物理 関連用語解説 (索引)

 ここでは,物理を理解するうえで必要となる基礎用語,法則類,定義などについて,その概要を紹介するとともに,関連するページとのリンクを構成する。
 
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  サ行 し で始まる用語を  ( しあ ~ しす ) ,  ( しせ ~ しや ) ,  ( しゆ ) ,  ( しよ ~ )  に分けて紹介する。

 用語一覧  さ行  しよ ~

昇華圧曲線 】     【 昇華 】     【 昇華曲線 】     【 昇華点 】     【 昇華熱 】     【 蒸気圧曲線 】     【 常光線 】     【 常磁性 】     【 常磁性体 】    

状態関数 】     【 状態図 】     【 状態変化 】     【 状態変数 】     【 状態方程式 】     【 状態量 】     【 焦点 】     【 焦点距離 】     【 焦電効果 】     【 焦電体 】    

衝突 】     【 蒸発 】     【 蒸発熱 】     【 常誘電体 】     【 初期位相 】     【 初期応力 】     【 ジョン・タウンゼント(人) 】     【 示量状態量 】     【 示量変数 】     【 磁力 】     【 磁力線 】     【 ジルコン 】    

真応力 】     【 深海波 】     【 真空コンデンサ 】     【 真空紫外線 】     【 深紫外線 】     【 深水波 】     【 真正半導体 】     【 振動 】     【 振動数 】     【 振動方程式 】     【 振幅

 用語の概要と関連ページ


 【昇華圧曲線】( sublimation curve )
 相図における気相と固相の境界。
 関連ページ : 熱力学:相転位,熱の移動 ,  
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 【昇華】( sublimation )
 固体が液体を経ずに気体に変わる現象をいう。昇華は,気化(vaporize)ともいい,変化している間は,熱を与えても温度が一定に保たれ,この温度を昇華点(sublimation point)という。昇華のときに吸収するエネルギー(潜熱)を昇華熱(heat of sublimation)という。
 関連ページ : 熱力学:相転位,熱の移動 ,  
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 【昇華曲線】( sublimation curve )
 ⇒ 昇華圧曲線
 関連ページ : 熱力学:相転位,熱の移動 ,  
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 【昇華点】( sublimation point )
 ⇒ 昇華
 関連ページ : 熱力学:相転位,熱の移動 ,  
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 【昇華熱】( heat of sublimation )
 ⇒ 昇華,潜熱
 関連ページ : 熱力学:相転位,熱の移動 ,  
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 【蒸気圧曲線】( vapor pressure curve )
 相図における気相と液相の境界。
 関連ページ : 熱力学:相転位,熱の移動 ,  
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 【常光線】( ordinary ray )
 JIS Z 8120 「光学用語」では,“光が複屈折性の結晶に入射して二つに分かれる場合,光の速度が伝搬方向によらない光線。”と定義している。
 関連ページ : 波:物理光学とは ,  
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 【常磁性】( paramagnetism )
 外部磁場が無いときには磁化を持たず,外部磁場を印加するとその方向に弱く磁化する磁性を指す。
 常磁性を持つ物質の原子や分子の不対電子のスピンによる磁気モーメントを持っている。外部磁場がない場合は,熱ゆらぎによりバラバラな方向を向いているが,外部磁場が加えられることで,磁場の方向に配向する。
 ⇒ 磁気
 関連ページ : 電磁気学:電気・電荷・磁気とは ,  電磁気学:磁場 ,  
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 【常磁性体】( para magnetic substance )
 磁石を近づけたとき,磁気力の方向と平行に磁化する常磁性(para magnetism)を持つ磁性体をいう。
 関連ページ : 電磁気学:磁場 ,  
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 【状態関数】( state function )
 熱力学的状態の記述に用いられる状態量の関数は,例えば内部エネルギー,エントロピー,自由エネルギーなどで,状態関数(state function),熱力学関数(thermodynamic function),熱力学ポテンシャル(thermodynamic potential)と呼ばれる。
 ⇒ 状態量
 関連ページ : 熱力学:熱力学とは ,  熱力学:熱力学第一法則 ,  
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 【状態図】( phase diagram )
 ⇒ 相図
 関連ページ : 熱力学:相転位,熱の移動 ,  
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 【状態変化】( state change )
 物質がある状態から別の状態に変化すること。
 ⇒ 相転移
 関連ページ : 熱力学:熱力学とは ,  
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 【状態変数】( state variable , state space )
 ⇒ 状態量
 関連ページ : 熱力学:熱力学とは ,  熱力学:熱力学第一法則 ,  
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 【状態方程式】( equation of state )
 状態方程式とは,状態関数を状態変数(状態量)で表す数式(関係式)をいい,巨視的な系の熱力学的性質を反映している。状態方程式の形は,対象とする系により変化する。
 例えば,理想気体の状態方程式は,熱力学的温度 T ,体積 V ,物質量 n の平衡状態にある理想気体の圧力 P は,気体定数 R を用いて P = n R T/ V で与えられる。
 ⇒ 状態量
 関連ページ : 熱力学:熱力学とは ,  熱力学:熱力学第一法則 ,  熱力学:断熱変化・等温変化 ,  熱力学:気体の基礎 ,  
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 【状態量】( quantity of state , state quantity )
 熱平衡にある巨視的な系において,経路に依存せず,熱力学的状態を特徴づける物理量を状態量という。状態量は,直接的に操作できるような量で,通常用いられる状態量には,温度( T ),圧力( P ),体積( V ),物質量( N )などが挙げられる。
 独立変数の状態量を熱力学的変数として考えるときには状態変数(state variable , state space)といい,従属変数の状態量は,状態変数の関数となるので,この状態量を状態関数(state function)や熱力学関数(thermodynamic function)という。状態関数を状態変数で表す数式を状態方程式(equation of state)という。
 状態量(状態変数)は,示量性を持つか示強性を持つかにより分類される。示量状態量(extensive property)は,示量変数(extensive variable)ともいわれ,系内の物質の量に比例する状態量をいう。例えば,体積,物質量,質量,エントロピー,エンタルピーがが挙げられる。示強状態量(intensive property)は,示強変数(intensive variable)ともいわれ,物質の量に依存しない状態量をいう。例えば,圧力,温度,密度,濃度,エントロピー,化学ポテンシャルが挙げられる。
 関連ページ : 熱力学:熱力学とは ,  熱力学:相転位,熱の移動 ,  熱力学:熱力学第一法則 ,  
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 【焦点】( focal points , foci )
 JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,光学系において,無限遠物点及び無限遠像点に対する共役点。 光軸上の焦点を軸上焦点,光軸外の焦点を軸外焦点という。
 関連ページ : 波:幾何光学とは ,  
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 【焦点距離】( focal length )
 JIS Z 8120 (光学用語)の定義では,光学系の像主点から像焦点までの距離。 光の進行方向に沿って測る場合を正とする。像焦点距離ともいう。
 関連ページ : 波:幾何光学とは ,  
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 【焦電効果】( pyroelectric effect )
 温度変化によって分極(表面電荷)が変化する現象。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【焦電体】( pyroelectrics )
 誘電体の一種で,圧電体のなかで焦電効果を示す誘電体をいう。焦電効果(pyroelectric effect)とは,温度変化によって分極(表面電荷)が変化する現象で,赤外線の検出素子などで利用される。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【衝突】( collision )
 運動している2つの物体が接触し,ごく短時間に撃力を相互に及ぼし合う現象をいう。
 関連ページ : 古典力学の基礎:運動量保存の法則 ,  
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 【蒸発】( evaporation )
 液体が気体に変わる現象をいう。蒸発は,気化(vaporize)ともいい,熱を与え続けると,蒸発と共に液体の温度も上昇するが,ある温度に至ると熱を与えても温度の上昇が止まり,容器界面などからも激しく蒸発し始める。この温度を沸点(boiling point)という。蒸発するときに吸収するエネルギー(潜熱)を蒸発熱(heat of evaporation),又は気化熱という。
 関連ページ : 熱力学:相転位,熱の移動 ,  
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 【蒸発熱】( heat of evaporation )
 ⇒ 蒸発,潜熱
 関連ページ : 熱力学:相転位,熱の移動 ,  
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 【常誘電体】( paraelectric material )
 圧電体を除く誘電体で,外部電場によってのみ誘電分極する。一般的な誘電体は,電子機器の絶縁材料,コンデンサの電極間挿入材料,半導体素子のゲート絶縁膜などに用いられる。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【初期位相】( initial phase )
 ⇒ 位相
 関連ページ : 古典力学の基礎:円運動・剛体の運動 ,  波:波・波動とは ,  電気回路:交流の基礎 ,  
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 【初期応力】( inital stress )
 リラクセーション試験において,初期負荷時に負荷される最大荷重(応力)( JIS G 0202 )。
 関連ページ : 力と運動:主な力の概要 ,  
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 【ジョン・タウンゼント】( Sir John Sealy Edward Townsend )
 サー・ジョン・シーリー・エドワード・タウンゼント(1868年 ~ 1957年)は,アイルランドの物理学者で,気体の電気伝導,電気素量の計測,放電現象(タウンゼント放電)の実験などで知られる。
 関連ページ : 電磁気学:電気・電荷・磁気とは ,  
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 【示量状態量】( extensive property )
 ⇒ 状態量
 関連ページ : 熱力学:熱力学とは ,  熱力学:熱力学第一法則 ,  
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 【示量変数】( extensive variable )
 ⇒ 状態量
 関連ページ : 熱力学:熱力学とは ,  熱力学:熱力学第一法則 ,  
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 【磁力】( magnetic force )
 ⇒ 磁気力
 関連ページ : 電磁気学:磁場 ,  
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 【磁力線】( line of magnetic force )
 電気力線と同様の考えに基づき,磁場内において,各点における磁場(ベクトル)の接線方向に一致する曲線を磁力線という。ある点における磁力線の密度はその点における磁場の強さに比例している。
 関連ページ : 電磁気学:磁場 ,  
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 【ジルコン】( zircon )
 ケイ酸塩鉱物(ネソケイ酸塩鉱物)の一種。化学組成 ZrSiO4
 関連ページ : 波:物理光学とは ,  
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 【真応力】( true stress )
 試験片にある引張荷重を加えたとき,その荷重をそのときの試験片平行部の断面積で除した値( JIS G 0202 )。⇔ 公称応力
 関連ページ : 力と運動:主な力の概要 ,  
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 【深海波】( deep water wave )
 ⇒ 微小振幅波
 関連ページ : 波:重力波(表面波) ,  
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 【真空コンデンサ】( vaccum capacitor )
 内部を真空にしたコンデンサ。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【真空紫外線】( vacuum ultraviolet radiation )
 略語 VUV で表される波長 100 ~ 190 nm の電磁波で,酸素分子や窒素分子に吸収され,大気中では進行できず,地表には到達しない。真空中でしか進行できないとの意味合いから真空紫外線といわれる。
 関連ページ : 電磁気学:電磁波の性質 ,  
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 【深紫外線】( deep ultraviolet radiation )
 略語 DUV や UV – C で表される波長 190 ~ 280 nm の電磁波で,強い殺菌作用を持ち,生物のDNAの吸収スペクトル(250 nm )近辺の波長で,DNA の複製や転写に悪影響を与えると考えられている。 しかし,大気圏の成層圏(オゾン層)で吸収されるため,極地などオゾン層の薄い地域以外では,地表に届く太陽光にはほとんど含まれない。
 関連ページ : 電磁気学:電磁波の性質 ,  
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 【深水波】( deep water wave )
 ⇒ 微小振幅波
 関連ページ : 波:重力波(表面波) ,  
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 【真正半導体】( intrinsic semiconductor )
 JIS C 5600「電子技術基本用語」では,“ I型半導体ともいい,理想的には,内部に不純物,欠陥を含まない半導体で,熱平衡状態のキャリヤが,価電子帯から伝導帯への価電子の熱励起だけによって生じる電子及び正孔で構成されるもの。電子密度と正孔密度とが等しい。”と定義されている。
 関連ページ : 電気回路:電気回路の基礎 ,  
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 【振動】( oscillation , vibration )
 物体の位置,電流の強さなどの物理量が一定時間(周期)ごとに一定の(減衰振動などではほぼ一定の)値をとるよう,規則正しく変動することをいう。
 振動系はその構造によって定まった固有振動をもつ。振動系に復元力だけが働くときには自由振動(free vibration),抵抗などのように振幅を減少させる制動力も働くときには減衰振動(damped vibration)が起る。周期的な強制力が加わると強制振動(forced vibration)が起り,強制力と固有振動との振動数が一致すれば共振(共鳴,resonance)が生じる。
 関連ページ : 波:波・波動とは ,  波:波動の基礎 ,  熱力学:熱力学第二法則 ,  
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 【振動数】( frequency )
 周波数ともいい,波動が単位時間当たりに繰り返される回数(周期 T の逆数)で,周期の逆数で,一般的には,記号 f ,単位 Hz(ヘルツ)が用いられる。
 関連ページ : 波:波・波動とは ,  波:波動の基礎 ,  
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 【振動方程式】( equation of vibration )
 微小振動や電磁振動などの振動現象のモデルを扱う式をいう。
 関連ページ : 波:波・波動とは ,  
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 【振幅】( amplitude )
 波動の振動の大きさを表す 1 周期での最大変位量の絶対値で,振幅の単位は波動の種類によって異なる。例えば,弦の振動,水面波などの媒質を伝わる波では長さ(m),音波などでは音圧(dB デシベル),電磁放射では電界強度 A(V/m),磁界強度 H(A/m)や電力束密度(W/m,sup>2)などが用いられる。
 関連ページ : 波:波・波動とは ,  
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