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JIS Z 2381:2001「大気暴露試験方法通則」
JIS Z 2381(その1)目次に戻る。
【暴露試験場】
【暴露試験場の要求条件】
暴露試験場として満たすべき条件は,次による。
a) 暴露試験場は,当該地域の気候の影響を全面的に受ける場所とする。
b) 暴露試験場の近傍に建築物などの地上物件,草木など及び河川,湖,丘陵,凹地などの特定な地形的特徴が存在すると,日照,風及び大気汚染因子による影響を受け,予測できなかった暴露試験結果となるので,そのような場所は,暴露試験場として避けることが望ましい。
c) 暴露試験場の位置は,暴露した試料を定期的に観察でき,環境因子の測定及び記録ができる場所とする。
d) 暴露試験装置は,暴露試験場の状況に応じて,水はけのよい地面,芝地,砂利,コンクリート舗装処理などを施した場所に設置することが望ましい。ただし,標準的な暴露試験場に設置する暴露試験装置は,後に示す「暴露試験場の種類・標準的な暴露試験場」 による。
e) 暴露試験装置の設置場所の付近に草木などが繁茂していると,暴露試験装置の設置場所における温度及び湿度分布に影響を与えるおそれがあるので,そのような場所に暴露試験装置を設置する場合は,草木などの高さを0.2m以下とする。
f) 暴露試験装置付近の草木の生長を抑制するために除草剤などの薬品を使用する場合は,薬品が試料に飛来しないようにしなければならない。
【暴露試験場の安全性】
暴露試験場は,試料,暴露試験装置などが盗難,損傷などを受けないように,適切な安全処置が採られていなければならない。ただし,暴露試験場を囲むフェンスなどが暴露試験に影響しないように注意する。
【暴露試験場の環境】
暴露試験は,暴露試験場の環境因子である気象因子,及び大気汚染因子の影響を大きく受ける。したがって,暴露試験の結果を精度よく解析するためには,暴露試験場の環境区分を明確にしておくことが望ましい。
地球規模における暴露試験場の環境区分は,国際規格(ISO,IEC など)に採り入れられている。一方,国内の場合には,地域的な気象の特徴による気候区分,硫黄酸化物などの大気の汚染状況による大気汚染区分に分類される。
また,金属材料の大気暴露試験の場合には,海塩粒子の飛来量による腐食への影響を考慮した海塩区分が設定される。
附属書 1(参考)に暴露試験場の環境区分を示す。
【暴露試験場の種類】
暴露試験場の種類は,次の 3 種類とする。
標準的な暴露試験場
標準的な暴露試験場は,次による。
a) 地域的な気象の特徴が明らかな場所とする。
b) 大気汚染因子量の年ごとの変動が少ない場所とする。
c) 東,西,及び赤道の方向の仰角20度以上,反赤道方向の仰角45度以上に日照,降水,通風などの環境条件に著しい影響を及ぼす建築物などの地上物件,草木などがない場所とする。
d) 暴露試験装置の設置場所は,水はけのよい芝地とし,太陽放射光の照り返し,ほこりの舞い上がり,冠水などを防止する処置を施す。
e) 暴露試験装置の下,及び周辺の草木などの高さは,0.2m以下とする。
f) 暴露試験に影響を及ぼす気象因子,及び大気汚染因子を測定できる場所とする。
一般的な暴露試験場
一般的な暴露試験場は,次による。
a) 地域的な気象の特徴が明らかな場所とする。
b) 大気汚染因子量の年ごとの変動が少ない場所とする。
c) 日照,降水,通風などの環境条件に著しい影響を及ぼす建築物などの地上物件,草木などがない場所とする。
備考:a)~b)の条件を満たす建築物の屋上に設置された暴露試験場は,この範ちゅうに含まれる。
特殊な暴露試験場
特殊な暴露試験場は,特殊な環境条件を備えた場所とする。
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