物理 関連用語解説 (索引)

 ここでは,物理を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 
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 カ行 かで始まる用語を  ( かあ ~ かそ ) ,  ( かた ~  )  に分けて紹介する。

 用語一覧  か行  かた ~

価電子帯 】     【 荷電粒子 】     【 過渡応答 】     【 過渡現象 】     【 渦度ベクトル 】     【 可変コンデンサ 】     【 可変抵抗 】     【 加法定理 】     【 紙コンデンサ 】    

ガリレイの相対性原理 】     【 ガリレオ温度計 】     【 ガリレオ・ガリレイ(人) 】     【 カルダーノ(人) 】     【 カルノー(人) 】     【 カルノーサイクル 】     【 ガルバーニ(人) 】    

干渉 】     【 干渉現象 】     【 干渉じま 】     【 干渉性 】     【 慣性 】     【 慣性系 】     【 慣性座標系 】     【 慣性質量 】     【 慣性抵抗 】    

慣性の法則 】     【 慣性モーメント 】     【 慣性力 】     【 完全気体 】     【 完全流体 】     【 ガンマ線 】     【 かんらん石 】     【 緩和時間 】    

 用語の概要と関連ページ


 【価電子帯】( valence band )
 充満帯ともいい,価電子に満たされたエネルギーバンドをいう。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【荷電粒子】( charged particle )
 ⇒ 電荷
 関連ページ : 電磁気学:電気・電荷・磁気とは ,  
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 【過渡応答】( transient phenomena )
 過渡現象ともいい,入力がある定常状態から他の定常状態に変化したときの応答をいう。
 例えば,インダクタに電圧を加えても直ちに電流が流れず,ある時間を経過して電流値が一定になる。一方,電圧を取り去っても一定時間経過するまで電流がゼロにならない。この現象をコイルの過渡応答(過渡現象)という。
 関連ページ : 電気回路:交流の基礎 ,  
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 【過渡現象】( transient phenomena )
 ⇒ 過渡応答
 関連ページ : 電気回路:交流の基礎 ,  
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 【渦度ベクトル】( )
 関連ページ : 波:重力波(表面波) ,  
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 【可変コンデンサ】( variable capacitor )
 静電容量を加減することができるコンデンサ。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【可変抵抗】( variable resistor )
 抵抗値を変更できる抵抗器。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【加法定理】( addition theorem )
 関数 f(α+β)=F{f(α) , f(β)}の関係で表される定理。三角関数,指数関数,ベッセル関数,楕円関数などの加法定理がある。
 三角関数の加法定理 : sin(α±β) = sinαcosβ± cosαsinβ ,cos(α±β) = cosαcosβ ∓ sinαsinβ ,tan(α±β) = (tanα±tanβ)/ ( 1 ∓ tanαstanβ)
 関連ページ : 波:波・波動とは ,  
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 【紙コンデンサ】( paper capacitor )
 誘電体に木材パルプを加工したものを用いたコンデンサ。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【ガリレイの相対性原理】( Galilean principle of relativity )
 二つの慣性座標系間で,時間と座標がガリレイ変換で関係づけられ,物理法則がガリレイ変換で変化しないという要請をいう。
 関連ページ : 物理学のあゆみ ,  
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 【ガリレオ温度計】( )
 温度変化が液体の密度変化に比例することを利用し,液体の浮力(浮力の原理)の変化から温度を評価するガリレオの名に因んだ温度計であるが,ガリレオの発明ではない。
 関連ページ : 熱力学:熱力学とは ,  
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 【ガリレオ・ガリレイ】( Galileo Galilei )
 ガリレオ・ガリレイ(1564年~1642年)は,イタリアの物理学者,天文学者,哲学者。「天文学の父」と称され,イギリスの哲学者ロジャー・ベーコン(1214年~1294年)とともに科学的手法の開拓者の一人といわれる。
 関連ページ : 物理学のあゆみ ,  熱力学:熱力学とは ,  
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 【カルダーノ】( Gerolamo Cardano )
 ジェロラモ・カルダーノ(1501年 ~ 1576年)は,イタリアの数学者,哲学者,医者である。
 関連ページ : 電磁気学:電気・電荷・磁気とは ,  
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 【カルノー】( Nicolas Léonard Sadi Carnot )
 ニコラ・レオナール・サディ・カルノー(1796年~1832年)は,フランスの軍人,物理学者,技術者。仮想熱機関「カルノーサイクル」の研究により熱力学第二法則の原型を導いたことで知られる。
 関連ページ : 物理学のあゆみ ,  熱力学:熱力学とは ,  熱力学:熱力学第一法則 ,  
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 【カルノーサイクル】( Carnot's cycle )
 フランスの物理学者ニコラ・レオナール・サディ・カルノー(1796 ~1832 年)が,熱機関(蒸気機関)の熱効率について行った思考実験で,熱効率が最大になる理想的な可逆サイクルをいう。
 カルノーサイクルは,温度の異なる2つの熱源の間で動作する可逆熱サイクルの一種で,蒸気などが高温と低温との間を断熱圧縮→等温(吸熱)膨張→断熱膨張→等温(放熱)圧縮の4行程(準静的過程)で循環する。
 関連ページ : 熱力学:熱力学とは ,  熱力学:熱力学第一法則 ,  熱力学:熱力学第二法則 ,  
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 【ガルバーニ】( Luigi Galvani )
 ルイージ・ガルヴァーニ(1737年 ~ 1798年)は,イタリアの医師,物理学者で,筋電位の研究で生体電気研究の発展に寄与するとともに,ボルタ電池と並ぶガルバに電池の発明者としても知られる。
 関連ページ : 電磁気学:電位と電流 ,  
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 【干渉】( interference )
 JIS Z 8120 (光学用語)では,“二つ以上の光波が同一点で重なりあって互いに強め合い,又は弱め合う現象。”と定義している。
 関連ページ : 波:光学とは ,  波:物理光学とは ,  
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 【干渉現象】( )
 関連ページ : 波:物理光学とは ,  
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 【干渉じま】( interference fringes )
 JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
 光の干渉によって生じる明暗の(又は色のついた)しま。
 関連ページ : 波:光学とは ,  
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 【干渉性】( coherence )
 JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
 互いに干渉することができる光波の性質。 この場合,コヒーレンス度 |γ| は,|γ| ≒ 1 である。
 関連ページ : 波:光学とは ,  
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 【慣性】( inertia )
 惰性ともいわれ,ニュートン力学の運動の第一法則(慣性の法則)では,“物質の外から力が作用しない限り,質点は静止または等速直線運動する”と説明される。
 日常の生活では,摩擦力や抵抗力があり厳密な意味での慣性の法則の観察は困難である。宇宙空間であっても,引力の影響を受けるため,慣性の法則は限られた条件の下でしか観察できない。
 慣性を言い換えると,慣性系の中で力を受けたとき,運動状態の変化に抵抗する性質といえる。すなわち,慣性の大きさを示す量は,慣性質量となる。
 関連ページ : 古典力学の基礎:慣性力 ,  
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 【慣性系】( inertia system , inertial reference frame )
 慣性座標系(inertial frame of reference)ともいい,慣慣性の法則(運動の第1法則)の成立する座標系をいう。
 言い換えると,ニュートンの運動の法則が成り立つ座標系を慣性系といい,慣性系に対して加速度運動をしている座標系を非慣性系(non-inertia system)や加速度系という。
 関連ページ : 力と運動:運動の法則 ,  古典力学の基礎:慣性力 ,  
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 【慣性座標系】( inertial frame of reference )
 ⇒ 慣性系
 関連ページ : 力と運動:運動の法則 ,  
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 【慣性質量】( inertial mass )
 ニュートンの運動方程式において,物体に作用する力 F と加速度 a は比例関係にありことが証明され,その比例係数 mI が慣性質量である。 ⇒ 質量
 関連ページ : 力と運動:はじめに ,  力と運動:運動の法則 ,  
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 【慣性抵抗】( inertial resistanc )
 ⇒ 圧力抵抗
 関連ページ : 力と運動:等加速度運動 ,  流体:流体の抵抗 ,  
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 【慣性の法則】( law of inertia )
 ニュートン力学の運動の第一法則で,“物質の外から力が作用しない限り,質点は静止または等速直線運動する”と定義されている。
 慣性系(inertial system)という概念を導入し,慣性の法則は,次の様に表現される。
 “静止している物体に力が働かないとき,その物体は慣性系に対し静止を続ける。運動する物体に力が働かないとき,その物体は慣性系に対し運動状態を変えず等速直線運動を続ける。”
 ⇒ 運動の法則
 関連ページ : 物理学の主な分類 ,  力と運動:はじめに ,  力と運動:運動の法則 ,  力と運動:等加速度運動 ,  
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 【慣性モーメント】( moment of inertia )
 慣性能率ともいわれ,回転運動において,並進運動における慣性質量(単位:kg )に対応する量で,回転運動を持続しようとする慣性の大きさを表わす量(記号 I ,単位:kg・m2 )である。
 慣性モーメントは物体の質量や形状に依存するが,剛体では,物体の全質量 M とある長さ k を用いて,I = M k2 で表わされることが多い。
 ある長さ k は回転半径(radius of gyration)といわれ,物体の形と質量分布とによって決る値である。
 関連ページ : 古典力学の基礎:円運動・剛体の運動 ,  
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 【慣性力】( inertia )
 並進加速度系,回転座標系,及びこれらの合成系がある。この座標系ではニュートンの運動方程式は成り立たないが,見かけの力を導入することで,ニュートンの運動方程式と同形の運動方程式で記述できる。
 見かけの力は,慣性系から観測した場合に見られる力(真の力)に加えて,運動方程式を満たすために導入された観測者自身の運動に依存する力である。
 慣性力には反作用が加えられる物体が無いので,慣性力と真の力とは反作用の存在により区別できる。
 ⇒ 慣性系
 関連ページ : 波:波・波動とは ,  力と運動:力の基本 ,  古典力学の基礎:慣性力 ,  流体:流体の抵抗 ,  
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 【完全気体】( perfect gas )
 ⇒ 理想気体
 関連ページ : 熱力学:気体の基礎 ,  
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 【完全流体】( perfect fluid )
 理想流体(ideal fluid),非粘性流体(inviscid fluid)ともいわれ,理想化して粘性を無視した取扱いをする仮想的な流体で,ベルヌーイの定理が成り立つ。
 粘性が存在しないことは,流体が運動してもせん断応力(接線応力)が作用しないことと同義で,いわば力学での摩擦力の無視と同等に考えられる。
 関連ページ : 流体:流体とは ,  流体:流体動力学の基礎 ,  流体:流体の運動 ,  流体:ベルヌーイの定理 ,  流体:流体の抵抗 ,  波:重力波(表面波) ,  
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 【ガンマ線】( gamma ray , γ- ray )
 放射線の一種で,放射性元素のγ崩壊で放出される電磁波。明確な定義はないが,波長 10‐11 m 以下の電磁波をいう。一般的な X 線より透過力が大きいが,電離作用は小さい。癌の治療,材質検査などに利用されている。
 ⇒ 放射線
 関連ページ : 電磁気学:電磁波 ,  電磁気学:電磁波の性質 ,  
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 【かんらん石】( olivine )
 マグネシウムや鉄のネソケイ酸塩鉱物,Mg2SiO4 (苦土かんらん石)と Fe2SiO4 (鉄かんらん石)との間の連続固溶体。
 関連ページ : 波:物理光学とは ,  
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 【緩和時間】( relaxation time )
 系が非平衡から平衡に向かって変化するなど,条件の変化が起きた時,新しい状態に移行するまでの時間をいう。
 関連ページ : 流体:流体の抵抗 ,  熱力学:断熱変化・等温変化 ,  
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