道路橋の維持管理

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 【損傷程度評価:腐食,亀裂など】

 把握した損傷は,状況に応じて記録する。データ化されない情報(亀裂の発生位置・進展状況,変形の位置・状況,漏水個所と変状の発生位置,異常音や振動など)は損傷図や文章等で記録しなければならない。
 記録された状況に応じて,次に示す要領で損傷程度を評価する。(鉄道と道路では同じ記号・表現でも意味が全く異なるので注意が必要である。)

損傷程度の評価方法
 点検記録は橋梁の状態を示す最も基礎的なデータとして蓄積され,維持・補修等の計画の検討などに利用される。したがって,損傷程度の評価はできるだけ正確かつ客観的となるように行わなければならない。
 損傷程度の評価では,損傷種類に応じて定性的な区分で評価するものと定量的な数値データとして評価されるもの,あるいはその両方で評価することが必要なものがある。
 損傷程度の評価は,総合的な評価である対策区分(後の節で解説)の判定とは異なり,損傷の程度をあらわす客観的な事実を示すものにすぎない点に注意しなければならない。
 次に,損傷の種別ごとに損傷程度の評価方法を示す。

【腐食】
 腐食とは,塗装された普通鋼材では集中的に錆が発生している状態,または錆が極度に進行し断面減少や腐食を生じている状態をさす。耐候性鋼材の場合には,保護性錆が形成されず異常な錆が生じている場合や,極度な錆の進行により断面減少が著しい状態をさす。
 基本的には,断面欠損を伴う錆の発生を腐食として評価し,断面欠損を伴わないと見なせる程度の軽微な錆の発生は防食機能の劣化として評価する。
 ・ 断面欠損の有無の判断が難しい場合には,腐食として扱う。
 ・ 耐候性鋼材で安定錆(保護性錆)を生じるまでの期間は,錆の状態が一様でなく異常腐食かどうかの判断が困難な場合があるが,断面欠損を伴わないと見なせる程度の場合には防食機能の劣化として評価する。
 ・ ボルトの場合も同様に,断面欠損を伴う錆の発生を腐食として評価し,断面欠損を伴わないと見なせる程度の軽微な錆の発生は防食機能の劣化として評価する。
 腐食しやすい個所は漏水の多い桁端部,水平材上面など滞水しやすい箇所,支承部周辺,通気性,排水性の悪い連結部,泥,ほこりの堆積しやすい下フランジの上面,溶接部等である。
損傷程度の評価と記録
 腐食程度の評価区分を表に示す。なお,区分にあたっては,“損傷の深さ”と“損傷の面積”毎にその一般的状況から判断した規模の大小の組合せによることを基本とすしている。損傷の深さに関しては,錆の状態(層状,孔食など)に関わらず,板厚(断面)減少の有無によって評価することになるが,目視のみでは的確な判断は困難である。


損傷(腐食)程度の評価区分
  区分    一般的状況
  損傷の深さ   損傷の面積
  a    損傷なし   損傷なし
  b    錆は表面的であり,著しい板厚の減少は視認できない。   損傷箇所の面積が小さく局部的である。
  c    着目部分の全体的に錆が生じている。または着目部分に拡がりのある発錆箇所が複数ある。
  d    鋼材表面に著しい膨張が生じているか,または明らかな板厚減少が視認できる。   損傷箇所の面積が小さく局部的である。
  e    着目部分の全体的に錆が生じている。または着目部分に拡がりのある発錆箇所が複数ある。

【亀裂】
 鋼材の亀裂は,応力集中が生じやすい部材の断面急変部や溶接接合部などに多く現れる。
 亀裂は鋼材内部に生じる場合もあるので外観だけからは検出不可能である。亀裂の大半は,極めて小さく溶接線近傍のように表面性状がなめらかでない場合には表面きずや錆等による凹凸の陰影との見分けがつきにくいことがある。
 塗装がある場合に表面に開口した亀裂は塗膜われを伴うことも多い。鋼材の亀裂損傷の原因は外観性状だけからは判定できないことが多く,位置や大きさなどに関係なく鋼材表面に現れたひびわれは全て亀裂として扱う。また,鋼材のわれや亀裂の進展により部材が切断された場合は,破断として評価する。
損傷程度の評価と記録
 亀裂の発生位置やその範囲・状況をスケッチや写真で記録するとともに,全損傷の寸法(長さ)を損傷に記載するものとする。このとき,板組や溶接線との位置関係についてできるだけ正確に記録する。

損傷(腐食)程度の評価区分
  区分    一般的状況
  a    損傷なし
  b    (評価区分なし)
  c    断面急変部,溶接接合部などに塗膜われが確認できる。
亀裂を生じているが,線状でないか,線状であってもその長さが極めて短く,さらに数が少ない場合。
  d    (評価区分なし)
  e    線状の亀裂が生じている。又は,直下に亀裂が生じている疑いを否定できない塗膜われを生じている。

【ゆるみ・脱落】
 ボルトのゆるみ,ナットやボルトの脱落やボルトの折損などを調査する。支承ローラーの脱落は,支承の機能障害として評価する。
 また, 支承アンカーボルトや伸縮装置の取付けボルトも対象とするが,これらの損傷を生じている場合には,支承,伸縮装置それぞれの機能障害としても当該箇所で評価する。
損傷程度の評価と記録
 ゆるみ・脱落の発生位置やその範囲・状況をスケッチや写真で記録するとともに,各損傷の数やボルトの種類(材質)を損傷図に記載する。

損傷(ゆるみ・脱落)程度の評価区分
  区分    一般的状況
  a    損傷なし
  b    (評価区分なし)
  c    ボルトのゆるみや脱落を生じているがその数が少ない。(一群あたり本数の5%未満である。)
  d    (評価区分なし)
  e    ボルトのゆるみや脱落を生じているがその数が多い。(一群あたり本数の5%以上である。)

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