社会資本:日本鉄道の変遷と現状紹介
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現行鉄道の概要
鉄道は,「道路上に敷設される鉄道」と「道路以外に敷設される鉄道」に大きく分けられる。それぞれは,適用される法律が異なり,「道路上に敷設される鉄道」には「軌道法」が,「道路に敷設されない鉄道」には「鉄道事業法」が適用される。
鉄道事業の分類
「鉄道事業法(Railway Business Act)」が適用される事業には,鉄道事業(Railway Business)と索道事業(Cableway Business)があります。
鉄道事業には,一般に鉄道としてイメージされている2本レールの構造を持つ鉄道の他に,モノレール,案内軌条式鉄道,トロリーバス,ケーブルカー,リニアモーターカーなどが含まれる。
索道事業とは,ロープウェーやスキーリフトなど索道(cableway)を用いた事業になる。
「軌道法」が適用される鉄道事業には,路面電車,モノレールや道路上の新交通システムなどがある。
参考資料6)の国土交通省鉄道局監修「鉄道要覧」や「鉄道統計年報」によると,2010年9月末時点の鉄道事業者は2,737社に上り,そのうち2,526社は索道事業者である。索道事業者を除く鉄道事業者は,表に示すように,200を超え,営業線の延長距離は2万7千kmにもおよんでいる。そのうちJRグループは全体の2/3を占めている。
業態 | 事業者数(社) | 営業線延長(㎞) |
---|---|---|
JR(在来線) | 7 | 17,345 |
JR(新幹線) | 2,663 | |
民鉄・公営企業 | 156 | 6,615 |
新交通・モノレール等 | 48 | 634 |
合計 | 211 | 27,256 |
鉄道施設の現状
鉄道を構成する設備には,駅舎,軌道,トンネル,橋梁,立体交差,電車線設備(変電所,送電設備,電車線支持物など)がある。
軌道とは,レールに加えて,レールを支持する路盤(まくらぎとバラスト,まくらぎとスラブなど)を含めた構造をいう。
鉄道分野で橋梁と称する場合には,立体交差の橋以外の橋を意味している。立体交差の橋には,道路上を交差する架道橋(道路分野では跨道橋という),線路上を交差する跨線道路橋(道路では跨線橋という)がある。
平成19年度末(2008年3月)時点の橋梁,跨線道路橋及び架道橋の保有数を国土交通省鉄道局監修の「鉄道統計年報」から求めた値を表に示す。
事業者 | 橋梁 | 跨線道路橋 | 架道橋 | |
---|---|---|---|---|
コンクリート製 | 鋼 製 | |||
JR | 60,485 | 31,877 | 5,912 | 17,586 |
民鉄・公営企業 | 25,377 | 8,684 | 2,069 | 7,803 |
合計 | 85,862 | 40,561 | 7,981 | 25,389 |
橋梁はJRグループで約11万6千個所,民鉄・公営企業で約4万4千個所保有している。橋梁長さのデータから平均の橋梁長を求めると,1個所当たり約25mであった。また,橋梁の2/3がコンクリート製(PCコンクリート,鉄筋コンクリート)で残りの約1/3が鋼製であった。
跨線道路橋や架道橋については,統計年報に材料別のデータや橋長に関するデータが示されていなかった。
【参考資料】
1)野田正穂,原田勝正,青木栄一,老川慶喜編:鉄道史叢書2 「日本の鉄道__その成立と展開」日本経済評論社(1986年5月)
2)久保田博 「日本の鉄道史セミナー」 グランプリ出版,2005年5月18日
3)青函トンネル物語編集委員会「青函トンネル物語」産業図書1986年
4)藤川寛之著「本州四国連絡橋のはなし-長大橋を架ける-」成山堂書店2002年
5)高砂雍郎「鉄道広報による国鉄車両台帳1991年 鉄道史資料保存会など
6)国土交通省鉄道局監修「鉄道要覧」電気車研究会・鉄道図書刊行会,国土交通省鉄道局監修「鉄道統計年報」(株)電気車研究会
7)鉄道総合技術研究所編「鉄道構造物等設計標準・同解説」丸善
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