物理 関連用語解説 (索引)

 ここでは,物理を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 
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  ハ行 ふ で始まる用語を  ( ふあ ~ ふほ ) ,  ( ふら ~ )  に分けて紹介する。

 用語一覧  ハ行  ふら ~

フラウンホーファー回折 】     【 プラスチックフィルムコンデンサ 】     【 ブラッグ(人) 】     【 ブラッグ回折 】     【 ブラッグ散乱 】     【 ブラック条件 】     【 フラックス 】     【 プラトン(人) 】    

プランク(人) 】     【 プランクの放射体 】     【 プランクの法則 】     【 プラントル(人) 】     【 プラントル数 】     【 振り子 】     【 フィッツジェラルド(人) 】     【 浮力 】     【 ブリルアン散乱 】    

ブルースター角 】     【 ブルースターの法則 】     【 ブレーズド回折格子 】     【 ブレーズ波長 】     【 プレスル 】     【 フレッチャー(人) 】     【 フレネル(人) 】     【 フレネル回折 】     【 フレミングの左手の法則 】     【 フレミングの法則 】     【 フレミングの右手の法則 】    

分圧の法則 】     【 分極 】     【 分極率 】     【 分光学 】     【 分光放射輝度 】     【 分散 】     【 分散関係 】     【 分散度 】     【 分子運動 】     【 分子熱 】     【 分子場 】     【 噴出帯電 】     【 フントの法則 】     【 分流の法則

 用語の概要と関連ページ


 【フラウンホーファー回折】( Fraunhoffer diffraction )
 JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
 物体から十分遠方の空間で観測される回折。物体からの光波が凸レンズを通過した後,その焦点面上に作る像として観測することができる。
 関連ページ : 波:光学とは ,  
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 【プラスチックフィルムコンデンサ】( film capacitor )
 誘電体として用いる有機フィルムを用いたコンデンサ。フィルムの種類により,スチロールコンデンサ(スチコン),ポリエステルコンデンサ(マイラコンデンサ,マイラ),ポリプロピレンコンデンサ,テフロンコンデンサ,ポリフェニレンスルファイドコンデンサなどがある。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【ブラッグ】( William Lawrence Bragg )
 ウィリアム・ローレンス・ブラッグ(1890年 ~ 1971年)は,イギリスの物理学者で,現代結晶学の創始者のひとりといわれる。ブラックの条件で知られるX線による結晶構造解析の成果により,父のウィリアム・ヘンリー・ブラッグ(William Henry Bragg:1862年 ~ 1942年)と共にノーベル物理学賞を受賞している。
 関連ページ : 波:物理光学とは ,  
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 【ブラッグ回折】( Bragg diffraction )
 JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
 厚い回折格子において,特定の入射角で特定の方向に観測される高い効率の回折。
 関連ページ : 波:光学とは ,  
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 【ブラッグ散乱】( Bragg scattering )
 規則的に配列した原子によるX線や中性子の散乱をいう。
 関連ページ : 波:物理光学とは ,  
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 【ブラック条件】( Bragg condition )
 ブラッグ父子が導き出した条件式で,結晶によるX線回折において,回折波の進行方向と結晶中の原子の配列とを関係づける条件式。
 なお,規則的に配列した原子によるX線や中性子の散乱をブラッグ散乱(Bragg scattering)という。
 関連ページ : 波:物理光学とは ,  
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 【フラックス】( electric flux )
 ⇒ 電束
 関連ページ : 電磁気学:電場 ,  
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 【プラトン】( Plátōn )
 プラトン(プラトーンともいう,紀元前427年~347年)は,古代ギリシアの哲学者,ソクラテスの弟子,アリストテレスの師。
 関連ページ : 物理学のあゆみ ,  
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 【プランク】( Max Karl Ernst Ludwig Planck )
 マックス・カール・エルンスト・ルートヴィヒ・プランク(1858年~1947年)は,ドイツの物理学者。量子論創始者の一人で,「量子論の父」とも呼ばれている。
 関連ページ : 物理学のあゆみ ,  熱力学:熱力学第一法則 ,  
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 【プランクの放射体】( Planckian radiator )
 ⇒ 黒体
 関連ページ : 熱力学:相転位,熱の移動 ,  
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 【プランクの法則】( Planck's law )
 プランクの放射則,プランクの放射法則(Planck's law of radiation),プランクの公式などとも呼ばれ,1900 年にドイツの物理学者マックス・プランク(1858 ~1947 年)が導いた黒体から輻射(放射)される電磁波の分光放射輝度又はエネルギー密度の波長分布に関する公式である。
 JIS Z 8120(光学用語)では,“黒体の分光放射輝度を波長及び温度の関数として与える法則。”と定義されている。
 関連ページ : 熱力学:相転位,熱の移動 ,  
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 【プラントル】( Ludwig Prandtl )
 ルートヴィヒ・プラントル(1875年~1953年)は,ドイツの物理学者。空気力学における境界層,薄翼の理論,揚力線理論などで知られる。
 関連ページ : 物理学のあゆみ ,  流体:流体とは ,  流体:流体動力学の基礎 ,  
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 【プラントル数】( Prandtl number )
 プラントル数(記号 Pr )は,流体の動粘度と温度拡散率の比で定義される。
 関連ページ : 熱力学:相転位,熱の移動 ,  
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 【振り子】( pendulum )
 支点から吊るされた物体(おもり)が,重力の作用で揺れを繰り返す現象である。
 関連ページ : 古典力学の基礎:エネルギー保存の法則 ,  波:波・波動とは ,  
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 【フィッツジェラルド】( George Francis FitzGerald )
 ジョージ・フランシス・フィッツジェラルド(1851年~1901年)は,アイルランドの物理学者。交流電流の電磁波放射をヘルツの実験に先駆け理論的に予言,ローレンツとともに光の反射・屈折の理論をマクスウェルの方程式から導く。
 関連ページ : 物理学のあゆみ ,  
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 【浮力】( buoyancy )
 静止流体中の物体と流体との境界面に対し垂直な静圧を境界面について総和したもの。
 関連ページ : 流体:流体とは ,  
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 【ブリルアン散乱】( Brillouin scattering )
 JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
 物質中の音波によって生じる,光の周波数がわずかにずれる非弾性散乱。
 液体や固体の屈折率が熱振動の音波,すなわち,フォノンによって変化して,光に対する回折格子を形成するため,光がブラッグ条件を満たす方向に散乱される。
 関連ページ : 波:光学とは ,  
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 【ブルースター角】( )
 ⇒ 偏光角,ブルースターの法則
 関連ページ : 波:物理光学とは ,  
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 【ブルースターの法則】( Brewster’s law )
 関連ページ : 波:物理光学とは ,  
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 【ブレーズド回折格子】( blazed grating )
 任意の回折次数で最大回折効率が得られるように最適化された特殊な反射型回折格子の一つで,エシェレット格子(echelett grating)とも呼ばれる。ている。
 関連ページ : 波:物理光学とは ,  
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 【ブレーズ波長】( blazed wavelength )
 JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
 回折格子において回折効率が最大になる波長。
 関連ページ : 波:光学とは ,  
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 【プレスル】( Plössl )
 略号PL :ケルナー式の改良としてルーペ用の 2 群 4 枚の形式のレンズ。アッベ式同様に光学性能が高く,接眼レンズとして汎用される種類。
 関連ページ : 波:幾何光学とは ,  
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 【フレッチャー】( Harvey Fletcher )
 ハーヴェイ・フレッチャー(1884年 ~ 1981年)は,アメリカ合衆国の物理学者で,補聴器や聴力計の発明者として知られる。また,フレッチャーの博士論文にミリカンの油滴実験の内容(電子の電荷を決定する方法)を含み,顧問教授のミリカンと共に電気素量計測に寄与した者としても知られる。
 関連ページ : 電磁気学:電気・電荷・磁気とは ,  
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 【フレネル】( Augustin Jean Fresnel )
 オーギュスタン・ジャン・フレネル(1788年~1827年)は,フランスの物理学者,土木技術者,光の波動説を唱え,光の回折や複屈折現象などの理論研究,灯台や投光器に用いるフレネルレンズの発明など光学分野で業績を残す。
 関連ページ : 波:波動の基礎 ,  波:物理光学とは ,  
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 【フレネル回折】( Fresnel diffraction )
 JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
 物体に近い空間で観測される回折。 物体の直径を D とするとき,観測点と物体との距離が波長λに比べて十分大きく,かつ,D2/λより小さい空間での回折をいう。
 関連ページ : 波:光学とは ,  
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 【フレミングの左手の法則】( Fleming's left hand rule )
 外部磁場内において,電流が流れる導体に発生する力(ローレンツ力)の向きの関係を示すフレミングが考案した方法である。
 左手の中指と人差し指と親指を立てて互いに直角の関係にしたとき,中指が電流(電荷の速度)の磁場に対する垂直成分の方向,人差し指が磁場の方向,親指が導体に発生する力の方向を向く。
 関連ページ : 電磁気学:電流と磁場 ,  
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 【フレミングの法則】( Fleming's rule )
 ⇒ フレミングの右手の法則,フレミングの左手の法則
 関連ページ : 電磁気学:電流と磁場 ,  電気回路:電磁気学の基本法則 ,  
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 【フレミングの右手の法則】( Fleming's right hand rule )
 外部磁場内を運動する導体内に発生する起電力(電磁誘導)の向きを覚えやすくするためにフレミングが考案した方法である。
 右手の中指と人差し指と親指をたてて互いに直角の関係にしたとき,人差し指が磁力線の方向,親指が導体の動いた方向,中指が導体に発生する起電力による電流の方向を向く。
 関連ページ : 電磁気学:電位と電流 ,  電磁気学:電流と磁場 ,  電気回路:交流の基礎 ,  
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 【分圧の法則】( voltage divider rule )
 キルヒホッフの法則から導き出される法則で,直流回路での電圧,電流,抵抗の計算では,下図に例示するように,電流が同じとなる抵抗の直列回路では分圧の法則,電圧が同じとなる並列回路では分流の法則が用いられる。
 なお,交流回路では,抵抗を直列回路ではインピーダンス(impedance),並列回路ではインピーダンスの逆数のアドミタンス(admittance)で考えると同様の計算が可能である。
 関連ページ : 電気回路:直流電気回路の基礎 ,  
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 【分極】( polarization )
 偏極ともいい,誘電体(又は磁性体)が電場(磁場)に置かれたとき,双極子モーメントが変化した状態や単位体積あたりの変化量をいう。
 電場に置かれた誘電体の電荷の分極を誘電分極や電気分極(electric polarization)といい,磁場に置かれた磁極の分極を磁気分極や磁化(magnetization)という。他に,化学結合の分極,電気化学的分極などがある。
 関連ページ : 電磁気学:電荷と帯電 ,  電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【分極率】( polarizability )
 電場の中におかれた原子又は分子に誘起され,誘電分極の度合いを示す双極子モーメント p と電場の強さ E との比で,一般的には p =αE で定義されるαをいう。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【分光学】( spectroscopy )
 光の放射や吸収のメカニズムを扱う光学。 ⇒ 光学
 関連ページ : 波:光学とは ,  
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 【分光放射輝度】( spectral radiance )
 関連ページ : 熱力学:相転位,熱の移動 ,  
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 【分散】( dispersion )
 JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
 a) 光が物質の中を伝搬する場合,光学的性質が波長によって異なる現象。
 b) 媒質の屈折率が放射の単色光成分の周波数に応じて異なる現象。
 関連ページ : 波:光学とは ,  波:物理光学とは ,  
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 【分散関係】( dispersion relation )
 角周波数(角振動数)と波数の間の関係を分散関係といい,特に角周波数 ω を波数 k の関数で表した式を分散関係式という。
 関連ページ : 波:重力波(表面波) ,  
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 【分散度】( degree of dispersion )
 JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,
 分光器がスペクトルを分散する程度を表す量。光の波長をλとし,光が分散する方向をθ(λ) とすれば,分散度は dθ(λ) /dλで表される。
 関連ページ : 波:光学とは ,  
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 【分子運動】( )
 関連ページ : 熱力学:気体の基礎 ,  
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 【分子熱】( )
 ⇒モル熱容量,モル比熱
 関連ページ : 熱力学:熱膨張,比熱容量 ,  
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 【分子場】( molecular field )
 強磁性理論の初期において,ワイスが導入した磁区の生成を説明するための分子磁場の概念をはじめに,しだいに拡張され,平均場または有効場ともいわれるようになった。分子場は,1つの要素と他の要素との相互作用をこの要素に働く有効な外場と考えて,多体問題を一体問題で近似(平均場近似)する理論である。
 ワイスの分子磁場では,孤立した原子は外部磁場によって磁気モーメントを帯びるが,磁性体の中では原子が磁気モーメントを帯びると,これに比例する分子磁場を周囲の原子に及ぼすと考える。
 関連ページ : 電磁気学:磁場 ,  
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 【噴出帯電】( )
 関連ページ : 電磁気学:電荷と帯電 ,  
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 【フントの法則】( Hund's rule )
 原子のエネルギー準位に関する次の三法則(経験則)をいう。
  第一法則:同じ電子配列から生じる状態の中では,多重度の大きいものほど安定となる。
  第二法則:同じ電子配列で同じ多重度をもつ状態の中では,軌道角運動量の大きいものほど安定となる。
  第三法則:微細構造の中で外殻電子が半分以下しか満たされていない場合は,全角運動量の量子数が小さいものほど安定となるが,半分以上電子が充てんしているときは,全角運動量量子数の大きいものほど安定となる。
 関連ページ : 電磁気学:磁場 ,  
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 【分流の法則】( current divider rule )
 ⇒ 分圧の法則
 関連ページ : 電気回路:直流電気回路の基礎 ,  
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