物理 関連用語解説 (索引)

 ここでは,物理を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 
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 カ行 かで始まる用語を  ( かあ ~ かそ ) ,  ( かた ~  )  に分けて紹介する。

 用語一覧  か行  かあ ~ かそ

外因性半導体 】     【 解析力学 】     【 回折 】     【 回折角 】     【 回折格子 】     【 回折効率 】     【 回折次数 】     【 回転運動 】     【 回転エネルギー 】    

回転界磁型発電機 】     【 回転座標系 】     【 回転半径 】     【 回転偏光 】     【 開放系 】     【 界面 】     【 界面磁性 】     【 界面自由エネルギー 】     【 界面張力 】    

外力 】     【 回路の双対性 】     【 ガウス(人) 】     【 ガウスの法則 】     【 科学技術データ委員会 】     【 化学結合の分極 】     【 化学平衡 】     【 化学ポテンシャル 】    

可逆過程 】     【 可逆定理 】     【 可逆変化 】     【 角運動量 】     【 角運動量保存の法則 】     【 核エネルギー 】     【 角加速度 】     【 拡散 】    

核磁気 】     【 核磁気共鳴 】     【 角周波数 】     【 角振動数 】     【 角速度 】     【 化合物半導体 】     【 かご形三相誘導発電機 】    

重ね合わせの原理 】     【 カ氏 】     【 可視光線 】     【 可視放射 】     【 加振力 】     【 ガス定数 】     【 ガス封入コンデンサ 】     【 加速度 】     【 加速度系 】    

 用語の概要と関連ページ


 【外因性半導体】( extrinsic semiconductor )
 ⇒ 不純物半導体
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【解析力学】( analytical mechanics )
 ニュートンの運動の法則に基づく力学を,数学の解析学の手法を用いて記述し,より一般的な形式にまとめた物理学で,18世紀後半から19世紀にかけてラグランジュ,ハミルトン,ヤコビらによって展開された。
 解析力学の体系は,基本的にラグランジュ力学(Lagrangian mechanics)とハミルトン力学(Hamiltonian mechanics)により構成される。
 関連ページ : 物理学のあゆみ ,  物理学の主な分類 ,  
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 【回折】( diffraction )
 JIS Z 8120 (光学用語)では,“ a) 光が物体に当たったとき,直進せずに広がって進み,物体の影の部分にも光が回りこむ現象。 b) 強度が断面内で一様でない光束において,光線が直進せずに広がって進む現象。”と定義している。
 媒質内を伝わる波動が,障害物の後方の影の部分まで回り込む現象である。波の波長が大きいほど,顕著な回折がおこる。
 関連ページ : 波:波動の基礎 ,  波:光学とは ,  波:物理光学とは ,  
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 【回折角】( angle of diffraction )
 JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
 回折光線が回折格子の面の法線となす角(鋭角)。
 関連ページ : 波:光学とは ,  
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 【回折格子】( diffraction grating )
 グレーティングともいい,平面鏡の鏡面に等間隔の多数の平行な溝を刻んだ平面回折格子,凹面鏡の鏡面に等間隔の多数の平行な溝を刻んだ凹面回折格子などがある。分光器の分散系としてプリズムの代りに用いられる。
 JIS Z 8120 (光学用語)では,“光の回折を利用してスペクトルを得るために用いる光学素子。平面格子,凹面格子などがある。”と定義している。
 関連ページ : 波:光学とは ,  波:物理光学とは ,  
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 【回折効率】( diffraction efficiency )
 JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
 回折格子において,特定次数の回折光(普通は 1 次の回折光)の強度と入射光の強度の比。一般に百分率 (%) で表す。
 関連ページ : 波:光学とは ,  
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 【回折次数】( diffraction order )
 JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
 回折格子の隣り合う格子点からの回折光波の光路差を波長で除した値(正又は負の整数値)。この値が m のとき,回折光を m 次の回折光という。
 関連ページ : 波:光学とは ,  
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 【回転運動】( rotational motion )
 物体のすべての点が1つの固定点を中心とする同心球面上を同じ角速度で動く運動を,その固定点のまわりの回転運動という。
 ⇔並進運動
 関連ページ : 古典力学の基礎:円運動・剛体の運動 ,  
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 【回転エネルギー】( rotational energy )
 回転する物体がもつ運動エネルギー K で,回転が静止するまでに他に成す仕事となり,慣性モーメント I ,と角速度 ω の二乗に比例する。
 関連ページ : 古典力学の基礎:円運動・剛体の運動 ,  
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 【回転界磁型発電機】( )
 コイルを固定し磁石を回転させる構造の交流発電機で,取り出される電流は周期的に流れる向きが変わる交流波形を描くが,コイルの配置により,単相交流発電,二相交流発電,三相交流発電がある。
 コイル 1 つで 1 系統の電力を取り出す(単相交流発電)より,3 つのコイルを用い,1 つの回転子の回転エネルギーから 3 系統の電力を取り出す方が発電効率を上げられるため,発電所では三相交流発電が採用されている。
 関連ページ : 電気回路:交流の基礎 ,  
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 【回転座標系】( rotatory coordinate system )
 慣性座標系に対して回転している座標系をいう。
 例えば,メリーゴーランドに固定した座標系がこれに当たり,見かけの力として,遠心力,コリオリの力,横慣性力(オイラー力)の3 種が用いられる。
 関連ページ : 古典力学の基礎:慣性力 ,  
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 【回転半径】( radius of gyration )
 ⇒ 慣性モーメント
 関連ページ : 古典力学の基礎:円運動・剛体の運動 ,  
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 【回転偏光】( rotatory polarization , rotatory polarisation )
 偏光面が光の進行につれて光の周波数で回転していくもの。
 回転偏光は,電気ベクトル(又は磁気ベクトル)の振幅が一様な円偏光と,楕円的に変化するだ円偏光に区別される。
 関連ページ : 波:物理光学とは ,  
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 【開放系】( open system )
 開放系では,閉じた系に加えて,系と系外との物質の出入りに関する質量的作用(mass action)が加わる。すなわち,この系の内部エネルギー変化では,質量的作用として,加えられた質量 m と等価なエネルギー増加分( mc2 :c 光速)を考えなければならない。
 関連ページ : 熱力学:熱力学とは ,  熱力学:熱力学第一法則 ,  
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 【界面】( interface )
 一般的には気体,液体や固体などの基本的な物質の状態(三態や三相という)が接している境界面を指すことが多い。物理的には,これに加えて,ある均一な相が他の均一な相と接している場合の境界を含む。
 すなわち,対象となる境界には,気相―液相,気相-固相,液相―固相の境界面の他に,同じ状態の物質でも分子組成や密度が異なる気相間,液相間,固相間の接触境界面も含む。
 関連ページ : 波:波動の基礎 ,  
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 【界面磁性】( interface magnetism )
 関連ページ : 電磁気学:磁場 ,  
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 【界面自由エネルギー】( surface free energy )
 液体や固体の界面が内部に比べ過剰にもっている自由エネルギー。
 関連ページ : 波:重力波(表面波) ,  
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 【界面張力】( interfacial tension )
 単位面積当たりの界面自由エネルギー。
 関連ページ : 波:重力波(表面波) ,  
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 【外力】( external force )
 複数の部分で構成する力学系(物体系,質点系)において,内部の部分同士に働く力
 関連ページ : 力と運動:主な力の概要 ,  流体:ベルヌーイの定理 ,  
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 【回路の双対性】( )
 二つの電気回路があり,一方の回路の回路方程式で電圧と電流を入れ替えると,他方の回路の回路方程式になるとき,この性質を回路の双対性(duality)という。回路理論においてしばしば現れる性質である。
 ⇒ 双対(そうつい)
 関連ページ : 電気回路:直流電気回路の基礎 ,  
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 【ガウス】( Carolus Fridericus Gauss )
 カール・フリードリヒ・ガウス(1777年 ~ 1855年)は,ドイツの数学者,物理学者で,近代数学,電磁気学など物理学に多くの業績を残す。
 関連ページ : 電磁気学:電場 ,  
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 【ガウスの法則】( Gauss' law )
 ドイツの数学者,物理学者ガウスが発見した電荷と電場の関係をあらわす方程式で,その後の電気,磁気の基本法則(マクスウェルの方程式)の1つとなった。ガウスの法則は,クーロンの法則を時間変化のある場合に一般化したものである。
 一般に “電場 E ( = D/ε) の中で任意の閉曲面を通って出ていく全電束 D はその曲面内にある全電荷に等しい。”と表現される。
 関連ページ : 電磁気学:電場 ,  電磁気学:電磁波 ,  電気回路:電磁気学の基本法則 ,  
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 【科学技術データ委員会】( Committee on Data for Science and Technology )
 CODATA は,国際科学会議(ICSU , 旧名 国際学術連合)によって1966年に設立された学際的な科学委員会で,国際的に認められた基礎物理定数および関連した変換係数の組を定期的に提供している。
 関連ページ : 熱力学:気体の基礎 ,  
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 【化学結合の分極】( )
 電気陰性度の異なる原子の化学結合に関わる結合電子の偏りをいう。⇒ 分極,双極子
 関連ページ : 電磁気学:電荷と帯電 ,  
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 【化学平衡】( chemical equilibrium )
 二つの物体を接触させたとき、化学反応による構成成分の変化や、拡散・溶融・相変化等による物質の移動が生じないとき、両物体は化学平衡 の状態にある(物質移動は物理変化であるが、化学平衡に含めて扱われる)。この場合には、化学変化前後または各独立成分の化学ポテンシャルが互いに等しいことを意味する。
 関連ページ : 熱力学:熱力学とは ,  熱力学:熱力学第一法則 ,  
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 【化学ポテンシャル】( chemical potential )
 ギブズにより導入された浸透圧や化学反応のようなマクロな物質量の移動が伴う現象で重要な示強性状態量の一つである。混合物中に存在する一つの成分 1 モル当たり,又は 1 分子当たりの定温・定圧下での自由エネルギーを指す。
 関連ページ : 物理学のあゆみ ,  熱力学:熱力学とは ,  
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 【可逆過程】( reversible process )
 ある系が状態 A から状態 B へ移った時,系以外の外界に変化を生ずる。なんらかの過程を用いて再び状態 A へ戻す。このときに外界になんの変化も残さず戻せた(外界も元の状態に戻る)場合に,状態Aから状態Bへの変化を可逆変化(reversible change)といい,用いた過程を可逆過程という。
 可逆過程は,状態変化がない平衡状態でのみ生じる過程であるため,厳密には,可逆過程は理想化されたもので存在し得ない。
 しかしながら,準静的過程を用いることで,状態の可逆的な変化を想定することが出来る。
 関連ページ : 熱力学:断熱変化・等温変化 ,  熱力学:熱力学第二法則 ,  
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 【可逆定理】( )
 ⇒ 相反定理
 関連ページ : 電気回路:直流電気回路の基礎 ,  
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 【可逆変化】( reversible change )
 ⇒ 可逆過程
 関連ページ : 熱力学:断熱変化・等温変化 ,  熱力学:熱力学第二法則 ,  
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 【角運動量】( )
 ⇒ 運動量
 関連ページ : 古典力学の基礎:運動量保存の法則 ,  古典力学の基礎:円運動・剛体の運動 ,  
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 【角運動量保存の法則】( law of conservation of angular momentum )
 角運動量保存則ともいい,の略称単位時間あたりの全角運動量の変化は外力によるトルク(力のモーメント)に等しい(ただし内力が中心力であるときに限る)という法則。
 関連ページ : 古典力学の基礎:エネルギー保存の法則 ,  
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 【核エネルギー】( nuclear energy )
 ⇒ 原子核エネルギー
 関連ページ : 古典力学の基礎:仕事とエネルギー ,  
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 【角加速度】( )
 関連ページ : 古典力学の基礎:エネルギー保存の法則 ,  
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 【拡散】( diffusion )
 JIS Z 8105(色に関する用語)の定義では,
 放射ビームが,その単色放射成分の周波数を変えることなく,ある表面又はある媒質によって多くの方向に散らされて,その方向分布を変える過程。
 関連ページ : 波:光学とは ,  
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 【核磁気】( nuclear magnetism )
 関連ページ : 電磁気学:磁場 ,  
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 【核磁気共鳴】( nuclear magnetic resonance )
 外部静磁場に置かれた原子核が固有の周波数の電磁波と相互作用する現象をいう。
 関連ページ : 電磁気学:磁場 ,  
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 【角周波数】( angular frequency )
 ⇒ 角振動数
 関連ページ : 古典力学の基礎:エネルギー保存の法則 ,  波:波動の基礎 ,  
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 【角振動数】( angular frequency )
 ⇒ 正弦波交流
 関連ページ : 波:波・波動とは ,  波:波動の基礎 ,  電気回路:交流の基礎 ,  
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 【角速度】( angular velocity )
 平面上を運動する点と原点を結ぶ線分(動径)が,原点を通る基線(定めた直線)となす角が,時間的に変化する割合(速さの程度)をいう。
 角速度は,原点を通り平面に垂直で,基線からこの動径の方向へまわした右ねじの進む向きのベクトルで表される。
 関連ページ : 古典力学の基礎:エネルギー保存の法則 ,  古典力学の基礎:慣性力 ,  古典力学の基礎:円運動・剛体の運動 ,  波:波・波動とは ,  
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 【化合物半導体】( compound semiconductor )
 JIS C 5600「電子技術基本用語」では,“ 2 種類以上の元素の原子の化学結合によって構成される半導体。一般には元素比は一定であるが,元素比に自由度がある混晶半導体もこれに含める。”と定義されている。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【かご形三相誘導発電機】( )
 ⇒ 誘導発電機
 関連ページ : 電気回路:交流の基礎 ,  
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 【重ね合わせの原理】( principle of superposition )
 多くの物理系(線形な系)に適用される一般原理で,多数の入力が同時に作用するとき,応答が,それぞれの入力が単独に行われた場合のそれぞれの応答の総和と同等である。
 ⇒ 波の重ね合わせの原理
 関連ページ : 波:波動の基礎 ,  波:物理光学とは ,  電磁気学:電場 ,  電磁気学:電位と電流 ,  電気回路:直流電気回路の基礎 ,  
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 【カ氏】( )
 ⇒ ファーレンハイト温度
 関連ページ : 熱力学:熱力学とは ,  
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 【可視光線】( visible light , visible radiation )
 一般的には,目に入って,視感覚を起こすことができる電磁波をいう。
 JIS Z 8120 (光学用語)では,可視放射(visible radiation)を“目に入って,視感覚を起こすことができる放射。 光線という概念で用いる場合は可視光線という。一般に可視放射の波長範囲の短波長限界は 360 ~ 400 nm ,長波長限界は 760 ~ 830 nm にあると考えてよい。”と定義されている。
 JIS B 7079「光学及びフォトニクス−スペクトル帯域」では,可視光線の波長範囲を 380 ~ 780 nm としている。
 関連ページ : 波:光学とは ,  電磁気学:電磁波 ,  電磁気学:電磁波の性質 ,  
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 【可視放射】( visible radiation )
 ⇒ 可視光線
 関連ページ : 波:光学とは ,  
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 【加振力】( excitation force )
 関連ページ : 波:波・波動とは ,  
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 【ガス定数】( )
 ⇒ 気体定数
 関連ページ : 波:音波(弾性波) ,  
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 【ガス封入コンデンサ】( )
 内部に六フッ化硫黄(SF6)等を封入したコンデンサ。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【加速度】( acceleration )
 単位時間当たりの速度の変化率をいう。速度がベクトル量なので,加速度もベクトル量になる。
 加速度もベクトルの平行四辺形の法則で合成,分解ができる。曲線運動する場合は,加速度を接線加速度,法線加速度に分解することが多い。
 (瞬間の)速度は常に軌跡の接線方向を向くので接線加速度は速さの変化を表し,接線と鉛直方向に分解された法線加速度は運動の向きの変化を表わす。
 関連ページ : 力と運動:はじめに ,  力と運動:速度・加速度 ,  
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 【加速度系】( non-inertia system , noninertial reference frame )
 非慣性系をいう。 ⇒ 慣性系
 関連ページ : 古典力学の基礎:慣性力 ,  
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