物理 第一部:物理学とは
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ここでは,実用上の力の分類に従い主な力として, 【内力と外力】, 【応力,張力,圧力】, 【抗力】, 【摩擦力】, 【弾性力】, 【応力関連用語】 に項目を分けて紹介する。
【内力と外力】
複数の部分で構成する力学系(物体系,質点系)において,内部の部分同士に働く力を内力(internal force),内部の部分が外部から受ける力を外力(external force)という。
力学系の選択は任意で,外力と内力の関係は,問題解決のために選択した力学系の範囲で決まる。すなわち,内力と外力は,問題解決のための区別で,本質的な違いではない。
平たく言うと,ふたつ以上の部分を設定した場合に,部分間にのみ働く互いに逆向きで同じ大きさの力が内力である。
すなわち,内力は,作用・反作用の法則の例に出てくる力である。その他の外から物体にかかる力が外力となる。
なお,内力と外力の区分は,工学分野で扱われるような複雑な力学系を理解する場合に有効である。
作用・反作用の法則の説明では,ホールド状態(静止)の綱引きを例にした。
ここでは,下図のように,選手 A が勝り選手 B とロープが引っ張られている状態の運動について考える。すなわち,注目する力学系が「選手 B とロープ」で,この系のロープに外力 F (存在が薄くなった選手 A の引く力)が作用し,力学系が加速度 a で移動していると考える。
この時,選手 B がロープを引く力( f1 ),すなわちロープが選手Bから受ける力と作用反作用の法則により選手 B がロープから受ける力( f2 )は,力学系系の内部同士に働く大きさが同じで反対向きの内力となる。
力学系「選手Bとロープ」の運動方程式は,力学系を構成する部分それぞれのニュートンの運動方程式と内力の特徴から考えられる。
すなわち,ロープの質量を m1 ,選手Bの質量を m2 とした時,ロープの運動方程式( m1×a = F‐f 1),選手 B の運動方程式( m2 ×a = f 2)と,内力の条件( f 1 = f 2 )を用いて,力学系「選手 B とロープ」の運動方程式は,
( m1+m2 )× a = F
と説明できる。
- 作用・反作用の法則(law of action and reaction)
ニュートン力学の運動の第三法則で,“二つの質点 A , B の質点 A から質点 B に力(作用)を及ぼすと,同時に質点 B から質点 A に力(反作用)が及ぼされ,作用と反作用は大きさが等しく逆向きである”と定義されている。 - 抗力
日本語の場合に,流体による抗力(drag)と固体物体間の相互作用としての抗力(reaction)が同じ単語を用いている。
単に抗力といった場合には流体の影響を想定する例が多いので,固体物体間の関係を示す場合は,摩擦力,垂直抗力の和ベクトルとしての抗力など,文脈から明確に分かるようにするのが望ましい。 - 弾性と塑性
力を加えて変形(ひずみ)した物質が,力の除去で元の形に戻ろうとする性質を弾性(elasticity)というが,元に戻らない性質(変形のまま)を塑性(plasticity)という。
ゴムなど金属に比べて大きな変形をする材料は,エラストマー(elastomer)と呼ばれ,この弾性をエントロピー弾性いう。金属材料等の示す弾性(エネルギー弾性)とは弾性の生じる原理が異なる。
エネルギー弾性とは,内部エネルギー(internal energy)の変化による弾性で,原子の間隔が元に戻ろうとする復元力に由来する弾性をいう。
エントロピー弾性とは,外力による体積変化(気体や高分子材料)した材料が,エントロピー増大の法則(熱力学の第二法則)に従い元の状態に戻ろうとする復元力による弾性をいう。 - フックの法則(Hooke's law)
弾性の法則とも呼ばれ,物理学における主要な法則の一種,17世紀にイギリスの物理学者ロバート・フックが“ばねの伸びと弾性限度以下の荷重は正比例する”と提唱した近似的な法則である。 フックの法則が近似として成り立つ物質を線形弾性体,フック弾性体 (Hookean elastic material) という。
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【応力,張力,圧力】
応力(stress)は,工学分野でで頻繁に用いられる用語である。応力とは,物体に外部から力が作用するとき,その反作用として物体内に生ずる分布内力をいう。
応力には,応力ベクトル(stress vector)と応力テンソル(stress tensor)があり,単に応力という場合は,応力テンソルを指すことが多い。
テンソル(tensor)とは,線形的な量を一般化したもので,多次元の配列として表現できるようなものである。対応する量を記述するのに必要な配列の添字の組の数は,テンソルの階数とよばれる。
スカラー量は,階数 0 のテンソルと理解され,力や運動量などのベクトル的な量は階数 1 のテンソル,力や加速度などベクトル間の異方的な関係などをあらわす線型変換は階数 2 のテンソルで表される。
従って,応力テンソルは,物体内部の微小面の法線と力の作用方向が一致する垂直応力(normal stress)成分,一致しないせん断応力(shear stress)成分の2種類に分類することができる。
応力の大きさは,物体表面や内部に仮想的な微小面を考え,その単位面積に作用する内力の大きさで定義され,これを応力度あるいは応力強さともいう。圧力の大きさの単位は,圧力と同じ単位(パスカル Pa = Nm‐2 )である。
なお,一般的には,応力は方向を含むベクトル量であるが,スカラー量である応力度を単に応力と呼ぶ場合が多い。
垂直応力(normal stress)とは,法線応力ともいわれ,物体内部のある面の垂直方向に作用する応力で,物体に外力 F が作用しているとき,外力に垂直な面の物体の断面積を A とすると,垂直応力σは
σ = F/ A
で表される。
垂直応力が押し合う場合を圧力(pressure),引き合う場合を張力(tension)という。
圧力は,物体の表面あるいは内部の任意の面に向かい垂直に押す単面積当たりの力(垂直応力)である。
圧力の単位は,Pa(パスカル),N m‐2 の他に,歴史的に古くから用いられる atm(気圧=101 325 Pa ),bar(バール= 100 000 Pa ),mmHg(水銀柱高さ=101 325/760 Pa≒ 133.3224 Pa ),Torr(トール=1 mmHg≒ 133.3224 Pa )も未だに用いられている。
張力は,物体のある平面に垂直方向に作用する引っ張り合う単位面積当たりの力(垂直応力)であるが,一般的には,単に引っ張る力の意味で用いることも少なくないので,単位を記すなど文脈において,単位面積当たりの力(応力)なのか外力としての引く力かを明確にしておくと誤解を避けられる。
せん断応力(剪断応力:shear stress)は,接線応力やシャー応力ともいわれ,物体内部のある面に平行方向に作用する応力,すなわち面がすべるように作用する応力である。
物体内部に仮想した面積 A のある面と平行方向の力 T が作用している時,ある面のせん断応力τは,
τ = T/ A
で表される。
なお,静止状態の流体には垂直応力(圧力)のみが作用し,せん断応力は存在しない。
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【抗力】
日本語の抗力は,次に示すように,特性の異なる 2 種の力に用いられている。
抗力(drag)
空気抵抗で紹介したように,気体・液体中を運動する物体,又は流体中に置かれた物体に,物体の運動と逆向き,流体の流速と同じ向きに働く力をいい,航空機や船舶などの流体力学分野で用いられる用語である。
なお,抗力(drag)を構成する摩擦抵抗(粘性抵抗)は概ね速度に比例し,圧力抵抗(慣性抵抗)は概ね速度の 2 乗に比例する。一方,抗力(reaction)の動摩擦力は,速度に依存しない力であり,日本語の用語は似ているが,特性に大きな差がある。
単に,抗力といった場合は,流体中の物体に働く抗力(drag)を指す場合が多い。
抗力(reaction)
物体 A が物体 B に接触し,物体 A が物体 B 力を及ぼすとき,反作用として物体 B が物体 A に及ぼす力をいう。
拘束力ともいわれる抗力は,ベクトルであり,接触面の接線方向の摩擦力(force of friction),法線方向の垂直抗力(normal reaction)に分割できる。なお,垂直抗力は,作用・反作用の法則に従い,作用力と同じ大きさで反対向きの力である。
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【摩擦力】
物体 A と物体 B が接触する場合に作用・反作用の法則に従い,その接触面の接線方向に沿って,物体 A に加えた力と反対方向に物体 B から作用される力で,接線抗力,接線反力ともいわれる摩擦力(force of friction)である。
固体同士が接触する時の摩擦力は,物体 A と物体 B が静止(相対速度 ゼロ)している場合の静止摩擦力(static friction)と物体 A と物体 B がゼロ以外の相対速度で運動している場合の動摩擦力(dynamic friction)に分けられる。
実際の動摩擦には,面上を滑って移動する時の滑り摩擦(sliding friction)と転がって移動する時の転がり摩擦(rolling friction)に分けられるが,ここでは,滑り摩擦を扱う。
質量 m の物体に加える力 f と,摩擦力 F の関係を下図に示す。
物体が静止している間は,釣り合った状態にあるので,加える力 f の反作用で発生した摩擦力 F の和ベクトルはゼロでなければならない。
f= F
加える力 fを増してゆくと,ある値で物体が動き出す。動き出す直前の摩擦力は,物体 A の重量(F G=m・g)などの垂直抗力 N ,接触面の状態に応じた静止摩擦係数μに比例し,最大静止摩擦力 Fmaxという。
f= Fmax=μN
一旦動き出すと,静止摩擦係数 μ より小さい動摩擦係数 μ’で決まる動摩擦力 F’が物体に作用する。動摩擦力は,物体の速度に依存せず一定である。
f > F’=μ’ N
このため,加えた力 f とを動摩擦力 F’の差に相当する加速度( a=( f ‐ F’ ) / m )が発生し,物体の速度が増加し続ける。
摩擦力の特徴をまとめると,① 摩擦力は垂直抗力(接触面に垂直に加わる力の反力)に比例, ② 摩擦力は見かけの接触面積に依存しない,③ 最大静止摩擦力は動摩擦力よりも大きい,④ 動摩擦力は速度によらず一定である。
ただし,実際の動摩擦力は,スティック・スリップ現象により,周期的に変動する場合もある。
摩擦係数(coefficient of friction)
摩擦係数は,二つの物体の接触面に働く摩擦力と接触面に作用する垂直抗力との比をいい,記号 μ で表記される無次元量である。摩擦係数は,接触面の材質や表面状態(凹凸など)で定まる。一般的に紹介されている動摩擦係数,静摩擦係数に関する定性的な解説(クーロンの摩擦法則)を次に紹介する。
静止摩擦力が接触面の見かけ上の面積に依存しないのは,接触面表面の微細な凹凸により,原子レベルでの相互作用の生じる面積(真実接触面積)が限られ,見かけ上の接触面積が意味をもたないためといわれている。
このことは,摩擦力は,接触面での原子レベルでの相互作用(凝着の生成と破壊)の結果として表れたと考えられている。
すなわち,接触面で摩擦力が発生する時,非常に接近した原子同士がクーロン力で引き合うことが静止摩擦力の原因と考えられ,動き出すことで原子間のクーロン力を切断することが動摩擦力の原因と考えられている。
物体の移動速度によらず動摩擦力が一定なのは,クーロン力の切断箇所の数が移動速度とは無関係なためとの説明も可能である。
このような説明が可能なため,摩擦力が電磁気力の一種であるといわれる理由である。
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【弾性力】
弾性力(elastic force)とは,力を加えられて変形をしている物体が,元に戻ろうとする性質(弾性)のため,作用・反作用の法則に従い,反作用として他に及ぼす力である。
変形が小さいとき,弾性力の大きさ F は変位の大きさ x に比例(フックの法則)する。この時,比例定数 k をばね定数(単位Nm‐1 )という。
F = kx
材料力学では,固体材料の変形が一定の範囲(弾性範囲内),すなわち応力とひずみの比例関係である線型弾性を指し,応力 σ とひずみ ε の比例関係の比例定数 E を弾性率という。特に一方向の引っ張り(圧縮)変形に対する弾性率 E をヤング率といっている。
σ = Eε (フックの法則)
弾性を示す範囲の変形を超えると,弾性の性質から元にもどらない塑性変形を起こす領域へ変わる。その際の限界点を弾性限界点(降伏点)という。
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【応力関連用語】
工学分野では,応力に関する用語が多い。次に,JIS の用語規格で定義される用語例を紹介する。参考にした主な JIS 規格は,
JIS G 0202「鉄鋼用語(試験): Glossary of Terms Used in Iron and Steel (Testing) 」,
JIS K 6900「プラスチック−用語: Plastics−Vocabulary 」,
JIS K 6200「ゴム−用語: Rubber−Vocabulary 」,
JIS B 0190「圧力容器の構造に関する共通用語: Glossary of terms used in construction of pressure vessels 」である。
応力σ (Pa) (stressσ (Pa) )
物体内部のある一点を通る一定の平面の単位面積に作用する内力又は内力の成分のその点における強さ。注−ある一点における応力は,六つの成分の応力すなわち一組の座標軸に関連する三つの法線成分と三つのせん断成分によって規定される。製品の仕様規格に規定されている引張り,圧縮,又はせん断試験に使用されているように,応力はその試験片の断面の最初の寸法を基礎として計算される( JIS K 6900 )。
物体内部のある一点を通る一定の平面に作用する内力の強さ(又は内力の成分のその点における強さ)。注記 応力は,単位面積当たりの力で表す。引張試験,圧縮試験又はせん断試験で用いるように,応力は,試験片の断面の元の寸法を基にして計算する( JIS K 6200 )。
真応力(true stress)
元の面積からではなく,むしろ測定時の支え面積から計算した応力( JIS K 6900 )。
試験片にある引張荷重を加えたとき,その荷重をそのときの試験片平行部の断面積で除した値。試験片平行部の体積が一定の条件の下では,真応力σAと公称応力σとの関係は,そのときの伸びをε%とすると,σA=σ( 1+ε/100 )( JIS G 0202 )
公称応力(nominal stress)
試験片に加わる引張荷重を試験片平行部の原断面積で除した値。紛らわしくないときには,単に応力ともいう( JIS G 0202 )。
呼び応力(nominal stress)
切欠きその他による応力集中の効果を考慮せず,材料が弾性体であるとして計算された応力。垂直応力はσ,せん断応力はτの記号を用いる( JIS G 0202 )。
法線応力;垂直応力σii(Pa) (normal stress σii- (Pa) )
その元の作用面積に対して垂直に働く力を,この面積の中で測定される試験片の断面積で除した値。注−法線応力はその力の方向により引張応力又は圧縮応力のいずれでもありうる。IUPAP 記号:σ( JIS K 6900 )。
考慮している面に対し垂直方向に生じる応力。一般に垂直応力は要素の厚さ方向に一様に分布せず,全体にわたって一様に分布している部分と,厚さ方向の位置によって変化する部分に分けられる( JIS B 0190 )。
引張応力(tensile stress)
試験片を引っ張るのに要する力。注記 加えた力を試験片の元の断面積で除して計算する( JIS K 6200 )。
せん断応力σij (Pa) (shear stress σij (Pa) )
その本来の作用面に平行に働く力をこの面で測定した試験片の断面積で除した値( JIS K 6900 )。考慮している面に対し接線方向に生じる応力( JIS B 0190 )。
ねじり応力 (Pa) (torsional stress (Pa) )
ねじり作用の結果生ずる,横断面にかかるせん断応力( JIS K 6900 )。
曲げ応力(曲げ試験における)(flexural stress (in flexural testing))
その試験の間の一定の時間に,支点間距離の中央において測定される試験片の外側表面における最大の公称応力( JIS K 6900 )。
曲げ応力(bending stress)
対象とする断面で等価線形的に正から負(板厚中心では 0)に変化する応力の断面端部での値( JIS B 0190 )。
膜応力(membrane stress)
対象とする断面の垂直応力の平均値( JIS B 0190 )。
支圧応力(bearing stress)
構造物の部材が他の部材との接触によって圧縮力を受けるときに,接触面に生じる圧縮応力( JIS B 0190 )。
流動応力(flow stress)
全断面降伏による塑性崩壊の評価に用いる応力。一般的には降伏強さと引張強さとの平均値を用いる( JIS B 0190 )。
負荷応力(load stress)
圧力,重力などの機械的荷重によって生じる応力( JIS B 0190 )。
熱応力(thermal stress)
自由な熱膨張を拘束するために生じる応力( JIS B 0190 )。
変動応力(varying stress)
振幅が時間的に変化する応力 ( JIS G 0202 )。
繰返し応力(repeated stress , alternating stress , cyclic stress)
ある一定の極大値と極小値との間を単純に,かつ周期的に変動する応力( JIS G 0202 )。
交番応力(oscillating stress)
時間の周期的な関数として変化する数値を伴う応力( JIS K 6900 )。
振動応力(vibrating stress)
時間の関数として変動する数値を伴う応力( JIS K 6900 )。
実効応力(root-mean-square stress)
変形 1 サイクルにおける,応力の二乗の,時間的平均値の平方根。注記 対称的な正弦応力では,この値は,応力振幅を2で除したものと等しい( JIS K 6200 )。
平均応力(mean stress)
繰返し応力の最大応力と最小応力の代数和の1/2。σm又はτmの記号を用いる( JIS G 0202 )。
最大応力(maximum stress)
繰返し応力の代数的最大値。 σmax又はτmaxの記号を用いる( JIS G 0202 )。
最小応力(minimum stress)
繰返し応力の代数的最小値。σmin又はτminの記号を用いる。備考: 最大応力及び最小応力は,引張及び圧縮応力の場合,引張応力を正,圧縮圧力を負にとり,せん断応力の場合には,一方向を正にとれば他方向を負にとる( JIS G 0202 )。
応力緩和(stress relaxation)
応力が時間の経過に依存して減少すること( JIS K 6900 )。一定のひずみのもとでの経時的な応力の減少( JIS K 6200 )。
初期荷重,初期応力(inital load (stress) )
リラクセーション試験において,初期負荷時に負荷される最大荷重(応力)( JIS G 0202 )。
残留応力(residual stress , remaining stress)
リラクセーション試験中の任意の時刻に,試験片に加えられている応力( JIS G 0202 )。
外力又は温度こう配がない状態で,物体内部に残っている応力。残留応力は,冷間加工又は溶接時若しくは熱処理時の不均等な加熱・冷却によって生じる( JIS B 0190 )。
外力又は温度こう配がない状態で,材料内部に残っている応力( JIS Z 2300非破壊試験用語)。
構造物又は部材に残留している応力( JIS Z3001-1溶接用語)。
外力又は熱こう配がない状態で,金属内部に残っている応力。備考 熱処理のときに,材料の内外部で,冷却速度の差による熱応力又は変態応力が生じ,これらが組み合わされて,内部に応力が残留する。また,冷間加工,溶接,鋳造などによっても残留応力を生じる( JIS G 0201鉄鋼用語(熱処理))。
焼入応力(quenching stress)
焼入れで生じる残留応力。備考 焼入応力には,内外部の冷却の時間的なずれに起因する熱応力と,変態に伴う変態応力とがあり,一般に両者が組み合わされて生じる( JIS G 0201鉄鋼用語(熱処理))。
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