化 学 (物質の状態と変化)

  ☆ “ホーム” ⇒ “生活の中の科学“ ⇒

 【圧力分類と単位】

 気圧などの圧力測定( pressure measurement )では,測定技術や対象とする圧力により,表示方法や圧力の示す意味が異なる。
 
 絶対圧( absolute pressure )とゲージ圧( gauge pressure )
 物理量としての圧力は,完全な真空(絶対真空)を基準とする量で,絶対圧という。しかし,実用的には,目的に応じた基準圧(reference pressure)を 0 として表示する。
 例えば,タイヤ圧などは大気圧を 0 とし,加える圧力を規定している。この圧力をゲージ圧という。すなわち,ゲージ圧は,基準圧との差圧( differential pressure )を意味し,工業生産現場などでは絶対圧より利用価値の高い値である。
 静圧( static pressure )と動圧( dynamic pressure )
 気体や液体が静止している時,圧力が全方向に等しく加わる。この時の圧力を静圧という。一方,流体では,流れの影響で,流速や方向により圧力が変わる。流れの影響で変動する圧力を動圧という。
 気体や液体の流れの中に置かれた物体の面に加わる圧力は,測定面と流れの方向との関係で決まる。この圧力を全圧( Stagnation pressure :静圧+動圧)という。
 流速と圧力に関するベルヌーイの法則を用いて,流れの速度の計測などに用いられる。例えば,飛行機の速度計測に用いられるピトー管などがある。

ピトー管の原理

ピトー管の原理

  圧力の単位
 圧力は,単位面積あたりに加わる力で,1 m2 当たり 1 N の力が加わった場合の圧力を 1 Pa (パスカル)と定められている。
 圧力,気圧に用いられていた単位には,Pa (パスカル),bar(バール),atm (気圧),mmHg (水銀柱ミリメートル),Torr(トル)などがある。それらの関係は次の通りである。
  101325 Pa = 1.01325 bar = 1 atm = 760 mmHg = 760 Torr
 Pa (パスカル)
  1 m2 あたりに 1 N の力が加わった場合の圧力を 1 Pa (パスカル)と定められる SI 単位である。  
 bar(バール)
  1 cm2 あたりに 106 dyn (ダイン)の力が作用した時の圧力を 1 bar(バール)と定義される。
 ニュートンとダインには,1N = 1kg・m/s2 = 105g・cm/s2 = 105dyn の関係にあるので,バールとパスカルの関係は,1 bar = 106 dyn /cm2 = 1010 dyn /m2 = 105 N /m2= 105 pa となる。
 気象分野の気圧表記に mbar(ミリバール)が長い期間用いられていた。現在では,hpa(ヘクトパスカル)を用いるのが一般的になっている。なお,換算に際して数値の変更が必要ない単位 hpa ( 100 Pa = 10-3 bar = 1mbar )が用いられている。
 atm (気圧)
 気圧には,大気を意味する atmospher から atm の記号が用いられている。読みは「エーティーエム」である。
 大気圧は場所や気象条件によって異なるため,海面での大気圧を標準大気圧として定め,この値を 1 気圧( 1 atm )と定義している。
 標準大気圧は,1954 年の第 10 回国際度量衡総会( CGPM )で 101,325Pa (パスカル)と定められた。これは,それまで一般的な大気圧 760mmHg をパスカルに換算し,小数点以下の端数を切り捨てたものである。
 mmHg(水銀柱ミリメートル)とTorr(トル)
 水銀柱ミリメートルとトルは,同じ単位の別名(1 Torr = 1 mmHg )である。mmHgは、「ミリ水銀」「ミリエイチジー」「ミリメートルエイチジー」と読まれることがある。
 圧力を求める方法の一つに,その圧力によって支えられる流体の柱の高さを使う方法が用いられていた。密度の高い水銀( Hg ) は,標準大気圧で約 760 mm の水銀柱を支えることができる。そこで,慣習的に標準大気圧を 760 Torr ,760 mmHg としてきた。
 0℃の水銀の密度( 13.5951 g・cm-3 )と水の密度( 0.999972 g・cm-3 )を用いて水の柱に換算すると,10.33 mH2O (又は mAq ) が 1 気圧になる。すなわち,水深 10 mまで潜ると,約 2 気圧の圧力を受けることになる。

  ページの先頭へ