金属・機械試験用語

 戻る:“腐食・防食JIS用語一覧”

 “お役立ち情報”では,“金属・腐食・防食業界”へのリンク,“腐食・”及び “防食”に関連する書籍,その他の書籍や用品情報をまとめて紹介

 鋼などの金属の特性評価に用いる機械試験の用語について,JIS G 0202「鉄鋼用語(試験)」の中から抜粋して紹介します。
用語 対応英訳 定義・解説 出典
機械試験 mechanical test 強さ,靭性,延性,硬さなどの機械的性質を調べる試験。
引張試験,曲げ試験,抗折試験,硬さ試験,疲れ試験,クリープ試験,リラクゼーション試験などがある。
G0202
引張試験 tensile test 引張試験機を用い試験片又は製品を徐々に引張り,降伏点,耐力,引張強さ,降伏伸び,破断伸び,絞りなどを計測する試験。 G0202
標点(試験片の) gauge mark 引張試験の伸び測定の基準とするために,試験片に付けた印。 G0202
標点距離 original gauge length (1) 試験片の標点距離:引張試験片の平行部に付けた2標点間の距離の原寸法で,伸び測定の基準となる長さ。
(2) 伸び計の標点距離:伸び計を用いる伸び測定の基準となる試験片平行部における長さ。耐力測定に用いる伸び計の標点距離は,試験片の評点と異なった長さとしてもよいが,試験片の径,厚さ又は幅より短いものであってはならない。
G0202
公称応力 nominal stress 試験片に加わる引張荷重を試験片平行部の原断面積で除した値。紛らわしくないときには,単に応力という。 G0202
真応力 true stress 試験片にある引張荷重を加えたとき,その荷重をその時の試験片の平行部の断面積で除した値。
試験片平行部の体積が一定の条件の下では,真応力σAと公称応力σとの関係は,その時の伸びをε%とすると
σA=σ(1+ε/100)
G0202
伸び elongation (1) 引張試験片の標点間の長さと,元の標点距離との差。この差を標点距離に対する比(ひずみ)又は百分率で表しことが多い。
(2) 全伸び,破断伸びに同じ。
G0202
永久伸び permanent elongation 引張試験において,ある荷重を加え,次にこれを除去した後における標点間の長さと評点距離との差。JISでは,この差を標点距離に対する百分率で表す。 G0202
応力ーひずみ線図,S-S曲線 stress-strain diagram, stress-strain curve 引張試験の全過程における試験片平行部の公称応力ト伸びの関係を示す曲線。 G0202
引張速度 speed of testing rate of stressing, elastic stress rate 引張試験において,試験片に変形(伸び)を生じさせる速さ,JISでは,次のいずれかで,この速さを指定している。
(1) 応力増加率:試験片平行部の公称応力の単位時間当たりの増加割合。
(2) ひずみ増加率:試験片の評点間の全伸び(%)の単位時間当たりの増加率。
(3) 経過時間:引張試験の全過程中のある区間における所要時間。
G0202
降伏点,降伏応力 yield point, yield stress 引張試験の経過中において生じる上降伏点(かみこうふくてん)及び下降伏点(しもこうふくてん)の総称。紛らわしくないときには,上降伏点を単に降伏点と呼ぶことがある。 G0202
耐力 yeild strength, proof stress 引張試験において,規定された永久伸びを生じるときの荷重を平行部の原断面積で除した値。
降伏点が明瞭でないざいりょうでは,その代わりに耐力が用いられる。JISでは,特に規定のない場合には,永久伸びを0.2%とする。
G0202
引張強さ,引張強度 tensile strength 最大引張荷重を平行部の原断面積で除した値。降伏後に試験片が耐えた最大の荷重が上降伏点より低い材料については,降伏後の最大の荷重を平行部の原断面積で除した値とする。 G0202
破断伸び elongation after fracture 試験片破断後における永久伸び。紛らわしくないときは,単に伸びと呼ぶことがある。 G0202
曲げ試験 bend test 材料の変形能を調べるための試験。通常,試験片を規定の内側半径で規定の角度になるまで曲げ,湾曲部の外側の裂けきず「,その他の欠点の有無を調べることをいう。 G0202
押し曲げ法,ローラ曲げ法 pressing bend method, roller bend method 曲げ試験の一種で,試験片を2個の支えに載せ,その中央部に押金具を当て,徐々に荷重を加えて規定の形に曲げる試験方法。 G0202
巻付け法 winding bend method 曲げ試験の一種で,試験片が規定の形になるように徐々に荷重を加えて,試験片を軸又は型に巻き付ける試験方法。 G0202
Vブロック法 V-block bend method 曲げ試験の一種で,試験片をVブロックの上に載せ,その中央部に押金具を当て,徐々に荷重を加えて規定の形に曲げる試験方法。 G0202
疲れ試験 fatigue test 試験片に繰り返し応力又は変動応力を加えて,疲れ寿命や疲れ限度などを求める試験。応力の種類に応じて,ねじり疲れ試験,軸荷重疲れ試験,回転曲げ疲れ試験,平面曲げ疲れ試験などに分類される。 G0202
疲れ寿命,疲労寿命 fatigue life, numbere of cycles to failure 疲れ破壊を生じるまでの応力の繰り返しの回数。Nの記号を用いる。 G0202
S-N線図,応力―繰り返し数線図 S-N diagram, stress endurance diagram 縦軸に応力S,横軸に破壊までの繰り返し数N(破壊せずに試験を終了した場合の繰り返し数を含む。)をとって描いた線図。繰り返し数は,対数目盛で表わすのが普通である。ブェーラー線図ともいう。破壊しなかった試験片に対する試験結果を表す点には,右向きの矢印を付ける。 G0202
疲れ限度 fatigue limit, endurance limit 無限回数の繰り返しに耐える応力の上限値。疲労限度,耐久限度ともいう。 G0202
時間強さ fatigue strength at N cycles 指定された回数の繰り返しに耐える応力の上限値。時間強度ともいう。 G0202
形状係数,応力集中係数 stress concentration factor 切欠き試験片に荷重を付加したとき,応力集中部について弾性的に計算した最高応力を,その部分の呼び応力で除した値。αの記号を用いる。 G0202
坑折試験 transverse test 試験片を2個の支えに載せ,その中央に荷重を加えて試験片を破断し,その耐えた最大荷重とたわみを計測する試験。鋳鉄,工具鋼など靭性の低い材料に適用される。 G0202
衝撃試験 impact test 材料の靭性又は脆性を調べるため,試験片に衝撃荷重を加えて破断し,要したエネルギーの大小,破断の様相,変形挙動,き裂の進展挙動などによって評価する試験。衝撃荷重を加える方法によって,衝撃引張,衝撃圧縮,衝撃曲げ,衝撃ねじりなどの各種試験方法がある。また,用いる試験機によって,シャルピー衝撃試験,Iぞっと衝撃試験などと区別される。 G0202
硬さ試験 hardness test 硬さ試験機を用い,試験片又は製品の表面に一定荷重で一定形状の硬質の圧子を押込むか,又は一定の高さからハンマを落下させるなどの方法で硬さを計測する試験。なお,硬さの値には単位を付けない。 G0202
押込み硬さ試験 indentation hardness test 剛体とみなせる特定の圧子を試料の試験面に押込み,その時の押込み荷重及び試験片に生じた永久変形の大きさから,その試料の硬さを決める硬さ試験の総称。ブリネル硬さ試験,ビッカース硬さ試験,ロックウェル硬さ試験などがある。 G0202
反発硬さ試験 rebound hardness test 特定のハンマを一定のエンルギーで試料の試験面に衝突させ,ハンマが試験面から反発される際のエンルギーからその試料の硬さを決める硬さ試験の総称。代表的なものにショア硬さ試験がある。 G0202
成形性試験 formability test 形状や寸法が類型化された試験工具で,試験片に実際の成形におけるものと類似の変形加工を割れが生じるまで行って成形限界を求め,それによって材料の成形性の比較を行う試験。ここでいう成形限界(forming limit)とは,試験片に割れを生じることなく成形しうる限界を云う。
深絞り試験,張出し試験,エリクセン試験,複合成形試験,コニカルカップ試験などがある。
G0202
脆性破壊試験 brittle fracture test 切欠きを付け又はこれに代わる加工を施した試験片もしくは試験体に静的又は動的荷重を加えて,脆性き裂の発生,伝ぱ停止又は破断の条件,状態などを調べる試験。温度を変えて延性―脆性遷移曲線を求めるか又は特定の温度での性質を調べる。
破壊靭性試験(平面ひずみ破壊靭性試験,亀裂開口変位試験,J1c試験),大型脆性破壊試験(ディープノッチ試験,溶接継手切欠き引張試験二重引張試験など),小型脆性破壊試験(落重試験,落重引き裂き試験など)がある。
G0202
クリープ試験 creep test 試験片を一定の温度に保持し,これに一定の荷重を加えて,時間と共に変化するひずみを測定する試験。その結果からクリープ曲線及びクリープ強さを求める。応力の種類によって,引張クリープ試験,圧縮クリープ試験などに分類される。 G0202
リラクゼーション試験 stress relaxation test 試験片を一定の温度に保持し,これに速やかに荷重を加えて規定の初期荷重(応力)又は全ひずみに達した後,全ひずみ一定の条件の下で,荷重(応力)の時間的低下を測定する試験。一般には引張リラクゼーション試験が多く行われる。 G0202
   ページのトップ