防食概論防食の基礎

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 環境遮断(金属被覆)

 電気めっきの表記

 電気めっき(electroplating , electroplated coating)には,めっき種別や要求性能が数多くある。種別や用途が容易に理解できるように,JIS H 0404「電気めっきの記号による表示方法」で表記法が定められている。
 次に,JIS規格で定める表記について紹介する。めっきの記号は,次の順に表記される。
    [めっき法] - [素地種] / [種] [厚] [タイプ] / [後処理] : [使用環境]
 
[めっき法]
 処理法の種別で,電気めっき(Ep),無電解めっき(electroless plating ;SPLE)の別を示す。
 
[素地種]
 金属ではその主要成分の元素記号で表わす。例えば,鋼,合金鋼では Fe とする。非金属では,例えばプラスチックを PL で表す。
 
[種]
 めっきを構成する元素記号で表わす。
 
[厚]
 めっきの最小厚さをμm単位で表わし,
 
[タイプ]
 めっき種が同じで複数のタイプがあるめっきについて,そのタイプを示す。
 例えば,ニッケルめっきでは光沢めっき(b),半光沢めっき(s),無光沢めっき(m)などタイプが複数ある。なお,電気めっきの製品規格で等級が定められている場合は, [厚]+ [タイプ] [等級]で表示することができる。
 
[後処理]
 残留応力除去や水素除去のために実施した後処理,めっき後の処理(クロメート処理,塗装など)を示す記号を表示する。
 
[使用環境]
 めっきの目的が装飾”又は“防食”の場合に,使用環境を下表に示す記号で表示する。


使用環境条件の記号
引用:JIS H 0404
  記号    使用環境条件    例(参考) 
  A    腐食性の強い屋外環境    海浜,工業地域など 
  B    通常の屋外環境    田園,住宅地域など 
  C    湿度の高い屋内環境    浴室,厨房など 
  D    通常の屋内環境    住宅,事務所など 

 【参考】
 めっき(plating)
 鍍金(ときん)とも言われ,金属を中心とする材料に対し,材料の装飾,耐食性向上,耐摩耗性向上,表面硬さなどの表面機能付与を目的に,異種金属の薄膜被覆による表面処理やその方法を指す。なお,めっきは,日本語なのでひらがな表記とする。
 めっきは,処理工程の違いで電解めっき(電気めっき),無電解めっき(化学めっき),溶融めっき,化成処理に分けられる。
 電気めっき(electroplating , electroplated coating)
 めっき浴中で電気分解によって,表面に金属を析出させる表面処理方法。【JIS Z0103「防せい防食用語」】
 金属又は非金属表面に金属を電気化学的に析出させた皮膜。【JIS H0400「電気めっき及び関連処理用語」】
 金属又は非金属表面に金属を電気化学的に析出させる方法。【JIS H0201「アルミニウム表面処理用語」】
 無電解めっき法(electroless plating)
 外部電源を用いずに,金属を化学的に還元析出させる方法。【JIS H0400「電気めっき及び関連処理用語」】

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