ここでは,物理を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
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【 平均応力 】
【 平衡 】
【 平行四辺形の法則 】
【 平行ニコル 】
【 平衡熱力学 】
【 並進運動 】
【 並進加速度系 】
【 平面回折格子 】
【 平面波 】
【 平面ベクトル 】
【 平面偏光 】
【 並列回路 】
【 ベータ線 】
【 ベクトル 】
【 ベクトル量 】
【 ヘスの法則 】
【 ヘッド 】
【 ヘルツ(人) 】
【 ヘルツ(単位) 】
【 ベルヌーイ(人) 】
【 ベルヌーイの式 】
【 ベルヌーイの定理 】
【 ヘルムホルツ 】
【 ヘルムホルツの自由エネルギー 】
【 変圧器 】
【 変位 】
【 変位電流 】
【 変位ベクトル 】
【 偏極 】
【 偏光 】
【 偏光角 】
【 偏光子 】
【 偏光面 】
【 偏向力 】
【 ベンジャミン・フランクリン(人) 】
【 ベンチュリ管 】
【 ベンチュリ効果 】
【 偏微分 】
【 ヘンリー(人) 】
【 ヘンリー毎メートル 】
用語の概要と関連ページ
【平均応力】( mean stress )
繰返し応力の最大応力と最小応力の代数和の1/2。σm又はτmの記号を用いる( JIS G 0202 )。
関連ページ : 力と運動:主な力の概要 ,
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【平衡】( equilibrium )
熱力学的平衡(熱平衡,力学的平衡,化学平衡)を意味し,問題とする系において,熱力学的な状態量の変化がないことを意味する。
関連ページ : 熱力学:熱力学とは , 熱力学:断熱変化・等温変化 ,
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【平行四辺形の法則】( law of parallelogram )
ベクトル加算の法則で,二つのベクトルの和ベクトルは,二つのベクトルでつくられる平行四辺形の対角線のベクトルで表される。
関連ページ : 力と運動:はじめに , 力と運動:速度・加速度 ,
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【平行ニコル】( parallel nicols )
JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
偏光子,検光子を透過する直線偏光の電気ベクトルの振動面が互いに平行になるように配置した状態,又はこの状態における一組の偏光素子。
関連ページ : 波:光学とは ,
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【平衡熱力学】( equilibrium thermodynamics )
関連ページ : 熱力学:熱力学とは ,
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【並進運動】( translational motion )
物体のすべての点が平行移動する運動をいう。剛体の任意の運動は,重心とともに行う並進運動と重心のまわりの回転運動とに分解できる。
⇔ 回転運動
関連ページ : 古典力学の基礎:円運動・剛体の運動 , 熱力学:熱力学第一法則 ,
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【並進加速度系】( translationally accelerated system )
加速度座標系または加速基準系ともいい,慣性座標系に対し並進加速度をもって運動している座標系をいう。
例えば,駅を慣性系としたとき,発車直後や停車直前の電車に固定した座標系が並進加速度系になる。
関連ページ : 古典力学の基礎:慣性力 ,
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【平面回折格子】( )
⇒ 回折格子
関連ページ : 波:物理光学とは ,
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【平面波】( plane wave )
波面が波の進行方向に垂直な平面上にある波をいう。波源からきわめて遠く離れている球面波は近似的に平面波とみなすことができる。
関連ページ : 波:波動の基礎 , 波:幾何光学とは ,
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【平面ベクトル】( )
⇒ ベクトル
関連ページ : 力と運動:はじめに ,
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【平面偏光】( plane polarized light )
⇒ 直線偏光
関連ページ : 波:物理光学とは ,
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【並列回路】( parallel circuits )
電子部品の回路上の接続方法の一つで,2 つの端子をそれぞれ互いに接続した回路をいう。
関連ページ : 電気回路:交流回路とインピーダンス ,
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【ベータ線】( beta ray )
⇒ 放射線
関連ページ : 電磁気学:電磁波の性質 ,
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【ベクトル】( vector )
ベクトルは,有向線分と異なり,平面上の位置に依存せず,大きさと向きだけを持つ量である。
ベクトルの記号は,通常の記号と区別できるように,記号の上に矢印を付ける表示方法,太字で書いて区別する方法が採られる。
ベクトルには,平面上で方向と大きさで規定される量の平面ベクトルと空間における方向と大きさで規定される量の空間ベクトルに分けられる。単にベクトルという場合は,平面ベクトルを指すのが通例である。
平面ベクトルの成分表示は(X 成分,Y 成分)の二次元表示で,空間ベクトルでは(X 成分,Y 成分,Z 成分)の三次元で表示される。
関連ページ : 力と運動:はじめに , 古典力学の基礎:運動量保存の法則 , 電磁気学:電場 ,
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【ベクトル量】( vector quantity )
大きさに加え,方向と向きをもつ量で,変位,力,速度,電場,磁場などが例として挙げられる。物理学では,これらの他にもベクトルとして示される量は少なくない。
関連ページ : 力と運動:速度・加速度 , 電磁気学:電場 ,
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【ヘスの法則】( Hess' law )
熱力学第一法則が確立する以前に,ロシアの化学者ジェルマン・アンリ・ヘス(1802 ~ 1850 年)が化学反応(熱化学反応)に関して提唱した法則で,総熱量不変の法則ともいわれる。
ヘスの法則は,「化学反応での反応熱は,反応前後の状態のみで決まり,反応経路によらず一定である」や「化学反応のエンタルピー変化は,反応経路によらず一定」と表現される。
関連ページ : 熱力学:熱力学第一法則 , 熱力学:断熱変化・等温変化 ,
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【ヘッド】( head )
⇒ 水頭
関連ページ : 流体:ベルヌーイの定理 ,
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【ヘルツ】( Heinrich Rudolf Hertz )
ハインリヒ・ルドルフ・ヘルツ(1857年 ~ 1894年)は,ドイツの物理学者で,マックスウェルの電磁気理論を発展させ,電磁波の放射の存在を初めて実証したことで知られる。周波数の SI 組立単位のヘルツ(Hz)にその名を残す。
関連ページ : 物理学のあゆみ , 電磁気学:電磁波 ,
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【ヘルツ】( hertz )
Hz= s‐1 :周波数の SI 組立単位
関連ページ : 古典力学の基礎:仕事とエネルギー ,
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【ベルヌーイ】( Daniel Bernoulli )
ダニエル・ベルヌーイ(1700年~1782年)は,スイスの数学者・物理学者。1738年に『流体力学』を出版。ベルヌーイの定理「空気や水の流れがはやくなると,そのはやくなった部分は圧力が低くなる。はやく流れるほど圧力は下がる。」など,流体力学の基礎を築いた。
関連ページ : 物理学のあゆみ , 流体:流体とは , 流体:流体動力学の基礎 , 流体:流体の運動 , 流体:ベルヌーイの定理 ,
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【ベルヌーイの式】( Bernoulli equation )
⇒ ベルヌーイの定理
関連ページ : 流体:ベルヌーイの定理 , 波:重力波(表面波) ,
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【ベルヌーイの定理】( Bernoulli's theorem )
ベルヌーイの法則ともいわれ,流体の挙動を平易に表すことができ,力学的エネルギー保存則に相当する定理である。
定常的に流れている非圧縮性,非粘性の完全流体の任意の点において,圧力水頭,速度水頭および高さの和は一定である。
言い換えると,空気や水の流れがはやくなると,そのはやくなった部分は圧力が低くなる。はやく流れるほど圧力は下がる。
ベルヌーイの式は,完全流体の速さと圧力と外力のポテンシャルの関係を記述する式であるが,完全流体でなくともわずかな修正で成立する場合が多い。
関連ページ : 流体:流体の運動 , 流体:ベルヌーイの定理 , 波:重力波(表面波) ,
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【ヘルムホルツ】( Hermann Ludwig Ferdinand von Helmholtz )
ヘルマン・ルートヴィヒ・フェルディナント・フォン・ヘルムホルツ(1821年~1894年)は,ドイツ出身の生理学者,物理学者。1847年に論文『力の保存について』を発表。マイヤー,ジュール,ケルビン卿と並ぶエネルギー保存則(熱力学の第一法則)確立者の一人。ヘルムホルツ方程式,ヘルムホルツの自由エネルギー,ケルビン・ヘルムホルツ不安定性,ギブズ-ヘルムホルツの式などで知られる。
関連ページ : 物理学のあゆみ , 古典力学の基礎:エネルギー保存の法則 , 熱力学:熱力学とは , 熱力学:断熱変化・等温変化 ,
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【ヘルムホルツの自由エネルギー】( Helmholtz free energy )
等温等積過程の記号 F で表される自由エネルギーで,内部エネルギー U ,温度 T ,エントロピー S とすると,
F = U-TS
で定義される。
ヘルムホルツの自由エネルギーは,系の持つ内部エネルギーのうち仕事として外部に取り出せるエネルギーの最大値といわれる。
関連ページ : 熱力学:断熱変化・等温変化 ,
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【変圧器】( transformer )
トランス,変成器ともいい,2 つ以上のコイルが一つの共通する磁心を持ち,電磁誘導作用で一方のコイルと他方のコイルで相互に交流電圧あるいは電流の変換を行う機器をいう。
磁心には,鉄損(ヒステリシス損,渦電流損)の少ない高けい素鋼板(けい素 4 %程度)が用いられる。
二つのコイルの抵抗を無視した時,巻数を n1 ,n2 ,電圧を V1 ,V2 ,電流を I1 ,I2 における電圧,電流の関係は,V2 = V1 (n2/ n1) ,I2 = I1 (n1/ n2) となる。
関連ページ : 電気回路:直流電気回路の基礎 ,
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【変位】( displacement )
物体が運動して位置が変わった時,位置の変化量をいう。この場合,物体の移動経路(軌跡)は問われず,最初と最後の位置のみを問題とする。
関連ページ : 力と運動:速度・加速度 ,
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【変位電流】( displacement current )
電束電流ともいい,コンデンサを含む交流回路では,コンデンサ内での電荷の移動は無いが交流電流が流れる。このように,電束密度の時間変化に基づいて発生する電流をいう。
関連ページ : 電磁気学:電位と電流 ,
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【変位ベクトル】( displacement vector )
位置 A と位置 B への変位は,それぞれの位置ベクトルの和ベクトル(合成ベクトル)を用いて表わされる。
=-
関連ページ : 力と運動:速度・加速度 ,
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【偏極】( )
⇒ 分極
関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,
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【偏光】( polarized light )
JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
光波(電気ベクトル)の振動方向が規則的な光。 直線偏光,円偏光,だ円偏光がある。
関連ページ : 波:光学とは , 波:物理光学とは ,
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【偏光角】( angle of polarization )
JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
屈折率 n の媒質から屈折率 n'の媒質に光が入射角θで入射するとき,θ= tan −1(n'/ n) の関係を満足する角θ。ブルースター角ともいう。
関連ページ : 波:光学とは , 波:物理光学とは ,
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【偏光子】( polarizer )
偏光していない自然光から直線偏光を取出す光学素子。
関連ページ : 波:物理光学とは ,
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【偏光面】( plane of polarization )
JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
直線偏光における電気ベクトルの振動面(偏波面)に垂直で光の進行方向を含む平面。
備考 歴史的に偏光面は直線偏光の電気ベクトルの振動面ではなく,磁気ベクトルの振動面と定められている。
関連ページ : 波:光学とは , 波:物理光学とは ,
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【偏向力】( deflecting force )
⇒ コリオリの力
関連ページ : 古典力学の基礎:慣性力 ,
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【ベンジャミン・フランクリン】( Benjamin Franklin )
ベンジャミン・フランクリン (1706年 ~ 1790年)は,アメリカ合衆国の政治家,物理学者,気象学者で,物理の分野では,凧を用いた実験で雷が電気であること,雷の電気はプラスとマイナスの両方の極性があることなどを発見したといわれている。
関連ページ : 電磁気学:電気・電荷・磁気とは ,
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【ベンチュリ管】( Venturi tube )
流体の流れを絞ることで流速を増加させ,低速部にくらべて低い圧力を発生するベンチュリ効果(Venturi effect)を応用した管で,流量計,霧吹き,キャブレター,エアブラシなどに利用されている。
関連ページ : 流体:ベルヌーイの定理 ,
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【ベンチュリ効果】( Venturi effect )
流体の流路において,部分的に断面積を狭めたとき,流体の流速が増加し,圧力の低い部分が作り出される現象をいう。流量を一定にした場合のベルヌーイの定理から導かれる。
関連ページ : 流体:ベルヌーイの定理 ,
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【偏微分】( partial differential )
二つ以上の変数を持つ関数 f において,一つの変数にだけ注目し,他の変数は固定して定数とみなし,注目した変数の関数として微分することをいう。例えば,関数 f を x で偏微分するという場合は,関数 f の偏微分 𝜕f/ 𝜕x と表す。
関連ページ : 波:波動の基礎 , 波:音波(発音体の振動) ,
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【ヘンリー】( Joseph Henry )
ジョセフ・ヘンリー(1797年 ~ 1878年)は,アメリカの物理学者で,イギリスの物理学者マイケル・ファラデーと同時期に電磁誘導の発見,自己誘導現象の発見などで知られ,インダクタンスの SI 単位ヘンリーに名を残した。
関連ページ : 電磁気学:磁場 ,
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【ヘンリー毎メートル】( )
透磁率 μのSI 単位,H・m‐1= m‐1・V・A‐1・s = m・kg・s‐2・A‐2 =N・A‐2
関連ページ : 電磁気学:磁場 ,
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