ここでは,物理を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
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タ行 て で始まる用語を ( てあ ~ てわ ) , ( てんあ ~ てんさ ) , ( てんし ~ ) に分けて紹介する。
用語一覧 た行 てあ ~ てわ
【 定圧過程 】
【 定圧比熱容量 】
【 定圧モル比熱 】
【 T-S 線図 】
【 定形波 】
【 抵抗 】
【 抵抗器 】
【 抵抗材料 】
【 抵抗率 】
【 低周波回路 】
【 定常流 】
【 デイストーション 】
【 定積過程 】
【 定積熱容量 】
【 定積比熱容量 】
【 定積モル比熱 】
【 定容比熱容量 】
【 テイラー展開 】
【 デカルト(人) 】
【 デカルトの法則 】
【 デジタル回路 】
【 デジタル,ディジタル 】
【 デジタル-アナログ変換回路 】
【 デシベル 】
【 テスラ(人) 】
【 テスラ(単位) 】
【 デバイ(人) 】
【 デバイ温度 】
【 デバイのT3 法則 】
【 デバイモデル 】
【 テブナン(人) 】
【 テブナンの定理 】
【 デモクリトス(人) 】
【 デュロン(人) 】
【 デュロン=プティの法則 】
【 テレゲン(テレヘン)の定理 】
用語の概要と関連ページ
【定圧過程】( isobaric process )
流体の系の圧力を一定に保ちながら,系の状態を変化させる準静的な熱力学過程である。この場合は,体積変化を伴うので,系が仕事をする( W ≠ 0 )ので,熱力学第一法則の式は,
Q = dU +�W = dU + p dV
と書ける。
エンタルピーの変化に関しては,圧力一定(dp = 0)なので,
d H = d ( U + pV ) = d U + p dV +V dp = dU+ p dV = Q
と書ける。エンタルピーは,系の状態のみで決まる量(状態量)なので,圧力一定の時は,系に入る熱量は系の状態のみに依存し,変化経路によらず一定(⇒ヘスの法則)であることを示す。
関連ページ : 熱力学:熱力学第一法則 , 熱力学:断熱変化・等温変化 ,
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【定圧比熱容量】( specific heat capacity at constant pressure )
⇒ 比熱容量
関連ページ : 波:音波(弾性波) , 波:音波(発音体の振動) , 熱力学:熱膨張,比熱容量 ,
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【定圧モル比熱】( )
⇒ モル熱容量
関連ページ : 熱力学:断熱変化・等温変化 ,
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【T-S 線図】( )
熱力学(的)温度( T )を縦軸,熱量の変化エントロピー( S )を横軸にしたグラフである。
関連ページ : 熱力学:熱力学第一法則 ,
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【定形波】( )
関連ページ : 波:重力波(表面波) ,
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【抵抗】( drag ,resistance )
素直に受け入れがたい気持ち,外部からの力に対し逆らう(政治的,物理的)ことを意味する。
政治的には権力への抵抗,抵抗勢力などが挙げられる。物理的な抵抗には,力学的な抗力(空気抵抗;aerodynamic drag ,摩擦抵抗;friction drag など),電磁気学的な電気抵抗(electrical resistance)などがある。
JIS C 5600「電子技術基本用語」では,抵抗を“物体の電流の流れ難さを表す量で,コンダクタンスの逆数。単位(Ω= 1/ S )”と定義している。
⇒ 電気抵抗
関連ページ : 電気回路:電磁気学の基本法則 , 電気回路:電気回路の基礎 , 電気回路:交流回路とインピーダンス ,
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【抵抗器】( resistor )
レジスターや単に抵抗ともいわれ,電流の制限,電圧の分圧,時定数回路などの用途に,電気抵抗を与えるための回路部品をいう。
関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,
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【抵抗材料】( electric resistance material )
ジュール熱を用いた抵抗加熱用(電熱用)抵抗材料,電流の制限,電圧の分圧などを目的に電気回路に電気抵抗を与えるための抵抗器(resistor)に用いる抵抗材料に分けられる。なお,抵抗器はレジスターや単に抵抗ともいわれる。
関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,
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【抵抗率】( resistivity )
⇒ 電気抵抗率
関連ページ : 電気回路:電磁気学の基本法則 , 電気回路:電気回路の基礎 ,
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【低周波回路】( )
関連ページ : 電気回路:直流電気回路の基礎 ,
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【定常流】( steady flow )
流管の中のある点を採った時,その点での流速が時間と共に変化しない流れ。
関連ページ : 流体:流体の運動 , 流体:ベルヌーイの定理 , 波:重力波(表面波) , 流体:流体の抵抗 ,
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【デイストーション】( distortion )
JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
横倍率が像の大きさによって異なる収差。
関連ページ : 波:光学とは ,
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【定積過程】( isochoric process )
系の体積を一定に保ちながら,系の状態を変化させる熱力学過程で,等容変化ともいわれる。すなわち,体積一定(dV = 0)なので,熱力学第一法則の式は,
Q = dU
と,系の変化で出入りした熱量に等しい分だけ内部エネルギーが変化する。すなわち,定積過程では,どのような経路を経ても熱が保存される。
関連ページ : 熱力学:熱力学第一法則 , 熱力学:断熱変化・等温変化 ,
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【定積熱容量】( heat capacity at constant volume )
⇒ 熱容量
関連ページ : 熱力学:熱力学第二法則 ,
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【定積比熱容量】( specific heat capacity at constant volume )
⇒ 比熱容量
関連ページ : 波:音波(弾性波) , 波:音波(発音体の振動) , 熱力学:熱膨張,比熱容量 ,
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【定積モル比熱】( )
⇒ モル熱容量
関連ページ : 熱力学:断熱変化・等温変化 ,
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【定容比熱容量】( specific heat capacity at constant volume )
⇒ 比熱容量
関連ページ : 波:音波(弾性波) , 波:音波(発音体の振動) , 熱力学:熱膨張,比熱容量 ,
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【テイラー展開】( Taylor expansion )
関数 f(x) を,テイラー級数(Taylor's series)の形で表現することをいう。
関連ページ : 古典力学の基礎:運動エネルギー・位置エネルギー ,
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【デカルト】( René Descartes )
ルネ・デカルト(1596年~1650年)は,フランス生まれの哲学者,数学者。哲学史上でもっとも有名な命題「我思う,ゆえに我あり」で知られ,「合理主義哲学の祖」,「近世哲学の祖」といわれ,「運動量保存の法則」の概念の提唱者でもある。
関連ページ : 物理学のあゆみ , 古典力学の基礎:運動量保存の法則 , 波:波動の基礎 ,
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【デカルトの法則】( Descartes' law )
⇒ スネルの法則(屈折の法則)
関連ページ : 波:波動の基礎 , 波:幾何光学とは , 電磁気学:電磁波の性質 ,
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【デジタル回路】( digital )
論理演算を行う回路で,論理回路ともいわれる。論理回路の基本要素はAND回路,OR回路,NOT回路の3種類で,その組み合わせで様々な機能の回路が構成できる。
関連ページ : 電気回路:直流電気回路の基礎 ,
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【デジタル,ディジタル】( digital circuit )
とびとびの値しかない量(離散量)をいう。なお,一般的に用いられる用語デジタルは,日本工業規格(JIS)ではディジタルと表記している。
デジタル化とは,状態を示す連続量を量子化・離散化などの処理をして表現すること,例えていうと,坂道(アナログ)削って階段(デジタル)を作るような作業である。
JIS X 0001「情報処理用語−基本用語; Glossary of terms used in information processing − Fundamental terms 」では,ディジタルと表記し,“数字によって表現されるデータ及びそのデータを使う処理過程又は機能単位に関する用語。”と定義している。
JIS X 0005「情報処理用語(データの表現); Glossary of terms used in information processing (Representation of data )では,ディジタルデータ(digital data)を“数字と,場合によっては特殊文字及び間隔(文字)とによって表現されたデータ。”離散的データ(discrete data)を“文字のように,異なる要素で構成されるデータ,又は整数のように,別々のものとして認識できる一つ以上の値で表すことのできるデータ。
(備)1.離散的データは,整数の集合に写像できるかできないかによって,特徴づけることができる。
2.アナログデータの対語。”と定義している。
関連ページ : 電気回路:直流電気回路の基礎 ,
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【デジタル-アナログ変換回路】( )
関連ページ : 電気回路:直流電気回路の基礎 ,
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【デシベル】( decibel )
ベルの 1/10 の値。ベル(bel)とは,対数の底を 10 としたときの,パワーに比例する量のレベルの単位。また,対数の底を 10 の平方根[10 を底とする対数(常用対数)の値の 2 倍]としたときの場の量のレベルの単位。
関連ページ : 波:音波(弾性波) ,
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【テスラ】( Nikola Tesla )
ニコラ・テスラ(1856年 ~ 1943年)は,オーストリア帝国で生まれアメリカ合衆国に渡った発明家で,誘導モーター,交流電気方式,無線操縦,蛍光灯,テスラコイルなど多数を発明し,磁束密度の単位「テスラ」にその名を残す。
関連ページ : 電磁気学:電気・電荷・磁気とは ,
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【テスラ】( tesla )
記号 T で表される磁束密度の SI 組立単位で,T = Wb・m‐2 = kg・s‐2・A‐1
関連ページ : 古典力学の基礎:仕事とエネルギー , 電磁気学:磁場 ,
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【デバイ】( Peter Joseph William Debye )
ピーター・ヨセフ・ウィレム・デバイェ(1884年 ~ 1966年)は,オランダの物理学者,化学者で,デバイ温度,電気双極子モーメントの単位(デバイ),デバイモデル,デバイ-ヒュッケルの式などで知られる。
関連ページ : 熱力学:熱膨張,比熱容量 , 電気回路:電気回路の基礎 ,
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【デバイ温度】( Debye temperature )
オランダ人の物理学者・化学者のピーター・デバイ(1884 ~ 1966年)の考案した固体におけるフォノンの比熱(熱容量)への寄与を推定する手法であるデバイモデル(Debye model)では,低温における比熱が熱力学的温度(絶対温度)の三乗( T3 ) に比例(デバイのT3 法則)する。このデバイの T3 法則の成立する限界温度をデバイ温度(デバイの特性温度)という。
関連ページ : 熱力学:熱膨張,比熱容量 , 電気回路:電気回路の基礎 ,
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【デバイのT3 法則】( Debye T3 law )
デバイの考案した固体におけるフォノンの比熱(熱容量)への寄与を推定する手法であるデバイモデル(Debye model)では,低温における比熱が熱力学的温度(絶対温度)の三乗( T3 ) に比例(デバイのT3 法則)する。このデバイの T3 法則の成立する限界温度をデバイ温度(デバイの特性温度)という。
関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,
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【デバイモデル】( Debye model )
オランダの物理学者,化学者デバイにより考案されたモデルで,熱力学と固体物理学において,固体におけるフォノン(結晶中での格子振動などの振動を量子化した仮想的な粒子)の比熱(熱容量)への寄与を推定する手法である。
関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,
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【テブナン】( Léon Charles Thévenin )
レオン・シャルル・テブナン(1857年 ~ 1926年)は,フランスの電気技術者で,テブナンの定理で知られる。テブナンの定理と同等の,「ヘルムホルツの等価回路」は既にあったとの指摘はあるが,テブナンの定理として知られる。
関連ページ : 電気回路:直流電気回路の基礎 ,
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【テブナンの定理】( Thevenin's theorem )
等価電圧源の定理ともいわれ,多数の直流電源を含む電気回路に負荷を接続したとき,負荷に流れる電流は,多数の抵抗素子や直流電源が入り乱れた回路を,一つの内部抵抗を含む直流電圧源に置き換えて求めることができる。
関連ページ : 電気回路:直流電気回路の基礎 ,
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【デモクリトス】( Democritus )
デモクリトス(紀元前460年頃~370年頃)は,デーモクリトスともいわれる古代ギリシアの哲学者。ソクラテス以後に生まれたが,慣例でソクラテス以前の哲学者に含まれる。デモクリトスは,“すべての物質は何もない空間とそれ以上分割できない粒子からできている”と考え,この基本粒子をアトムと命名した。
関連ページ : 物理学のあゆみ ,
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【デュロン】( Pierre Louis Dulong )
フランスの物理学者,化学者のピエール・ルイ・デュロン(1785年 ~ 1838年)は,比熱に関するデュロン=プティの法則で知られる。
関連ページ : 熱力学:熱膨張,比熱容量 ,
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【デュロン=プティの法則】( Dulong-Petit law )
固体の定積モル比熱は,炭素,ホウ素などの少数の例外を除くと,ほとんど一定で約25J/deg(気体定数Rの約3倍)であるというデュロンとプティによって1819年に発見した経験法則。
関連ページ : 熱力学:熱膨張,比熱容量 ,
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【テレゲン(テレヘン)の定理】( Tellegen's Theorem )
電気回路において各枝を流れる電流と、枝間の電位差の積の和がゼロとなることを意味する定理である。この定理は,非線形回路でも成り立つ。
関連ページ : 電気回路:直流電気回路の基礎 ,
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