物理 関連用語解説 (索引)

 ここでは,物理を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 
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  タ行 て で始まる用語を  ( てあ ~ てわ ) ,  ( てんあ ~ てんさ ) ,  ( てんし ~ )  に分けて紹介する。

 用語一覧  た行  てんあ ~ てんさ

電圧 】     【 電位 】     【 電位差 】     【 転移熱 】     【 電気変位 】     【 電荷 】     【 電界 】     【 電界強度 】     【 電解コンデンサ 】     【 電解質 】     【 電荷保存の法則 】    

電荷密度 】     【 電荷量 】     【 電気 】     【 電気エネルギー 】     【 電気回路 】     【 電気化学 】     【 電気化学的分極 】     【 電気双極子 】     【 電気双極子モーメント 】     【 電気素量 】    

電気抵抗 】     【 電気抵抗用銅ニッケル 】     【 電気抵抗用銅マンガン 】     【 電気抵抗率 】     【 電気伝導 】     【 電気伝導体 】     【 電気伝導度 】     【 電気伝導率 】     【 電気二重層コンデンサ 】    

電気分極 】     【 電気盆 】     【 電気容量 】     【 電気力線 】     【 電気量 】     【 電気力 】     【 電気力線 】     【 電源 】     【 電源回路 】     【 点光源 】     【 転向力

 用語の概要と関連ページ


 【電圧】( voltage ,electric tension )
 直観的には水圧や気圧のように,電気を流そうとする「圧力のようなもの」と認識されている。
 具体的には,単位電荷が電場から力を受けて点 P から点 Q まで移動するとき,電場が単位電荷にする仕事が PQ 間の電位差(電圧)となる。
 電圧の単位:電圧は,単位電荷( 1C:クーロン )を A 点から B 点まで移動させるのに必要な仕事を D( J:ジュール)としたとき,AB 間の電圧を D ボルトといい,単位記号 V(= J/ C )が用いられる。
 関連ページ : 電磁気学:電位と電流 ,  
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 【電位】( electric potential )
 静電ポテンシャルともいい,電気的な位置エネルギーに係る概念である。
 すなわち,例えば重力場の中におかれた質点の力学的な位置エネルギーと同様に,静電場に置かれた電荷の置かれた場所で決まる(場所の関数)電気的な位置エネルギーをいう。
 関連ページ : 電磁気学:電位と電流 ,  
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 【電位差】( electric potential difference )
 関連ページ : 電磁気学:電位と電流 ,  
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 【転移熱】( heat of transition )
 ⇒ 潜熱
 関連ページ : 熱力学:相転位,熱の移動 ,  
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 【電気変位】( electric displacement )
 ⇒ 電束密度
 関連ページ : 電磁気学:電場 ,  
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 【電荷】( electric charge )
 素粒子の持つ性質の一つである。電荷の量を電気量(quantity of electricity)や電荷量(quantity of electric charge , charge quantity)という。
 なお,電気量や,電荷を持つ粒子そのものを電荷と称する文献,参考書,解説なども少なくなくない。
 電荷を持つ粒子(電子や陽子など)を荷電粒子(charged particle),大きさを無視できる理想化された荷電粒子を点電荷(point charge)という。
 関連ページ : 電磁気学:電気・電荷・磁気とは ,  電磁気学:電荷と帯電 ,  電磁気学:電場 ,  電磁気学:磁場 ,  
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 【電界】( electric field )
 ⇒ 電場
 関連ページ : 電磁気学:電場 ,  電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【電界強度】( electric field strength )
 ⇒ 電場の強さ
 関連ページ : 電磁気学:電場 ,  
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 【電解コンデンサ】( electrolytic capacitor )
 電極表面を化学処理して形成した薄膜の半導体を誘電体としたもので,アルミ電解コンデンサ,タンタル電解コンデンサ,ニオブコンデンサ,酸化ニオブコンデンサなどがある。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【電解質】( electrolyte )
 ⇒ 導体
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【電荷保存の法則】( law of conservation of charge )
 電荷保存則,電気量保存の法則ともいい,確認できる全ての反応(化学反応,原子核反応,粒子の崩壊・対生成・対消滅など)で電荷が保存されない事例が発見されていないという経験的事実から導き出された“電荷の総量は永遠に変わらない → 閉じた系の正・負の電荷の代数和は常に一定”という法則である。
 関連ページ : 電磁気学:電気・電荷・磁気とは ,  電磁気学:電荷と帯電 ,  古典力学の基礎:エネルギー保存の法則 ,  
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 【電荷密度】( density of electric charge , charge density )
 電気量(電荷)の密度をいい,単位体積では体積密度,単位面積では面密度,単位長さあたりでは線密度という。
 関連ページ : 電磁気学:電磁波 ,  
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 【電荷量】( quantity of electric charge , charge quantity )
 ⇒ 電荷
 関連ページ : 電磁気学:電気・電荷・磁気とは ,  電磁気学:電荷と帯電 ,  
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 【電気】( electricity )
 電荷の移動や相互作用によって発生するさまざまな物理現象の総称である。
 関連ページ : 電磁気学:電気・電荷・磁気とは ,  
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 【電気エネルギー】( electrical energy )
 電流によって運ばれるエネルギー。
 関連ページ : 古典力学の基礎:仕事とエネルギー ,  
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 【電気回路】( electric(al) circuit )
 抵抗器,インダクタ(コイル),コンデンサなどの素子(電気部品)を,所期の機能が発現するように,導体でつないだ電流のループを電気回路という。
 電気回路は,機器の必要とする安定した電力を供給する電力回路,電源の特性の違いによる直流回路,交流回路に分けられる。
 なお,これとは別に,半導体素子(トランジスタ,ダイオードや集積回路)を利用した回路は電子回路と呼ばれ,電子回路などを扱う分野を電子工学と呼ぶ。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【電気化学】( electrochemistry )
 電子のやりとりが関与している化学現象を取り扱う化学の分野で,電池,電気分解,界面・表面の電気現象,気体の放電,固体 (半導体を含む) ,液体 (溶融塩,電解質水溶液,非水溶媒を含む) ,気体の構造や導電現象,電離状態の研究などを扱う研究分野。
 関連ページ : 電磁気学:電位と電流 ,  
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 【電気化学的分極】( electrochemical polarization )
 電極電位を静止電位からずらす操作,ずれる現象を言う。
 電極電位のずれる方向に着目したアノード分極(anodic polarization),カソード分極(cathodic polarization)に,分極の原因により,抵抗分極,活性化分極,濃度分極,拡散分極などにも分けられる。
 ⇒ 分極,電気化学
 関連ページ : 電磁気学:電荷と帯電 ,  
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 【電気双極子】( electric dipole )
 ⇒ 双極子
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【電気双極子モーメント】( electric dipole moment )
 ⇒ 双極子モーメント
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【電気素量】( elementary charge )
 電気量は原子的な最小の単位量をもち,この単位量を電気素量(elementary charge)あるいは素電荷(elementary charge)と呼ばれる。
 記号 e で表わす原子的な最小の電気量をいい,電子の電荷は -e ,陽子の電荷は +e である。
 SI (国際単位系)では e = 1.6021766208(98)×10−19 C(クーロン)で与えられる。
 関連ページ : 電磁気学:電気・電荷・磁気とは ,  電磁気学:電荷と帯電 ,  
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 【電気抵抗】( electric resistance )
 電流の流れ難さを表し,SI 組立単位オーム(記号:Ω)を用いる。
 電気抵抗は,物質の内部,又は表面での荷電粒子の移動し易さを評価できれば求めることができる。電子やイオンなどの移動のし易さの尺度として,単位電界を印加したときに流れる電流密度を表す電気伝導率が用いられる。
 ⇒ 抵抗
 関連ページ : 電気回路:電磁気学の基本法則 ,  電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【電気抵抗用銅ニッケル】( Copper-nickel alloy for electrical resistance )
 JIS C 2521「電気抵抗用銅ニッケル線,帯,条及び板」に規定される銅-ニッケル-マンガン合金
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【電気抵抗用銅マンガン】( Copper-manganese alloy for electrical resistance )
 JIS C 2522「電気抵抗用銅マンガン線,棒及び板」に規定される銅-マンガン-ニッケル合金
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【電気抵抗率】( electrical resistivity )
 抵抗率(resistivity)や比抵抗(specific electrical resistance)ともいわれ,JIS C 5600「電子技術基本用語」では,“物質に外部電界を印加することによって,電荷が移動して電流が流れる現象。 電荷を運ぶキャリヤの種類に応じて,電子伝導,正孔伝導又はイオン伝導という。”と定義されている。
 物質・材料の電気の通しやすさを比較する時に用いられる材料固有の物性値で,後述の電気伝導率の逆数である。材料学の分野では,体積抵抗率(volume resistivity),体積固有抵抗という場合もある。
 物質の電気抵抗 R は,物質の電気抵抗率ρ,物質の長さ L ,断面積 Aのとき,ρ=RA/ L で表され,単位は,Ω・m が用いられる。
  なお,電気抵抗率は,温度,材料に含まれる不純物,塑性ひずみの有無などにより変わるので,材料設計も容易で,ひずみや応力のセンサにも利用される。
 関連ページ : 電気回路:電磁気学の基本法則 ,  電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【電気伝導】( electrical conduction )
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【電気伝導体】( electrical conductor )
 ⇒ 導体
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【電気伝導度】( conductance )
 抵抗の逆数をいい,単位として,古くはモー(mho ,記号 ℧)を用いていたが,現在のSI 組立単位ではジーメンス(siemens ,記号 S )が用いられる。
 ⇒ 電気伝導率
 関連ページ : 電気回路:電磁気学の基本法則 ,  電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【電気伝導率】( electrical conductivity )
 電気伝導度や導電率(conductivity)ともいわれ,電気伝導のし易さを表す物性値である。
 なお,理学系では電気伝導率(electrical conductivity),電気伝導度,工学系では導電率(conductivity)を好んで用いる傾向がある。
 電気伝導率(導電率)は,電流密度 j( A・m–2 ) ,電場 E( V・m–1 ) ,電気伝導率(導電率)σとするとオームの法則が成り立つ範囲で, σ= j / E  となる。
 関連ページ : 電気回路:電磁気学の基本法則 ,  電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【電気二重層コンデンサ】( electric double-layer capacitor )
 電気二重層という物理現象を利用し蓄電するコンデンサ。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【電気分極】( electric polarization )
 磁気分極に対する用語で,単に分極といった場合は電気分極を意味する場合が多い。
 ⇒ 誘電分極,分極
 関連ページ : 電磁気学:電荷と帯電 ,  電磁気学:磁場 ,  電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【電気盆】( electrophorus )
 ボルタ電池で知られるイタリアの物理学者ボルタが広めた静電誘導を用いた蓄電器である。
 関連ページ : 電磁気学:電荷と帯電 ,  
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 【電気容量】( electric capacity )
 ⇒ 静電容量
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  電気回路:交流の基礎 ,  
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 【電気力線】( line of electric force ,electrical flux line )
 (読み;でんきりきせん) ファラデーが提案した電気力を視覚的に表現するため,正の電荷から出発して負の電荷で終る仮想的な線をいう。
 関連ページ : 電磁気学:電位と電流 ,  
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 【電気量】( quantity of electricity )
 ⇒ 電荷
 関連ページ : 電磁気学:電気・電荷・磁気とは ,  電磁気学:電荷と帯電 ,  電磁気学:電流と磁場 ,  
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 【電気力】( electric force )
 荷電粒子間に働く力で,静電気力やクーロン力などともいわれ,同符号の電荷(electric charge)には斥力,異なる符号の電荷のあいだには引力が働く。
 電荷に関するクーロンの法則では,2 つの荷電粒子(電荷 q1 , q2 )の間に働く力の大きさ F は,電荷の積に比例し,粒子間の距離 rの二乗に反比例する。
 関連ページ : 力と運動:力の基本 ,  
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 【電気力線】( line of electric force , electrical flux line )
 イギリスの化学者,物理学者ファラデーが提案した電気力を視覚的に表現するため,正の電荷から出発して負の電荷で終る仮想的な線をいう。
 電気力線は,電場の中の各点での接線が,その点の電場ベクトルの向きと一致する。また,電荷のないところでの途切れ,二つ以上の電気力線の交わりはない。
 関連ページ : 電磁気学:電場 ,  
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 【電源】( electric power source )
 電気エネルギー(電力)を生ずる源をいい,一般的には,発電機や太陽電池などの電力機器(electric appliance)を用いて,大規模に電力を発生する発電所や電力資源をさすことが多い。電源は,発生する電流により直流電源と交流電源に分かれる。
 関連ページ : 電気回路:直流電気回路の基礎 ,  
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 【電源回路】( power supply )
 ⇒ 電力回路
 関連ページ : 電気回路:直流電気回路の基礎 ,  
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 【点光源】( point source , positional light source )
 JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,その大きさが放射(又は光)を受ける面までの距離に比べて十分小さく,計算及び測定に際して大きさを無視できる放射源(又は光源)。
 関連ページ : 波:幾何光学とは ,  
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 【転向力】( deflecting force )
 ⇒ コリオリの力
 関連ページ : 古典力学の基礎:慣性力 ,  
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