ここでは,物理を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
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ラ行 り で始まる用語を紹介する。
用語一覧 ラ行 り
【 リアクタンス 】
【 リアクトル 】
【 力学 】
【 力学系 】
【 力学的エネルギー 】
【 力学的エネルギー保存則 】
【 力学的平衡 】
【 力積 】
【 離心率 】
【 理想気体 】
【 理想流体 】
【 流管 】
【 粒子放射線 】
【 流線 】
【 流速 】
【 流体 】
【 流体静力学 】
【 流体動力学 】
【 流体力学 】
【 流動帯電 】
【 流量 】
【 量子仮説 】
【 量子光学 】
【 量子数 】
【 陽子線 】
【 量子統計力学 】
【 量子力学 】
【 菱面体晶系 】
【 張力 】
【 理論熱効率 】
【 臨界点 】
【 臨界粘性減衰係数 】
【 りん光 】
用語の概要と関連ページ
【リアクタンス】( reactance )
直流回路の電気抵抗(レジスタンス)に相当する交流回路のインピーダンスを複素数で表示した時の虚数部をいう。なお,実数部はレジスタンスや抵抗成分という。
リアクタンスには,インダクタンス(コイル)による誘導性リアクタンスとコンデンサによる容量性リアクタンスがある。
関連ページ : 電気回路:直流電気回路の基礎 , 電気回路:交流の基礎 , 電気回路:交流回路とインピーダンス ,
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【リアクトル】( reactor )
交流回路にリアクタンスを生じさせる装置で,一般的にはインダクタンスの作用をもつコイル状の静止誘導機器が用いられる。
関連ページ : 電気回路:直流電気回路の基礎 ,
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【力学】( mechanics )
物体の運動,物体に働く力や相互作用を考察の対象とする学問分野を総称して力学(mechanics)というが,単に「力学」といった場合は,ニュートン力学を指すことが多い。
関連ページ : 物理学の主な分類 ,
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【力学系】( dynamical sysytem )
力学系とは,天体力学の研究から発生した概念で,与えられた集合上の点が時間とともに推移していく状況を数学的に記述する一つの方法である。
関連ページ : 古典力学の基礎:運動量保存の法則 ,
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【力学的エネルギー】( mechanical energy )
機械的エネルギーとも呼ばれ,運動エネルギーと位置エネルギーの和。
関連ページ : 古典力学の基礎:仕事とエネルギー , 古典力学の基礎:エネルギー保存の法則 ,
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【力学的エネルギー保存則】( law of the conservation of energy )
位置エネルギーの増減,運動エネルギーの増減を伴う変化においても,運動エネルギーと位置エネルギーの総和は変わらないことを示すが,前提として系に働く力が保存力のみの場合である。
関連ページ : 古典力学の基礎:運動エネルギー・位置エネルギー , 古典力学の基礎:エネルギー保存の法則 , 古典力学の基礎:運動量保存の法則 , 熱力学:熱力学第二法則 , 波:波・波動とは ,
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【力学的平衡】( dynamic equilibrium )
二つの物体が釣り合って安定している状態をいう。すなわち,両者の圧力が互いに等しいことなどを意味する。
関連ページ : 熱力学:熱力学とは , 熱力学:熱力学とは , 熱力学:熱力学第一法則 ,
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【力積】( impulse )
力 F が働く時間⊿ t との積(積分)で与えられるベクトル量 I = F・⊿ t (単位:N・s )をいい,時間内に力を受ける物体の運動量に等しく,打撃や衝撃などの物体間の接触で作用する短時間の大きな力(撃力)の評価などに用いられる。
関連ページ : 古典力学の基礎:運動量保存の法則 ,
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【離心率】( eccentricity )
円錐曲線の形を決める定数で,2 つの焦点間の距離を正の定数で除した値をいう。1より小さければ楕円,1 に等しければ放物線,1 より大きければ双曲線になる。
⇒ 円錐曲線
関連ページ : 古典力学の基礎:惑星の運動 ,
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【理想気体】( ideal gas )
完全気体( perfect gas )ともいい,現実には存在しない理想的な気体である。すなわち,ボイル・シャルルの法則を状態方程式とし,内部エネルギーは体積によらず温度だけの関数となり,断熱変化に対してポアソンの法則(Poisson's law)に従う。
このためには,気体を構成する粒子(分子や原子など)の体積と,粒子間の相互作用をともに無視できる系として扱われる。
関連ページ : 流体:流体とは , 波:音波(発音体の振動) , 熱力学:熱膨張,比熱容量 , 熱力学:気体の基礎 ,
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【理想流体】( ideal fluid )
⇒ 完全流体
関連ページ : 流体:流体動力学の基礎 , 流体:ベルヌーイの定理 ,
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【流管】( stream tube )
隣接した流線の束をいう。⇒ 流線
関連ページ : 流体:流体の運動 , 流体:ベルヌーイの定理 , 波:重力波(表面波) ,
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【粒子放射線】( particle radiation )
⇒ 放射線
関連ページ : 電磁気学:電磁波の性質 ,
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【流線】( streamline )
ある瞬間に注目し,各部の速度を矢印で示すと,矢印の始点と終点がつながった,すなわち速度ベクトルを接線とする曲線が描かれる。この曲線を流線という。
関連ページ : 流体:流体の運動 , 流体:流体の抵抗 ,
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【流速】( current speed , current velocity )
関連ページ : 流体:ベルヌーイの定理 ,
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【流体】( fluid )
少しの力を加えると容易に変形する気体(gas)や液体(liquid)などの物質。
関連ページ : 流体:流体とは , 流体:流体の抵抗 ,
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【流体静力学】( hydrostatics , fluid statics )
流体力学の一種で,流体の静止状態を扱う。古代ギリシャのアルキメデスの「アルキメデスの原理」の発見,1653年のパスカルによる「パスカルの原理」の発見,ボイルらによる「ボイルの法則(ボイル・マリオットの法則)」提唱で完成の域に達した。
関連ページ : 物理学のあゆみ , 物理学の主な分類 , 流体:流体とは ,
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【流体動力学】( hydrokinetics , fluid dynamics )
流体力学の一種で,流体の運動を扱う。流体静力学より後に登場し,ニュートン力学の流体への適用により進展した。18世紀の段階ではベルヌーイ,オイラー,ラグランジュらにより完全流体(粘性の無い流体)が研究され,次いで,19世紀にナビエ,ストークスらにより粘性流体の研究,19世紀末にはレイノルズによって乱流が研究された。
20世紀の初めには,プラントルの境界層理論により現代流体力学の基礎が確立された。
関連ページ : 物理学のあゆみ , 物理学の主な分類 , 流体:流体とは , 流体:流体動力学の基礎 ,
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【流体力学】( fluid mechanics , hydrodynamics )
静止状態や運動状態の流体に働く力などの性質,流体中の物体に及ぼす力などを論じる力学の部門。
流体力学は,静止状態を扱う流体静力学(fluid statics),運動状態を扱う流体動力学(fluid dynamics)に分けられる。
関連ページ : 物理学のあゆみ , 物理学の主な分類 , 流体:流体とは , 流体:流体動力学の基礎 ,
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【流動帯電】( flow electrification )
関連ページ : 電磁気学:電荷と帯電 ,
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【流量】( fluid flowing )
関連ページ : 流体:ベルヌーイの定理 ,
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【量子仮説】( quantum theory )
プランクが提唱した仮説で,放射のエネルギーは最小単位量(エネルギー量子)の整数倍に限られる。
関連ページ : 物理学のあゆみ ,
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【量子光学】( quantum optics )
原子と光の相互作用を扱う光学。⇒ 光学
関連ページ : 波:光学とは ,
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【量子数】( quantum number )
電子軌道は,主量子数 n ,方位量子数 l (エル) ,磁気量子数 m で指定される。
主量子数 n は,軌道の大きさとエネルギーを決定し,1, 2 , 3 , …の整数値をとる。これは,電子殻( K 殻, L 殻, M 殻, … )に対応する。
方位量子数 l は,軌道の形を決定し,0 , 1, 2 , … n-1の整数値をとる。これは,s 軌道,p 軌道,d 軌道,f 軌道,h 軌道に対応する。すなわち,K 殻 ( 主量子数 1 ) では l = 1 - 1 = 0となり,s 軌道しかとりえないが, N 殻 ( 主量子数 4 ) では l = 4 - 1 = 3 となり,s 軌道,p 軌道,d 軌道をとることができる。
磁気量子数 m は,各軌道を決定し,0 , ± 1, ± 2 , … ± l の整数値をとる。従って,s 軌道は, l = 0, m = 0 で 1 つの軌道を,p 軌道は l = 1 , m = -1 , 0 , 1 で 3 つの軌道を,d 軌道は l = 2 , m = -2 , -1 , 0 , 1 , 2 となり 5つの軌道を持つことができる。
関連ページ : 電磁気学:電荷と帯電 ,
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【陽子線】( proton beam )
⇒ 放射線
関連ページ : 電磁気学:電磁波の性質 ,
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【量子統計力学】( quantum statistical mechanics )
古典力学を基礎とする古典統計力学に対し,量子力学に基づく統計力学をいう。すなわち,量子として振る舞う微視的粒子の統計平均的な法則によって物質の巨視的な性質や巨視的な物理法則を論じる物理学である。
関連ページ : 熱力学:熱力学とは ,
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【量子力学】( quantum mechanics )
分子,原子,原子核,素粒子などの微視的な物理現象を扱う理論で,一般相対性理論とともに,現代物理学の根幹を成すといわれている。
関連ページ : 物理学のあゆみ , 物理学の主な分類 ,
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【菱面体晶系】( rhombohedral system )
読み:りょうめんたいしょうけい
関連ページ : 波:物理光学とは ,
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【張力】( )
関連ページ : 波:音波(発音体の振動) ,
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【理論熱効率】( )
関連ページ : 熱力学:熱力学第一法則 ,
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【臨界点】( critical point )
蒸気圧曲線が高温高圧側で途切れる点。臨界点を超える高温度・圧力条件で,超臨界流体になる。
関連ページ : 熱力学:相転位,熱の移動 ,
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【臨界粘性減衰係数】( critical viscous damping constant )
関連ページ : 波:波・波動とは ,
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【りん光】( phosphorescene )
JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
励起後約 10−8s 以上持続するルミネセンス。
関連ページ : 波:光学とは ,
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