社会資本:日本鉄道の変遷と現状紹介
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ここでは, 在来線網の変遷を【鉄道開業】, 【鉄道網の発達(1940年代まで)】 で紹介する。
鉄道開業
明治政府は,1869年(明治2年)に東京-京都間の鉄道建設を決定し,1870年(明治3年)に新橋-横浜間の鉄道建設が始まり,1872年(明治5年)6月12日に品川駅-横浜駅(現桜木町駅)間で仮開業した。
鉄道開業時の新橋駅-横浜間は,すべて木製の橋梁が用いられていた。鉄製の橋梁を初めて採用したのは,1874年に開業した大阪駅-神戸駅間である。新橋駅-横浜駅間の木製橋梁は,傷みが進んだため,1877年に鉄製のトラス橋梁に架け替えられた。この橋梁(六郷川橋梁)の一部は,JR東海三島社員研修センターと博物館明治村で保存されている。
鉄道で最初の鉄製橋梁は,1874年に開業した大阪駅-神戸駅間の橋梁である。これらの橋梁は,1896年(明治29年)の大阪-神戸 複線化工事,1898年(明治31年)から始まった長柄運河(ながらうんが)の開削工事に伴って,1887年から1916年にかけて全て架け替えられた。その一部は,大阪市に払い下げられ,市道(濱中津川橋)として現在も使用されている。
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鉄道網の発達(1940年代まで)
鉄道開業を機に,全国規模での鉄道建設が開始された。鉄道には,国が計画・建設する官営鉄道と,民間が開発する民営鉄道があった。鉄道建設を精力的に進めたのは民営鉄道であった。
生糸輸送を目的に,1883年(明治16年)の上野駅-熊谷駅間の開業から始まった半官半民の日本鉄道は,1891年(明治24年)に現在の東北本線にあたる上野駅-青森駅間を全通させている。
神戸駅-下関駅間の山陽本線は,1888年に設立された民間の山陽鉄道が建設するなど,民間の鉄道建設が活発に行われた。他に北海道炭礦鉄道,関西鉄道,九州鉄道を含めたこれらの鉄道は,明治の5大私鉄といわれていた。
【参考資料】
1)野田正穂,原田勝正,青木栄一,老川慶喜編:鉄道史叢書2 「日本の鉄道__その成立と展開」日本経済評論社(1986年5月)
2)久保田博 「日本の鉄道史セミナー」 グランプリ出版,2005年5月18日
3)青函トンネル物語編集委員会「青函トンネル物語」産業図書1986年
4)藤川寛之著「本州四国連絡橋のはなし-長大橋を架ける-」成山堂書店2002年
5)高砂雍郎「鉄道広報による国鉄車両台帳1991年 鉄道史資料保存会など
6)国土交通省鉄道局監修「鉄道要覧」電気車研究会・鉄道図書刊行会,国土交通省鉄道局監修「鉄道統計年報」(株)電気車研究会
7)鉄道総合技術研究所編「鉄道構造物等設計標準・同解説」丸善
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