近い SATP ( 25 ℃ 1 気圧 )の使用が多い。しかし,気体関連のJIS 規格,日本の高等学校教育など旧来の STP ( 0 ℃ 1 気圧)を標準状態とする場合も多い。
 関連ページ : 熱力学:気体の基礎 ,  
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 【表面張力】( surface tension )
 液体の表面に作用する表面積をできるだけ小さくしようとする力。液体表面の単位面積当たりの自由エネルギーで表す。( JIS K 3211「界面活性剤用語」)
 一般に,二相間の界面において,界面の面積を縮小するように働く界面張力という。表面という場合は,気・液界面,気・固界面をいうので,この界面の界面張力を特に表面張力という。
 関連ページ : 波:重力波(表面波) ,  
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 【表面抵抗】( surface resistance )
 ⇒ シート抵抗
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【表面抵抗率】( surface resistivity )
 ⇒ シート抵抗
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【表面波】( surface wave )
 ⇒ 重力波
 関連ページ : 波:波・波動とは ,  波:波動の基礎 ,  波:重力波(表面波) ,  
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 【広がり抵抗】( spreading resistance )
 径の小さな金属線を試料面に接触させたときの抵抗。金属細線から試料への電流通路の広がりの形状が広がり抵抗に関係し,接触部の金属線の径,接触形状及び試料の抵抗率で決まる。
 ⇒ 電気抵抗
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【ビンガム流体】( bingham plastic )
 一定の剪断応力に達しないと流動を始めない流体。⇒ 非ニュートン流体
 関連ページ : 流体:流体とは ,  流体:流体の運動 ,  
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