JIS Z 2381(その7)

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JIS Z 2381:2001「大気暴露試験方法通則」

JIS Z 2381(その1)目次に戻る。

 【暴露試験結果の評価試験における一般的な要求事項】
 暴露試験結果の評価試験を行う際の一般的な要求事項は,次による。
 【初期値の測定】
 初期値の測定は,暴露試験を開始する前に次によって行う。
 a) 初期値を測定する前に,必要に応じて,【評価試験の方法】のa)によって状態調節を行う。
 b) 測定によって試料の損傷,破壊など暴露試験に影響を及ぼさないと想定される場合は,暴露試験用の試料を用いて初期値を測定する。
 c) 測定によって試料の損傷,破壊など暴露試験に影響を及ぼすと想定される場合は,初期値測定用の試料を用いて,それの化学的性質,物理的性質及び性能の初期値を測定する。
 
 【暴露試験の開始後及び終了後の評価試験】
 暴露試験の開始後,及び終了後の評価試験は,次による。
 a) 試料の外観に関する経時変化を常時,又は一定期間ごとに観察し,著しい変化が発生した場合は,その発生時期,及び状況をカラー写真などで記録する。
 b) 所定の暴露試験期間で,暴露架台,又は試料保持枠上で試料を目視観察を行う場合は,天候などによる支障がない限り,暴露試験期間の最終日に行う。
 c) 所定の暴露試験が終了した場合は,暴露試験装置から試料を取り外した後,可能な限り早い時期に,必要に応じて,【評価試験の方法】a)によって状態調節を行い,評価試験を実施する。
 
 【評価試験の方法】
 評価試験の方法は,次による。
 a) 評価試験を行う前に,試料に関する日本工業規格,又は国際規格(ISO,IEC など)に規定されている方法で,状態調節を行う。
 b) 評価試験の項目は,暴露試験の目的,及び試料の種類によって定める。
 c) 評価試験結果の評価方法は,初期値に対する変化率,残存率などの試料の性質,及び性能の変化を正しくとらえることができるように定める。
 d) 試験結果の再現性を得るため,できる限り同じ試験装置を用いて規定の方法で評価試験を行う。この場合,同一の試験員が担当することが望ましい。
 e) 評価試験に異常な結果が観察された場合は,その状況を詳細に記録する。
 
 【評価試験の項目】
 暴露試験終了後の評価試験として,次に示す主要な評価項目のうちの必要な項目について実施する。
 a) 外観観察,b) 写真撮影,c) 表面の顕微鏡観察,d) 断面形態,e) 質量変化(腐食量),f) 腐食度,g) 局部腐食の状況,h) 腐食生成物の分析,i) 光沢度,j) 色差・変退色,k) 付着性,l) 塗膜厚さ,m) 高分子の官能基・分子量の変化,n) 透過率,反射率などの光学的物性の変化,o) 引張強さ,伸びなどの機械的物性の変化,p) その他
 
 【記録】
 記録は,次の事項について行う。ただし,必要のない項目は,省略してもよい。
 a) 試料の名称及び種類,b) 試料の形状,寸法及び数量,c) 暴露試験を行う前の試料の前処理方法,d) 暴露試験場の所在地及びその緯度・経度・標高(暴露試験場の環境区分を明記することが望ましい。)
 e) 暴露試験方法の種類,f) 暴露試験面の方位及び角度,g) 暴露試験の開始及び終了時期,暴露試験期間,h) 暴露試験の結果,i) 暴露試験場の環境因子の測定結果()
 j) 暴露試験を途中で中止又は中断した場合は,その期間,理由及び処置,k) 暴露試験期間中の暴風雨など特記すべき事項
 
 :環境因子の測定方法に明確な規定がない場合(例えば,ぬれ時間など)には,測定方法を明記する。気象官署の観測資料を環境因子の測定値として用いた場合は,その入手先及び気象官署と暴露試験場との距離などの位置関係を明記する。

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