不働態皮膜に関する試験用語
JIS G 0202「鉄鋼用語(試験)」,JIS H 0201「アルミニウム表面処理用語」の用語定義の中から,ステンレス鋼やアルミニウム表面の皮膜の試験用語を抜粋しました。
用語 | 対応英訳 | 定義・解説 | 出典
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5%硫酸腐食試験 | 5% sulphuric acid test | 沸騰5%硫酸溶液中に6時間浸漬し,腐食度を求める試験。Mo含有オーステナイト系ステンレス鋼の全面腐食試験として用いられる。 | G0202
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10%しゅう酸エッチ試験 | 10% oxalic acid etch test | 常温の約10%しゅう酸溶液中で,電流密度1A/cm2,90秒間陽極腐食を行った後,組織を顕微鏡で観察して,各種溶液による粒界腐食試験の要否を判別するための試験。オーステナイト系ステンレス鋼に対して用いられる。 | G0202
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硫酸・硫酸第二鉄腐食試験 | ferric sulphate-sulpheric acid test | 沸騰50%硫酸に硫酸第二鉄を入れた溶液中に120時間浸漬し,腐食度を求める試験。オーステナイト系ステンレス鋼の粒界腐食試験として用いられる。シュトライヘル(Stueicher)試験とも呼ばれる。 | G0202
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65%硝酸腐食試験 | 65% nitric acid test | 沸騰65%硝酸溶液中に48時間浸漬し,溶液を新しいものと取り換えて原則として5回繰り返し,各回の腐食度の平均値を求める試験。オーストナイト系ステンレス鋼の粒界腐食試験として用いられる。ヒューイ(Huey)試験とも呼ばれる。 | G0202
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硝酸・ふっ化水素酸腐食試験 | nitric-hydrofluoric acid test | 70℃,10%硝酸,3%ふっ化水素酸溶液中に2時間浸漬し,溶液を新しいものと取り換えて2回繰り返し,腐食度を求め,同時に試験した基準試験片の腐食度で除して得られる腐食度比によって粒界腐食の程度を調べる試験。Mo含有オーステナイト系ステンレス鋼の粒界腐食試験として用いられる。 | G0202
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硫酸・硫酸銅腐食試験 | copper sulphate-sulphuric acid test | 沸騰硫酸・硫酸銅溶液中に16時間,銅片と共に浸漬した後,曲げ試験による割れの観察を行って流界腐食の程度を調べる試験。オーステナイト系ステンレス鋼の粒界腐食試験として用いられる。ショトラウス(Strauss)試験とも呼ばれている。 | G0202
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42%塩化マグネシウム腐食試験 | 42% magnesium chloride test | 沸騰42%塩化マグネシウム溶液中に,引張又は曲げ応力を付した試験片を浸漬し,応力腐食割れを起こすまでの時間を求める試験。オーステナイト系ステンレス鋼の応力腐食割れ試験として用いられる。 | G0202 |
用語 | 対応英訳 | 定義・解説 | 出典 |
塩化第二鉄腐食試験 | ferric chloride test | 36℃又は60℃における6%塩化第二鉄水溶液中での腐食度を測定して孔食性を調べる試験。ステンレス鋼の孔食試験として用いられる。 | G0202 |
硫銅塩試験 | copper sulphate test | 銅塩を含む硫酸酸性水溶液で湯沸し内面などの陽極酸化皮膜の欠陥を調べる試験。 | H0201
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耐アルカリ試験 | alkali resistance test | 陽極酸化皮膜の耐アルカリ性を調べる試験。水酸化ナトリウム水溶液を皮膜に接触させて溶解までの時間で判定する。試験方法にアルカリ滴下試験と起電力式耐アルカリ試験とがある。 | H0201
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アルカリ滴下試験 | alkali spot test, alkali dropping test | アルカリ滴下試験装置を用いて皮膜が溶けて素地が露出するまでの時間によって耐アルカリ性を調べる試験。 | H0201 |
アルカリ接触試験 | alkali contact test | 塗膜の耐アルカリ性を調べる試験。水酸化ナトリウム水溶液を一定時間接触させた後,レイティングナンバで外観を判定する。 | H0201
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鉄溶出試験 | iron solution test | ぶりきの表面を硫酸で溶解し,溶出した鉄の量を測定して耐食性を評価する試験。 | G0202 |
ピックルラグ試験 | pickle lag test | ぶりきの鉄素地が熱塩酸中で一定の溶解速度に達するまでの時間を測定し,缶詰の貯蔵中の寿命を評価する試験。 | G0202 |
AASS試験 | AASS test, acetic acid salt spray test | 5%塩化ナトリウム水溶液に酢酸を添加した溶液を35℃に保って噴霧させた試験装置内へ試験片を静置してさびの発生状態を調べる試験。塩水噴霧試験の腐食条件を過酷にした試験方法で,主としてめっきの耐候性加速試験として用いられる。 | G0202 |
用語 | 対応英訳 | 定義・解説 | 出典 |
孔食電位測定 | pitting potential measurement | 孔食性を評価するため,中世3.5%塩化ナトリウム水溶液における動電位法による孔食電位を求める試験。ステンレス鋼の電気化学的な孔食試験として用いられる。 | G0202
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アノード分極曲線測定 | making anodic polarization measurement | 不動態化の難易及び不動態の安定性を調べるため,20%又は5%硫酸溶液中におけるアノード分極曲線を求める試験。ステンレス鋼の電気化学的な腐食試験として用いられる。 | G0202
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電気化学的再活性化率測定 | electrochemical potentiokeinetic reactivation ratio measurement | 粒界腐食感受性を定量的に求めるため,硫酸・チオシアン酸カリウム溶液における試験片の往復アノード分極曲線を求め,往路と復路の活性態最大電流密度を比較する試験。EPR法とも呼ばれる。現場のステンレス鋼製装置に対しても用いることができる。オーステナイト系ステンレス鋼の電気化学的な粒界腐食試験として用いられる。 | G0202 |
起電力式耐アルカリ試験 | alkali resistance test by electromotive force | アルカリ溶液を皮膜に接触させ,起電力測定装置を用いて皮膜が溶けて素地が露出するまでの時間を電気的に測定し,耐アルカリ性を調べる試験。 | H0201 |
FACT試験 | FACT (Ford Anodized Aluminium Corrosion Test) | セルに食塩水を入れて,直流電圧を印加して行う,陽極酸化皮膜の腐食試験。 | H0201 |
ATC試験 | alloy-tin couple test | 天然果汁中でぶりきのすず鉄合金層とすずを結線し,その間に流れる微弱電流を測定し,酸性食品に対するぶりきの耐食性を評価する試験。 | G0202
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