社会資本鋼橋の維持管理(道路

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 鋼橋の損傷評価(漏水・支承部)

【沈下・移動・傾斜】
 基礎と支承に生じる沈下・移動・傾斜を対象と,遊間の異常や伸縮装置の段差などの損傷を伴う場合には,それぞれの項目でも評価する。
損傷程度の評価と記録
 沈下・移動・傾斜の発生位置やその範囲・状況をスケッチや写真で記録するとともに,代表的な損傷の主要寸法を損傷図に記載する。


損傷(沈下・移動・傾斜)程度の評価区分
  区分    一般的状況
  a    損傷なし
  b    (評価区分なし)
  c    (評価区分なし)
  d    (評価区分なし)
  e    支点が沈下している。下部工が移動・傾斜している。

【漏水・滞水】
 伸縮装置,排水施設等から雨水などが本来の排水機構によらず漏出している場合や,桁内部,梁天端,支承部などに雨水が浸入し滞留している場合をいう。
 激しい降雨などのときに排水能力を超えて滞水するなど一時的な現象は,損傷として評価しない。
 排水管の損傷は,別途に排水装置の損傷として評価する。
損傷程度の評価と記録
 漏水・滞水の発生位置やその範囲・状況をスケッチや写真で記録するとともに,代表的な損傷の主要寸法を損傷図に記載する。当該損傷との関連が疑われる排水管の損傷も併せて記録する。

損傷(漏水・滞水)程度の評価区分
  区分    一般的状況
  a    損傷なし
  b    (評価区分なし)
  c    (評価区分なし)
  d    (評価区分なし)
  e    伸縮装置,排水桝取付位置などからの漏水,支承付近の滞水,箱桁内部の滞水がある。

【土砂詰り】
 排水桝や排水管に土砂が詰まっていたり,支承周辺に土砂が堆積している状態をいう。
損傷程度の評価と記録
 土砂詰まりの発生位置やその範囲・状況をスケッチや写真で記録するとともに,その原因が推定できるものについては,その内容を損傷図に記載する。

損傷(土砂詰り)程度の評価区分
  区分    一般的状況
  a    損傷なし
  b    (評価区分なし)
  c    (評価区分なし)
  d    (評価区分なし)
  e    排水桝,支承周辺等に土砂詰まりがある。

【支承の機能障害】
 荷重支持や変位追随などの一部または全ての機能が損なわれている状態,支承ローラーの脱落も対象とする。
 支承アンカーボルトの損傷(腐食,破断,ゆるみなど)や,沓座コンクリートの損傷(ひびわれ,剥離,欠損など)など支承部を構成する各部材の損傷については別途それぞれの項目で評価する。
損傷程度の評価と記録
 支承の機能障害の発生位置やその範囲・状況をスケッチや写真で記録するとともに,代表的な損傷の主要寸法を損傷図に記載する。

損傷(支承の機能障害)程度の評価区分
  区分    一般的状況
  a    損傷なし
  b    (評価区分なし)
  c    (評価区分なし)
  d    (評価区分なし)
  e    支承の機能が損なわれているか,著しく阻害されている可能性のある変状が生じている。

【遊間の異常】
 桁と桁,桁と橋台の遊間(すき間)が異常に広いか,遊間がなく接触しているなどが確認できる場合,支承の異常な変形,伸縮装置やパラペットの損傷などで確認できる場合がある。
 伸縮装置や支承部の損傷を伴う場合には,それらについても別途評価する。
 伸縮装置部の段差(鉛直方向の異常)は,路面の凹凸として評価する。
 耐震連結装置や支承の移動状態に偏りや異常が見られる場合や,高欄や地幅の伸縮部での遊間異常は,遊間の異常として評価する。
損傷程度の評価と記録
 遊間の異常の発生位置やその範囲・状況をスケッチや写真で記録するとともに,代表的な損傷の主要寸法を損傷図に記載する。

損傷(遊間の異常)程度の評価区分
  区分    一般的状況
  a    損傷なし
  b    (評価区分なし)
  c    左右の遊間が極端に異なる,または,遊間が直角方向にずれているなどの異常がある。
  d    (評価区分なし)
  e    遊間が異常に広く伸縮継手の櫛の歯が完全に離れている。または,桁とパラペットあるいは桁同士が接触している(接触した痕跡がある)。

【変色・劣化】
 材料・材質で,1コンクリート,2ゴム,3プラスチック,4その他に分類する。
 部材本来の色が変化する状態,ゴムの硬化,プラスチックの劣化など部材本来の材質が変化する状態を評価する。鋼部材における塗装やめっきの変色は対象としない。排気ガスなどによる汚れ,火災に起因する変色は対象としない。
損傷程度の評価と記録
 変色・劣化の発生位置やその範囲・状況をスケッチや写真で記録するとともに,代表的な損傷の主要寸法を損傷図に記載する。ただし,材料・材質区分の分類4「その他」に関して,「橋梁定期点検要領(案)」には評価区分の記載がない。

損傷(変色・劣化)程度の評価区分
  区分    一般的状況
  コンクリート   ゴム   プラスチック
  a    損傷なし   損傷なし   損傷なし
  b    (評価区分なし)   (評価区分なし)   (評価区分なし)
  c    (評価区分なし)   (評価区分なし)   (評価区分なし)
  d    (評価区分なし)   (評価区分なし)   (評価区分なし)
  e    乳白色,黄色っぽく変色している。   硬化している,ひびわれが生じている。   脆弱化している,ひびわれが生じている。

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